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第8話 不思議な動物? ボクのマリアちゃん

語り手:ネコのきなこ 挿し絵:猫野 サラ


マリアちゃんはボクとの生活に少しづつ慣れていき、猫という生き物の素晴らしさに感動していたよ。まあ、当然だけどね。人間は一緒に暮らして初めて猫族の凄さに気付くんだ。ボクたちは人間と共に、しかも、ワガママに生きていくことを許された唯一無二の動物だからね!ボクとの生活は決して楽ではないよ、これからも頑張ってほしいな、マリアちゃん!ボクは色々文句を言うし、言い成りには決してならないからね、ふふっ。

マリアちゃんはふだんお家にいることが多いんだ。で、彼女はやっぱり大きなネコかもしれない。だって、いつもボーッとしてる。そして、どこででもよく寝るんだ、すごい格好で!ボクは彼女みたいに恥ずかしいポーズで寝るネコはみたことがないけどね、ふふふっ。それに彼女はずいぶん寝相が悪い。いつだったか、彼女が寝返りを打ったら、その勢いで布団がひっくり返り、上で寝ていたボクはそのまま横の窓にブチ当たって落ちてしまったんだ。すごい音を立ててね。ボクも何が起きたかわかんなくて、ベッドの下でジッとしてた。マリアちゃんが急に叫んでさ、なに、なに、だれ?とか言ってるんだよ。誰もいないし、ボクが窓にぶつかった音だって理解するのにちょっと時間がかかってた、はあ、、人間と暮らすのってときに危険だから気を付けないとね。

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そして、あるときは別人のように陽気に踊り出すんだ。お尻をフリフリ動かして、何か変な音を聴きながら。サルサっていう音楽らしいけど、、、。ボクたちネコは絶対あんなことしないな。で、家の中なのにハイヒールのダンスの靴を履いてね、有頂天だよ!キナちゃん、私ってセクシー?って聞くんだ。何だよ、セクシーって?彼女みたいに変な人間のこと?ボクがジッと見ていると、やってきてチュチュしまくるから、困ってします。とにかくサルサを踊ってるときの彼女は危険だ!ボクの知ってるボス猫はちゃんとルールを守ってた。ボクたちにはきちんとしたマナーがある。でも、マリアちゃんは何もわかっていない犬のようにダメだね。やれやれ、、。


あとね、彼女は何度も冷蔵庫を開けて、何かをたべてるんだ。本当に幸せな顔をしてね、ふふふっ。人間って1日に何回食べるの?彼女は5回くらいかな。冷蔵庫はもっと開けてると思うけど。


ヨガっていうヤツも時々やってる。スースー変な音を鼻からさせて、ボクは心配して駆け寄ったよ、最初は。で、ボクたちと同じようなポーズをするんだ。う〜ん、彼女の体は硬いね。人間にしてはましな方かもしれないけどね。まだまだ、ボクたちネコのレベルには程遠いよ。だから、ボクがお手本を見せてあげたんだ、彼女の目の前でね。

彼女は羨ましそうに、キナちゃんは上手だね〜って感動してた。いやいや、マリアちゃんの動きがまだまだなんだよ。だから、ボクはマットの上でいろんなポーズを見せてあげたんだ。

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すると、感動するどころか彼女はボクに嫉妬して、どいてよ、ってボクをマットから追い出したんだ。呆れるほど勝手だね、マリアちゃん、、、。

まあ、ボクが広い心のネコなので、彼女はのんびり気楽に生きてるよ、ふふふっ。


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