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第5話 ボクのスパゲティー?

語り手:ネコのきなこ 挿し絵:猫野 サラ

ボクのマリアちゃんはパスタが大好き。もうねえ、朝から大盛りで食べるんだ。チーズってやつをいっぱいのっけて、私って天才!!とか言いながら食べてるよ、猛獣のようにね、ふふふっ。でも、どんなにお腹が空いてても、ボクのご飯を先に用意してくれるんだ。さすがボクのマリアちゃん!

ボクはスパゲティーって名前だって覚えたんだ。これには深い事情があって、これからご飯を食べる人は後にした方がいいよ。ふふふっ。

ある朝、マリアちゃんが目を覚まし、いつものようにボクのご飯を用意して、トイレの掃除をしてたんだ。で、突然すごい声で唸ったんだ。

ギャアアアアアアア〜きなこォ〜〜!これナニ〜??ってね。

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スコップの中をジッと見てるんだ。彼女は目が悪いからものすごく近くで見てたよ。ボクのあれを、、ふふふっ。よ〜く見ると長いスパゲティーが、、でね、ひどいんだよ!

きなこ、私のパスタ食べた?って聞くんだ。食べるわけないじゃないか!そんな余裕を与えないくらいの勢いで彼女はバクついてたよ。ボクは腹が立って、抗議したんだ。プンプン怒って、睨みつけてやったよ!

ボクの話も聞かず、ねえねえ、キナちゃん?あれってさあ、、回虫って言う寄生虫じゃない?って言うんだよ。知らないよ、そんなもん!!だいたいさあ、人間のご飯なんて食べないよ、ボクはネコなんだから!

その後、彼女は発見したスパゲティーを冷凍庫に入れた。小さなビニル袋に入れて、それでも気持ち悪いからって、それを別の袋に入れてさあ、、。腐らないように保管するんだって、冷凍庫で、ふふふっ。

何日かして、動物の病院へ持っていったんだ。この先生も回虫だって言ったらしいよ。それでね、先生が人間の身体にもその回虫が入っていくって説明すると、マリアちゃんさあ、私も診てもらえますか?って訊いたんだって。ネコの病院でだよ!! 先生はね、あなたは人間の病院へ行ってくださいって笑ったらしい、当たり前だよ!! 


で、大変なのはここからだった。

彼女、お薬をボクに飲ませようとしたけど、全然ネコのことを分ってないんだよ。で、お薬をボクの口へ押し込んでさあ、もう死ぬかと思ったよ。で、慌ててさあ、きなこ〜〜、ゴックンって飲み込むの!!って。ボクは、ペッて吐き出した。そんなこと3回も繰り返したんだよ。大きな錠剤だったよ。

マリアちゃんって超大型の犬を飼ってたみたいで、ボクみたいな小さな美しいネコはどうしたらいいか分らなかったんだって。ごめんねって謝ったから許してあげたけどね。とにかく、犬とは一緒にしないでほしいよ。サイズが違うんだよ!ボクの可愛いお口とは!!ジョルジュのお薬は飴玉くらい大きかったらしいよ。

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やれやれ、、あれ以来、もうトイレでスパゲティーを発見することもなく、彼女は楽しそうに掃除してる、ふふふっ。

今回の事件で、マリアちゃんもいろいろ考えたみたい。きなこはノラのとき大変だったね、って囁いてた。大丈夫だよ、いまはマリアちゃんと一緒にいられるから、ふふふっ。


マリアちゃん、いつもありがとう。


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