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いただきますと愛の味

僕が好きな言葉、日本語を誇らしいと思える言葉。言葉というコトバも美しいな。

外国人の知り合いに、「いただきますってどう言う意味?」と聞かれる事がよくある。

僕は毎回丁寧に、「いただきます」は食べ物に対する感謝と、食事を作ってくれた人、作物を育ててくれた人、その食事に関わった人すべてに対して感謝する言葉だよ。と伝える。

そうすると皆は納得したようにうんうん、と頷く。

「ごちそうさま」は、その食事によって自分の命が保たれた事、新しい活力を得たことに感謝すること。

フランス語のボナペティは、食事を楽しむと言う意味で、これもまた素敵な言葉だと思う。

だからいっそのこと「ボナペティータダキマス」を世界共通語にすればいいと思う。

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料理には不思議な力がある。

僕はどんな高級料理よりも母が作ってくれる料理が一番だと言える自信がある。

そして居酒屋でバイトをしていた時、料理長が作ってくれるまかないも僕は大好きだった。そのまかないにもやはり母の料理と同じく魔法のスパイスがかかっていたのだ。

ある時、このほっこりする旨さって何なんですかね?と料理長に聞いたら、「それは愛や」と笑いながら言っていたが、僕は本当にそうだと思った。

同じ具材、同じ作り方でもやっぱり作る人によって全然違うし、その"愛の味"に気付く人と気付かない人もいる。

愛が何かって、ほっこりしてあたたかくて幸せで涙が出そうになるって事できっと間違いないのだろう。

今では、食べ物に全く興味が無かった彼女が、いつも僕の料理を美味しい美味しいと言って食べてくれる。

僕と一緒にいたら太ってしまうと文句を言いながら、山盛りのパスタを頬張る彼女は、前の自分を見ているようで嬉しくなる。

愛する、が何かって誰かの為に真剣でひたむきで穏やかな気持ちでありながら、それでいて自分もちゃっかりほっこりすること。

愛の味に気付いたら、ちゃんと気持ちを込めて言えるようになった。いただきますとごちそうさま。

とんとんとん。おやすみ。

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