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Need more crazy speed

日々のストレスが自由だったあの頃の自分を蝕んで行く。頭の中に霧がかかったような、どうあがいても本来の力の20%しか出せていないようなそんな毎日だった。

仕事も人間関係もうまく行かない。上手くやろうとすればするほどに自分が無能だと言うことを突きつけられるようだった。

「あの子と別れてからそうなったんじゃない?」

突拍子の無い言葉にドキっとした。会えなくなってからの僕の目に映る世界は、確かにどこか色褪せていて、ふとした瞬間に自分はこんな人生を望んでいたのだろうか。と思っていた。

これまでは仕事のストレスと将来への不安が原因だと思っていたのに、彼女と別れたと言う事実が、最もダメージが大きかったらしいのだ。自分が認知していない痛みを自覚する瞬間というのが初めてで、正直戸惑ってしまった。

目を輝かせて希望に満ち溢れていたあの時の自分は格好良くて、誰に何を言われても気にしない自信があって、余裕があった。

それは、彼女という存在のお陰だった。
あなたがいたから、あなたが認めてくれたから、それだけでなにもいらなかったし、何でも出来る気がした。

こんなにも人を好きになったのは初めてで、自分でも驚くほどあなたに恋をしている。初めて会ってから付き合った日の事。それから4年半が経った今でもずっと愛している。

そんな単純で馬鹿な男は、あなたに甘えてばかりで、愛を表現する事を怠っていた。
こんなにも好きなんだから彼女も分かっているはずだと勝手に思い込んで彼女の言葉を、寂しさを、優しさを踏みにじっていた。

もう遅いんだけれど、それでも誰よりも愛していたし、今でも愛していると言う事を行動で示さなければ。そう思った瞬間に、頭の中の霧が晴れて太陽が僕の頭上で燦燦と輝いた。

これはけじめ。例え彼女が僕と会いたくなくても、フランスへ行ってちゃんとお別れを告げよう。お金が無いなんて言い訳はもうしない。あなたがいなければ自分はこんなにもクズで、今だに10年後もあなたに隣で笑っていて欲しいと願うほど馬鹿なのだから。

半年間、幽霊のように彷徨っていた僕がようやく走り出す道を見つけた。クレイジーなほど全速力で走ってやる。

Notre Dame de Fourvièreのテラスであなたを待つその日まで。

※今年の12月に彼女が住むフランスへ行く事を決めました。お金の事、仕事の事、生活のことを不定期で投稿していこうと思いますので、少しでも応援して頂ければとても嬉しいです^^

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