さきコマ

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天気の子

はじめに 記録的大ヒットとなった君の名はの新海誠の最新作。前作に引き続きキャラクターデザインに田中将賀、音楽にRADWIMPSを採用している。 今回の作品は、晴れを呼び寄せる不思議な力を持つ少女陽奈、そして島を飛び出し東京で暮らす決意をした少年穂高が降り止まない雨の中織りなすボーイミーツガール。 ポジティブな点 相変わらず背景の美麗は他者の追随を許さないものがあり、雷や花火など新しい描写も違和感なく最高の背景を作り出していた。特に今回は作中ほとんどが雨のシーンだっただ

    • 沈黙 -Silence-

      キリスト教弾圧下の江戸時代において、棄教し日本人として暮らすという文と共に行方しれずになっている宣教師フェレイラ。師の安否を確かめに過酷な環境と知りながら日本潜入を試みる弟子ロドリゴとガルべの物語。 キリスト教弾圧という暗いテーマと共に、本編中BGMがほとんどない事も相まって暗澹とした雰囲気で物語は進んでいく。幕府側の未知のものへの恐怖としての弾圧という心理は理解できるが、宣教師や信徒がどれだけの拷問や死を突きつけられても棄教を選ばないという境地は、平和で恵まれた時代に宗教

      • 散歩する侵略者

        行方不明の夫が記憶喪失で発見され、一方別の場所では一家惨殺事件が発生し女子高生だけが生存。その両者がいささか奇妙な言動を取る。という何とも興味をそそられる導入部から始まるSFサスペンス。 明確な何かを示すわけでもなく、観客に何かしらを感じ考えて欲しいという作りは見終わった後伝わってくるものの、登場人物の場当たり的な行動や都合の良い展開にいささか引いてしまい没入する事はできなかった。 映画に限らず日本のSFサスペンスものにありがちな、設定と導入は素晴らしいのに〆かたが非常に

        • スリー・ビルボード

          アメリカの片田舎で娘をレイプされ焼き殺された母親は、その悲しみと9ヶ月経っても一向に事件の解決の兆しを見出せない警察へ不信感を募らせ、事件現場にもなった町の外れの3枚の広告板(スリー・ビルボード)にメッセージを貼り出す。 典型的なローカル映画で、そういうシナリオが好きな人には間違いなく満足できる作品だった。(ローカル映画は勝手な造語で、脚本家や監督が隠した意図や登場人物が持つ文化や歴史、問題といった部分を知っていればいるほど楽しめる類の作品の事)こういった作品は爽快に終わる

        天気の子

          15時17分、パリ行き

          Amazon Primeで鑑賞。 ”2015年8月21日、アムステルダム発パリ行きの高速列車タリスが発車した。フランス国境内へ入ったのち、突如イスラム過激派の男が自動小銃を発砲。乗務員は乗務員室に逃げ込み、554名の乗客全員が恐怖に怯える中、幼馴染の3人の若者が犯人に立ち上がったーー。" 上記のAmazon Prime内にある説明文に誤りがあるわけではないけれど若干のミスリードがあり、実際には幼馴染の幼少期からその事件までが物語の大半で、実際の事件の模様は後半1/3程度で

          15時17分、パリ行き

          ゴースト・イン・ザ・シェル

          Amzon Prime Videoのラインナップにあったので、原作の大ファンであるにも関わらず今更視聴。公開され次第観に行こうと思っていたものの、少し先に公開されたアメリカでのレヴューを見れば見るほど興味を失ってしまって行かずじまいだった。 ・ホワイトウォッシュ キャストが発表された段階で問題になったホワイトウォッシュだけれど、設定とシナリオによってそれはうまくクリアされていた。まずキャスティングする事自体に問題があるかと言われるとそれはまた別問題だけれど。 ああいうシ

          ゴースト・イン・ザ・シェル

          エビクラシーという名のデモクラシー

          5月31日、私立恵比寿中学のニューアルバム"エビクラシー"がリリースされた。 エビ中との出会い、再会、そして...8人体制になった頃からエビ中を聴き始め、金八〜穴空と経て自分の中でエビ中への熱は少し落ち着いていたんだけど、そんな中自分のアンテナがまたエビ中に向かったきっかけとなったのが、 これ。穴空から半年弱の時を経てリリースされたこの曲に心底驚いた。何よりも"かほりこ"の歌に。後発組の二人は既存メンバーに比べるとやっぱり歌が少し拙い印象が拭えなかったんだけど、この曲

          エビクラシーという名のデモクラシー

          君の名は。

          話題の映画"君の名は。"を見てきました。 なので核心には触れずに感想をいくつか。 以前より新海誠作品の大ファンなので第一報が発表された時から心待ちにしていた作品だったのですが、動員が落ち着いて空いてきたら見に行こうと思っている中フラッと立ち寄った某ショッピングモール併設の映画館を見てみれば、ちょうど今から始まる頃合いで席も全然埋まっていなかったので突発鑑賞。空席具合については田舎の平日昼間なんて話題の映画でもそんなものなんでしょう、これだけ騒がれているのでもっと埋まってい

          君の名は。