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選手との向き合いかた

今日は、選手との向き合いかたについて書いてみたいと思います。

メンバーが思い通りの成長曲線を描けていないという課題感は良く聴く話ですが、メンバーの成長を促すためにも、信頼関係を築くためにも、向き合い方一つで変わってくると思います。

・一人ひとりに思いやりを持ち、成長を信じて向き合う
・勝って驕らず、負けて腐らず。常に前向きで向上心を持ち続ける
・提案を受け入れ、一緒に考えるスタイル


・一人ひとりに思いやりを持ち、成長を信じて向き合う

選手の成長支援をする際に注意していることは、同じ学年、同じポジション、などチーム内での属性やカテゴリがどれだけ近しくても、一人ひとりの性格や個性などの人間性も違えば、得手不得手も違うということへの理解です。例えば同じ指摘をするにしても伝え方やアドバイスはメンバー特性を理解した上で適切な方法を考えながら接しています。


それでも各人の成長速度は違います。飲み込みが早いメンバーもいれば、本質理解に時間がかかるメンバーも当然居ます。また、高校生ということもありマチュリティの差も大きく、ポテンシャルを信じて期待しても、なかなかすぐには成果に結びつきません。寧ろ、1回で期待通りになることは少ないと思います。


色々な角度から成長のキッカケを創り続けること、選手自身の変革ポイントを見抜き、変化スイッチを押し続けることを根気強く継続することがコーチの役割だと思っています。

選手の成長幅を最初から決めてしまうことなく、本気でメンバーと向き合い、楽しい!もっと頑張りたい!と思わせることで、自ら高い目標を設定し、目標達成に向かったチャレンジをする選手が生まれると思います。

そして、その環境を創り続けることで、試合での大事な局面において、自らチャンスを創り出し、自らの手でチャンスを掴むような選手になってくれるのだと思います。



・勝って驕らず、負けて腐らず。常に前向きで向上心を持ち続ける

高校アメフトでは、春と秋の2シーズンがありますが、どちらもトーナメント方式となっており、勝てば次の週に試合をする権利が与えられ、負ければその試合でシーズンが終了。秋の大会は負けた瞬間にその試合が3年生にとっての引退試合になります。

シーズンが始まると嫌でも毎週ピリピリした状態での練習になりますが、僕らは普段の練習から試合同様の緊張感を持ち取り組めているのかを重要視しています。

試合だけ頑張ろうと思っても、なかなか成果は出ず、当然ながら他校も必死に練習しているわけで、僕らがどれだけ一生懸命取り組んでも結果は出ないこともありますが、取り組み自体が甘ければ絶対に結果が出ることはありません。

自信を持った状態で試合に臨めるよう日頃からの準備がとても重要になります。その中でも大切にしているのは「勝って奢らず、負けて腐らず」です。これは試合に限らず、練習中の勝負、レギュラー争い、試合中の1局面などすべての勝負に言えることです。

勝った時こそ、良い振り返りができる機会であり、自分達の力を付けていくチャンスにしていくべきです。結果に対して正当な評価はするものの、より厳しく、向上心を持ち、次に繋がる成長の機会にすることを心掛けています。

試合においては、負けた対戦相手の気持ちも背負い、その気持ちすら自分達のチームの力として取り入れて毎週成長を続けていくことがチーム強化に繋がります。

一方で、負けた時は本当に落ち込みますし、当たり前のようですが、悔しくて眠れない、夢に出てくる、という状態になります。しかし、嘆いていても過去の結果は変えられません。

次に同じ失敗をしないよう要因分析し、本質的な課題が何かを突き止め、解決策を掲げ、計画が実現するよう必死に練習に取り組むことで改善をしていくことにしています。

チーム内競争に負けたり、プレーの結果が出ない状態が続いている選手には、積極的に声を掛け、成長に繋がるヒントをアドバイスすることで、選手が腐るモードに陥らないように心掛けており、このようなフォローもチームで成果を上げるためには必要だなと思います。



・提案を受け入れ、一緒に考えるスタイル

僕らのチームでは、基礎や土台を創る練習と、戦術を遂行できるようにする練習を分けて行っています。

戦術を遂行できるようにするために、コーチ主導でMTGにて選手に戦術の狙いや弱いポイント、各ポジションの具体的な動き方や役割根を示します。その上で、グランドにて動かない相手に対しての当方の動きのイメージ作りや、実際に動く相手を付けて必要なアジャストやチューニングを加えていきます。

基礎や土台を創る練習は、練習方法も様々であり、現在はYoutubeなどで練習方法のアイディアもインプットできるので、選手達が自ら練習メニューを考えてくれています。

何をやるのか、は毎回選手から提案、報告が来るのですが、メニュー構成や内容に関してはできるだけ選手に任せるようにしており、提案を受け入れ、先ずはやらせてみるのです。

あまりにもポイントを外しているものについては指摘をしますが、選手達が自ら課題を考え、改善するために考案しているメニュー内容です。主体性を活かしつつ、練習内容で何を変えていけば、より質の高い練習になるのか、密度が濃くなるのか、について、外から見える点を選手とディスカッションしながら、一緒に考えていくスタイルをとっています。

それにより、選手の考える力、行動する力を高めると共に、僕との考え方や目線の擦り合わせ、信頼関係の構築にも繋がっているのだと思っています。