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千乃あいみ
2024年5月6日 13:07
シャンプーの香りで目が覚める。同じシャンプーを使って起きた朝、自分の頭がこんなにいい匂いかもしれないことを、初めて知った。「ゴールデンウィークだね。どうしよっか?」寝ぼけた彼女は、僕の腕の中でごそごそと動いた。「コーヒーが飲みたい」腕を解き、布団を抜け出してキッチンへ向かう。僕の部屋に慣れた彼女は、まるで自分の部屋のように、棚の中から簡単にコーヒーを見つけ出した。まずお湯を沸かす。そ
2024年3月28日 19:00
「あった〜、ここにあったのか」放課後、音楽準備室の奥を漁る。机の下に落ちた黄色いマスコットを、腕を伸ばして取り、埃を払った。「お守りみたいに大切にしてたのに」。大事なものを忘れるくらい、一生懸命だったのかな。吹奏楽部でこの部屋を使ってたのはだいぶ前のこと。大学受験の合格発表を終えた私は、ぴよりんのマスコットをお腹に抱き抱えながら、ふうと一息ついた。準備室を出ようとした時、扉を開ける音が聞