黙っていた。

目は沢山のものを映し、耳は過敏に反応し、感情を運んでいる筈なのに。

この口は開こうとしない。

具現化した心臓が、まるで目の前にあるかのように

だんだん、だんだん、重くいなっていく。

だんだん、だんだん、冷たくなっていく。

まるで、綺麗な雪が積もっていくかのように。

美しい。

このままそう思っていれば、美しさを抱いて、きっと眠れる。

眠らなければいけない。

思考が停止してしまう前に。



積もれ

積もれ

限界まで


積もれ

積もれ


いつか溶けて消えるまで




end


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