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第30回:ネメシスI &IIを読みました

こんにちは、あみのです。今回の本は、もうすぐ始まるテレビドラマ『ネメシス』のノベライズ1巻と2巻(講談社タイガ)です。このシリーズは巻ごとに作者が違い、1巻は今村昌弘さん、2巻は藤石波矢さんがノベライズを担当しています。

1巻にはドラマの1話と3話に該当するエピソード、2巻には2話に該当するエピソードとノベライズ限定エピソードが収録されています。もちろん1巻だけ、推し作家だけ読んでも楽しめると思うのですが、個人的には「1巻1話→2巻1話→1巻2話」といった放送予定順で読むのがおすすめです。

あらすじ(カバーからの引用)

★1巻(著者:今村昌弘さん)

 横浜に事務所を構える探偵事務所ネメシスのメンバーは、お人よし探偵の風真、自由奔放な助手アンナ、そしてダンディな社長の栗田の三人。そんなネメシスに大富豪の邸宅に届いた脅迫状の調査依頼が舞い込む。現地を訪れた風真とアンナが目にしたのは、謎の暗号と密室殺人、そして無駄に長いダイイングメッセージ!?連続ドラマ化で話題の大型ミステリシリーズ、ここに開幕!

★2巻(著者:藤石波矢さん)

 探偵事務所ネメシスを訪れた少女の依頼は、行方不明の兄の樹を探すこと。探偵風真と助手のアンナは、道具屋の星の力を借り、振り込め詐欺に手を染めた彼を捜索する。しかし、ようやく見つけた樹は、血濡れたナイフと死体を前に立ち尽くしていた。ネメシスは二転三転する真相を見抜き、彼を救うことができるのか!?「道具屋・星憲章の予定外の一日」も収録したシリーズ第二弾!

感想

まずどちらの巻にも共通したのが、私の中にある「ミステリーが好き」という感情を蘇らせる物語だったことです。1巻は豪華なお屋敷や遊園地が舞台の「本格ミステリー」らしさを感じる内容、2巻は人間の感情に寄り添った心震える内容と、シンプルながらも奥が深いミステリーの世界が楽しめる最高のシリーズでした。

小説として読むなら謎解き要素強めな1巻の方が個人的には好きです。だけど、2巻は登場人物同士の絆を感じられ、よりキャラクターの個性を知ることができる巻の印象で、「ネメシス」という作品がもっと好きになりました。ドラマが始まったら更にこの世界観が好きになってしまいそうです笑。

また、風真とアンナというメインキャラクター同士の掛け合いも読んでいて思わず笑ってしまうくらい面白かったです。作中の小ネタもいい感じです。カッコつけたがりな風真と、助手なのに風真以上の推理力を誇る(だけど味覚音痴なところが可愛い)アンナの凸凹な関係性にはすっかりファンになりました。

黄以子や星といったお助けキャラの存在もメインの2人にはない個性を持っていてドラマの中でもどう動くのか楽しみですし、「ネメシス」の所長も何か今後の物語のカギを握っていそうで、気になっているキャラクターのひとりです。

もちろん、ミステリーとしても大満足の面白さでした。かなり凝りすぎたダイイングメッセージを見た時は、「めちゃくちゃ頑張って書いたな!」と風真&アンナと心の中で大合唱。2人が挑む謎を一緒に考えたり、真相に驚いたりできるミステリーならではの感覚が何度も味わえる作品でした。この感覚を味わいたいから、私はミステリーが大好きなんだ!

それぞれの作家さんの個性や様々な形の「ミステリー」が楽しめるシリーズ。3巻以降も好きな作家さんが多く参加しており、あらすじも気になるキーワード満載だったので、ノベライズ版だけでも今後の展開に期待が高まります。次巻の執筆者は、周木律さんとのこと。久しぶりに読む作家さんなので、周木さんが描くネメシスの面々にも早く会いたいです。

ノベライズのあのシーンやこのシーンがドラマではどう表現されるのか?ドラマの放送が待ち遠しいです。また、ドラマを見てから該当のエピソードを再読したら、新しい発見ができそうでわくわくします。このノベライズやドラマを機に、ミステリーの面白さにハマる人が増えるといいですね。

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