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【読書感想】センスは知識からはじまる(8月課題図書)

どうも、地方公務員のばたやんです。
月末の更新は月1冊読了チャレンジ課題図書の読書感想です!

🔷8月の課題図書

センスは知識からはじまる
著者:水野学

🔷なぜ、本書を読もうと思ったのか

課題図書発表の投稿にも書いたのですが、デザインや色彩において、学んだことを活用して資料を作ったりアドバイスをするたびに、ばたやんはセンスがいいから、という返しが高確率で返ってきます。

これに対してセンスは感覚ではないということをうまく言語化して説明できなくてですね、もどかしさを感じていました、本書から何かしらのヒントが得られればと思い課題図書としました。

🔷この本を読むと何が得られる?

  • センスの正体がわかる

  • センスの磨き方がわかる

  • ビジネスセンスも磨くことができる

  • アイデアは降ってくるものという誤解に気づける

🔷センスの正体を自分なりに考えてみる

本書を読む前に私なりに「センスの正体」を考えてみました。

センスっていい悪いで語られることが多いですよね、なのでセンスがいいとは?センスが悪いとは?という問い立てで考えてみました。

ばたやん的センスの定義は、センスがいいとは理論の上にあるおおむねの人たちが良いと判断した物事、センスが悪いとは理論に則していなかったりおおむねの人たちが悪いと判断した物事の状態を指している、と言語化してみました。

考えてみて、センスってこれだ!という明確な基準みたいなものがないので、そもそも定義づけできないんじゃね?とも感じました。

では、本書の著者はどのように考えているのかみてみましょう。

🔷センスの正体

〇センスの定義

著者は本書のド頭でセンスを次のように定義しています。

センスとは、数値化できない事象を最適化することである
センスは知識からはじまる

お!なんだかいいセンいってたのではと少し喜んでみる、同時になるほどと納得しました。

センスのいい悪いは数値化できない定性的で相対的な事象からはかられているようです。

例えば、服のセンスがいいというのはかっこいいor悪いですし、仕事のセンスがいいというのは業績がいいor悪いや要領がいいor悪いといったようにケースによってセンスの示す対象が変わっているのが分かると思います。

〇まず「普通」を知る

本書では、センスのいい悪いを測ることができる唯一の道具が”普通”だと言っています。

これは普通を知っているからいいものも悪いものみわかる、言わば「一番真ん中」を知ることでいいもの悪いものの位置関係が分かるということです。

数値化できない事象を最適化するには、多角的・多面的にものごとを測り「普通」を見つけ出し、設定する能力が必要です。
センスは知識からはじまる

🔷センスの良さが求められる時代

著者の持論では「技術からセンスの揺り戻し」、つまり技術がピークを迎えるとセンスの時代がやってくると言っています。

例えば戦国時代、戦闘技術がピークに達し戦国時代が終わりを迎えた時、大名たちは茶の湯や芸能に夢中になり、ヨーロッパではルネッサンスという古代ローマやギリシアの「なつかしさ」を求める活動が活発になりました。

これを現代に照らすとどうでしょう?

少し前までも日本はのづくりの国と呼ばれ卓越した技術力があった、しかし現在アジア圏では韓国や中国製品に一歩遅れているように思うのです(批判じゃないですよ)。

技術がピークに達するということは、選択肢が増えるということ、たくさんの選択肢からどれかを選ぶ判断が求められる、その時々で最適な判断をするにはセンスが求められる。

🔷時代は次なる利休を求めている

安土桃山時代における千利休というのは、今の時代でいうクリエイティブディレクターのようなものです。
センスは知識からはじまる

安土桃山時代と利休いえば、装飾の多い「唐物」がよしとされる価値観のなかで、利休は装飾の少ないシンプルな茶器をよしとして「侘び茶」というあたらしい概念を確立しました。

これは一見新しい概念を作ったように見えてますが、実はシンプルな茶器は「唐物」がはやる前から存在していて、そこに「侘び」というストーリーをのせることで茶器の背景をデザインしたのです。

先述した通り、今の時代はセンスの良さが求められる、であれば利休のようにたくさんの選択肢から最適なものを選べるクリエイティブディレクターが求められているのだと思います。

利休カエルと利休ウサギ

🔷センスは知識からはじまる

では、どのようにしたら利休のようなセンスの良さが身につくのか、著者の考えはつぎの通りです。

センスとは知識の集積である。
センスは知識からはじまる

センスのよし悪しを測るためには「普通」を知ることが大切だと本書は述べており、「普通」を知るための方法は知識を得ることだ、と言っています。

本書では「イノベーションは、知識と知識の掛け合わせである」と言っており、ここを読みながら以前YouTubeで岡田斗司夫さんが「アイデアの作り方」を説明した動画を視聴したときに、「アイデアはゼロから作るのではなくて持ってくる」とおっしゃっていたことを思い出しました。

なるほど、だから知識を蓄えることが大切なのか、ととても腹落ちしました。

また、著者は自分の感覚を過信しないことを気をつけているようで、自分が良い、素敵だと思ったものには何かしらそう思ったワケがある、それを説明できるからこそセンスが身につくとしています。

🔷本書を読んで

本や動画、セミナーなどいろんなところで得た知識が、あるときふとつながる瞬間があるのですが、それこそがセンスに磨きがかかる瞬間だと本書の読んで認識することができました。

You can't connect the dots looking forward; you can only connect them looking backwards. So you have to trust that the dots will somehow connect in your future.
訳)将来をあらかじめ見据えて、点と点をつなぎあわせることなどできない。できるのは、過去を振り返ってつなぎ合わせることだけです。だから、我々はいまやっていることがいずれ人生のどこかでつながって実を結ぶだろうと信じるしかない。
スティーブ・ジョブズ

スティーブ・ジョブズの名言にもあるように、いつか点は結ばれると信じて日々研磨する事が大切であると改めて思いました。

本書は2014年に発売された本ですが、当時よりも技術革新がとても速い、情報の速度も速い世の中では、常に新しいものが生まれてくるものです、こんな今だからこそ、センスを磨くことを怠ってはいけないと強く感じます。

この記事の内容が誰かの力や気づきになれれば幸いです。

それでは、地方公務員のばたやんでした。

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