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今日衝撃を受けた映画75ー“True North(トゥルーノース)”(アニメで描いた北朝鮮強制収容所の実態)

「TRUE NORTH(トゥルーノース)」とは、「真に重要な目標」を指す英語の慣用句。自分がどの位置にいようともコンパスの針は常に北を指すことから「決して変わらない目指す方向、正しい方向」「生きる意味」という意味で使われるようになった」(Wikipedia から引用)


北朝鮮の強制収容所の実態を清水ハン栄治監督が10年かけて調べ、その実話をもとに制作した3Dアニメ作品だ。過酷で残酷で目を背けたくなるシーンが延々と描き出される。まさに「現代のアウシュビッツ」と言っていい世界だ。今だにこんな強制収容所に閉じ込められ、飢えと強制労働と拷問と死の恐怖にさらされている人が存在している。「俺たちは何のために生まれてきたんだ」と語る若者の絶望感が胸を痛くする。

この収容所に送られる主人公の家族は、帰還事業で日本から北朝鮮に渡った人たちである。

 1959年から始まった北朝鮮への帰国事業。当時は「地上の楽園」
    と喧伝され、在日コリアンだけでなく、多くの日本人配偶者も同行した(Friday.kodansha.co.jpから転載)

ピョンヤンで暮らしていたが、ある日父親が政治犯として逮捕され、その後残された家族が強制収容所に送られる。

以降、飢えと過酷な労働の日々が続く。

(以下の写真はYouTube から転載)

収容所の粗末な家屋
主人公一家
主人公ヨハン少年ー石炭の採掘作業
投げ捨てられる遺体
処刑、拷問は頻繁に行われていた
9年後のヨハン
脱走者を射殺する監視
収容者を威嚇する監視
拉致された日本人も登場する。このシーンでは「赤とんぼ」のメロディーが流れた。
彼は食料を得るために一時支配者側の人間のために働く
だが母の臨終の際、言われた言葉で真っ当な生き方をしようと決心する

そしてついに逃亡を決意する。自分の妹と彼女に好意を持つ友人と3人で。

彼らはカナダに亡命していた。そこで明かされる真実ー後から来るはずだった兄のヨハンはこなかった。彼は2人を逃すために残ったのだ。そして救われた彼の友と妹は、この実態を世界に知らせるためにステージにあがったのだ。

救いようのない収容所の過酷な日々。そんな日常の中でも仲間をいたわったり、手を差し伸べたり、励ますシーンがある。いっときでも救われた気持ちになる。そして「かならず希望はある」と言う言葉にも。


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