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文豪たちの口説き本 彩図社文芸部

 愛人を夢中にさせた太宰治、素直になれない中原中也、
甘い口説き文句を連発する芥川龍之介、
先輩詩人を熱烈に慕った萩原朔太郎、知らずに男を口説く石川啄木、
思いを伝えられない梶井基次郎、
身も心も捧げようとした谷崎潤一郎……。


文豪たちの口説き本


  面白い!!!
特に石川啄木最高です。

 正直、人手紙を盗み見しているようで
読む前に、
自分はなんで下衆い人間なのだ・・・・と
自己嫌悪になるかな・・・と

思っていたのですが、
何せ言葉が豊富で、恋心の表現がこんなにあるのか?
多種多様な心情を表白する内容は

さすが作家!
素晴らしかったです。

中には「子供か!!!」というのもありますが
直球の表現はそうなるよなと、逆に説得力が増しました。

 だからこそ、自己嫌悪は
そこまでではありませんでした。

 中には「誰にも見せないでね」と芥川龍之介先生の
言葉はかわいそうだな、気の毒に・・・・とも思いましたが

手紙の受取人の文さんは、きっと芥川先生の事が好きで
手紙を大事に取って置いたのだなと思うと

幸せな人だとも思う。

  石川啄木は会ったこともない人に
熱烈な恋文を送りまくり

 一度でいいから写真を送ってほしいと懇願し
送られてきた写真を見た途端

「美しくない」と一気に冷めてしまい
手紙をほぼ送らなくなる。

  別の方は文通相手が男と分かった途端
文通をやめてしまう。

 気の毒だが、面白過ぎる。
きっと本人も笑ったのではないか?と想像してしまう。


   文豪も一生懸命生きていたのだな。
と思わせる、可愛らしい本でした。

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