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“定年難民”への違和感

(写真はザータリ難民キャンプで出会った仲良しのおじいちゃんたち)

先日、『ダイヤモンド・オンライン』にてこのような記事を見つけた。

「定年後は田舎暮らし」の落とし穴、“定年難民”にならない4つのコツ(https://diamond.jp/articles/amp/173683)

内容を大雑把に言えば、定年後に生きがいを失って居場所も目的もなく暮らす“定年難民”にならないための4つのアドバイスが書かれています。

...という内容は正直どうでもいいんです!!

僕が何に引っかかってるかというとこの“定年難民”という言葉!!

恐らく「居場所がない」という部分から持ってきたと思われますが、本当に“難民”という言葉を使うのは適切なのでしょうか。

そもそも「難民」とは1951年に採択された『難民条約』に定義されているもので、

人種、宗教、国籍もしくは特定の社会的集団の構成員であることまたは政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために、国籍国の外にいる者であって、その国籍国の保護を受けることができない者またはそのような恐怖を有するためにその国籍国の保護を受けることを望まない者及びこれらの事件の結果として常居所を有していた国の外にいる無国籍者であって、当該常居所を有していた国に帰ることができない者またはそのような恐怖を有するために当該常居所を有していた国に帰ることを 望まない者。

と長々しく書かれていますが、要は自分の「民族や宗教、政治的意見を理由に自分の国にいられなくなった人」を指します。

さらにシリア難民がよく知られていますが、最近では紛争によって帰れない人も難民として認められています。


何でも“〇〇難民”にしてしまう弊害

本題に戻りましょう。

記事で書かれている“定年難民”とは、もちろん定年退職した人が政治的迫害や紛争で故郷を追われている訳ではありません。

日本では他にも「ネットカフェ難民」、「レーシック難民」、「帰宅難民」(最近では「ごちうさ難民」というアニメまであるらしい....)と何でもかんでも難民を付けます。

「難民という存在を知るためには良い」という意見があるかもしれませんが、僕はこれが難民問題を啓発するどころか、問題を悪い意味で身近にし、矮小化させているようにしか見えません。

2017年は20人しか難民として認定されなかった日本。

軽々しく「〇〇難民」という言葉を使わず、本当の難民の方が直面している現実を知ることがまだまだ日本社会には必要なことだと改めて感じました。

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