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サッカー選手がウェイトトレーニングをしない理由を考えてみた

こんにちは!
関東を中心にS&Cコーチ兼パーソナルトレーナーとして活動しています、姉﨑 伸と申します。


Jリーグを見る人は知っているとは思いますが、今年の川崎フロンターレは強いですね😂
今年は降格がないというのもあるのかもしれませんが、それにしてもという感じです。

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ぼくがこの仕事を始めたとき(実際はもっと前からでしょうが。。)から言われていることですが、「サッカー選手はウェイトトレーニング(以下筋トレとします)をしない」とめちゃくちゃ言われています。

ぼくが現役だったときは、学校内にウェイトトレーニング施設があり、監督が筋トレをやらせる人だったので、学生時代から重りを上げるという作業に慣れている方ではありました。
トレーナーもついていたわけではないですし、フォームもやっている内容も今となっては???なものばかりでしたが。。。

なので正直、「世間が言うほどサッカー選手は筋トレしないのか?」というのは疑問でした。

まぁ、「サッカー選手が筋トレをしない」という考えは基本的に頭の中にあります。

ですが、現役のサッカー選手たち、特に学生たちと話していて気づいたことがあるので、今回は「サッカー選手が筋トレしない理由を考えてみた」というテーマで話そうと思います。


理由その①:何をやったらいいかわからない


実際に学生たちと話していて思ったのが、意外と筋トレに興味を持っている選手も多いということです。

事実、ある程度の強豪くらいになってくると、筋トレをやっていたり、チームにトレーナーがいたからその人に教わっていたという選手も一定数いました。

ただ、興味を持っていたけどやってこなかった選手たちに、

「じゃあなんで今までやってこなかったの?」

と尋ねると、

「筋トレは個人に任されていたから気が向いた時にやる程度でした」
「やった方が良いのはわかっているけど、どんなことをやれば良いのかがわからない」

という意見が多かったんです。

ものすごくもったいないことだなと感じます。

たしかにトレーニング指導者を呼ぶにもお金がかかりますし、指導者側もボランティアでやるわけにもいきませんから、仕方のない部分もあります。

ですが、サッカーのケガの発生率がサッカーに100時間参加した時6.2件というデータがあります。

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一方でパワーリフティング(スクワット、デッドリフト、ベンチプレスの合計重量を競う競技)は0.0027件、ウェイトリフティング(スナッチ、クリーン&ジャークの合計重量を競う競技)は0.0017件というデータです。

また筋トレがケガ予防のリスクを3分の1にしてくれるというデータのことも考えると、ウェイトトレーニングはそもそも他のスポーツよりもケガの発生率が低く、かつケガのリスクを下げてくれるということです。

これにお金を使わない理由があるのでしょうか?

ケガしたあとの治療や手術にお金を使うのではなく、ケガが起こらないためにお金を使うという考え方のほうが時間もお金も節約できます。


理由その②:環境がない


1.と繋がる部分も多いですが、やりたくてもできない環境に身を置く選手も一定数います。

これに関しては、普段練習している環境の近くに筋トレできる環境を見つける、あるいは責任者に設備を整えてくれるよう交渉する、自分でトレーニング指導者を探して学びに行くなどの選択肢しかないのが現状です。

特に今のコロナ禍においては、まだまだジムの利用に制限がかかっている(特に学校施設では)場所も多いようですので、やれる環境を探すというのが1番手っ取り早いと思います。


理由その③:筋トレに対するネガティブなイメージ


過去に筋トレに取り組んで効果を感じた選手がいる一方で、筋トレに対するネガティブなイメージを持っている選手もいます。

主な考えとして、

・身体が重くなる

・キレが悪くなる

・ケガしやすくなる

などの意見が出てきます。

はっきり言って全部間違いです。

適切にトレーニングを行えば、身体能力を向上させつつ、ケガのしにくい身体を作るのは可能です。

だいたいこのようなネガティブな考えを持つ選手たちの話を聞くと、

「あぁ、この子は良い指導者に出会えなかったんだなぁ。。」

「スポーツのためのトレーニングに触れる機会がなかったんだな」

と思ってしまいます。

また、YouTubeなんかで「筋トレ」のワードで検索すると、出てくる動画のほとんどがボディメイクなどの身体の見た目に関するトレーニングばかりで、サッカー選手が行うべきである、トレーニングの原理や原則に基づいている内容ではないものがほとんどです。

べつにボディメイクなどのトレーニングを否定するつもりは全くないです。

目的が違うのだからやる内容が変わるのは当たり前の話ですが、そこを分けて考えることのできないトレーニング指導者やトレーナーがまともに勉強し直さずにアスリートに指導してしまうことで、アスリートが望んでいない結果を招いてしまう事例があったから、このような筋トレに対する悪いイメージがついたことも原因の1つだと思います。
実際トレーニングの原理原則を誤った考えで実施している、いわゆるスポーツトレーナーがいるのも事実ですが。


まとめ

サッカー選手が筋トレをしない理由について考えてみました。

これがすべてではありませんが、ほぼほぼ記事の中であげたものが理由になっていると思います。

目の前の選手が困っている時に、何でもかんでも自分で解決し過ぎようとすると、望まぬ結果につながる場合もあります。

専門的なことを実施するならその道の専門家から教えてもらうのが1番です。

サッカー選手に関わる身体の専門家が、お互いの業種でリスペクトし合いながら、目の前の選手を良くするために協力しあえると良いなと思います。

フィジカル面でお困りのサッカー関係者の方がいらっしゃいましたら、プロフィールにTwitterのリンクがありますので、ぜひそちらからご連絡ください。

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