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赤い荒野

今飛び立つ翼のように
赤色は拡がってゆく
かなしみの質量を
隣人に明け渡して
進みを止めずにいる
その粘度は未練と後悔
けれどもそれすら
繋ぎ止めることは難しく
最期の兵の総攻撃のように
赤色はなお拡がってゆく
それをぼんやりと眺めるのを
止めたかった
大きく両の翼を拡げた頃に
本当に旅立ってしまった

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