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Anna
2019年12月16日 18:18
「知らないふりをしていたんだ。ごめん。ごめんね。」「え?」「ごめんなさい、私、本当にこんな……っ!」 お昼。コンビニで買った新作のパンといつものおにぎりを振り回しながら、人の来ない空き教室に向かって歩いていた私を連れ去ったのは、一言も話したことのない女の子だった。困った。彼女のカーディガンはどんどん重たそうな色に変わっていくけど、どうして泣いているのかも何の話をしているのかも、そも
2018年8月26日 15:50
「飛べない鳥は不幸でしょうか。例えば鶏とか、ダチョウとか。別に不自由はないですよね。」僕の部屋の、一番日当たりのいい場所に吊るされた鳥かごを見つめながら、Aが話す。「彼らは飛ぶ幸せを知らないからね。飛べないという感覚がないし、不幸ではないと思うけれど。」「・・・つまり、空を知っているこの子は不幸ですか?」あちらを向いた彼女の表情は僕には見えない。怪我をして飛べなくなった小鳥を遊ばせるように