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コンポストを使った堆肥作りは簡単?ホントは難しいよねえ…。

 二年前にばあちゃんから管理を任された畑の土がカチコチであまりに痩せていたので、先ずは「土づくり」。そこで私は雑草やもみ殻、米ぬかなどタダで大量に手に入る材料を使ってこれまでいろんな堆肥を自作して来ました。ただ、生ゴミだけは最後まで手をつけずにいたんですよね。

 昔からこの辺りの田舎じゃ生ゴミは畑の片隅に穴を掘って捨てていました。当時は誰も気にしていませんでしたが、強烈な悪臭とハエやミズアブなど虫の大発生、野犬や野良猫・野生動物がやって来て荒らすなど、今のご時世なら近所から苦情が来ること間違いなしの案件です。うーん、あれを管理するのはヤだなあと思っていたんです。(^^;)
 そんな私が、とうとう生ゴミの堆肥化に挑戦しだしたきっかけは、1年前にこれまたばあちゃんが長年放置しておいた釣り鐘型コンポストを庭の隅から発掘 してしまったことでした。www

「とりあえずやってみたら何とかなるやろ?」

と、コンポスト容器を畑に設置し直して、私が行った生ゴミの堆肥化作戦は次の手順によるものでした。

1.底に落ち葉や籾殻を分厚く敷く
2.生ゴミを投入 
3.米糠を振りまく 
4.古い培養土で覆う

 で、2と3を繰り返して、時々4の手順で積み出して数ヶ月。ところが一向に堆肥化しているように見えません。思い切って容器を取り外して中の様子を見てみたら、あ゛ーーー! 失敗です。底の方は見事に腐敗してベチャベチャ。生ゴミは悲惨な姿になっておりました。冬場の気温の低い時期だったからよかったものの、夏場だったら悪臭と虫で大変だったに違いない。(T_T)
 生ゴミを堆肥化する時に問題になることは、
 ・水分量が多い
 ・腐りやすいモノと腐りにくいモノが混在している
 ・毎日結構な量が出る

ということです。
 全国各地の自治体が推奨している「段ボールコンポスト」や「生ゴミキエーロ」でも同じですが、これをうまく分解させようとするなら、小まめな水分調整と攪拌が大切になってきます。
 ところが、野外設置型のこのコンポストでは、容量が大きいこともあってこの管理が大変やりにくいのですね。ま、それもそのはずで、そもそもこのタイプの釣り鐘型コンポストは

中に生ゴミと水分調整剤となる枯れ葉、畑の土などを交互に山積みして、時々かき混ぜながら8分目くらいになったら容器を抜いて、その場で2~3ヶ月熟成させて堆肥を作る道具

です。そのまま容器をかぶせたまま放置してもいいとはいうものの、私のやったような方法で発酵分解させるようにはできていませんもんね。(^^)

これはいかん!

 ということで、いろいろ調べていくうちに籾殻で生ゴミを堆肥化しておられる果樹農家さんの実践例を発見しました。その方のやり方は

『籾殻とスーパーでもらってきた大量の野菜クズと魚のアラ、売れ残った廃棄生肉などの生ゴミを堆肥枠の中に交互に積んで行くだけ。』

 この果樹農家さんは、ミルフィーユ状に積んだ状態で水分調整も切り返しも攪拌もされません。籾殻はもともと余分な水分の排出性と通気性に優れているので、これで大丈夫なんだそうです。こうして積んで3ヶ月もすると立派な堆肥ができるというからすごいです。

籾殻、生ゴミ、籾殻、生ゴミ、籾殻…。こりゃ、簡単で手間いらず。楽勝ですね。www

 おー!この方法ならこのコンポストでもできるんじゃね?ってなわけで、試しに籾殻、生ゴミ、籾殻、生ゴミ、籾殻、生ゴミ、籾殻…と積んでみたのがこちらの画像。もうね、てっぺんまで入ってます。(^^;)

で、こちらが数ヶ月後の様子。籾殻は美しい飴色に輝き、残飯は跡形もなく分解されています。

 あれから水分調整も切り返しも攪拌も一切何もせずに放置。そしたら!容器のてっぺんまで積んだはずなのに全体のかさは2/3程度まで下がって、こんな具合になっておりました。とってもいい感じの仕上がり具合です。(^^)

 というわけで、現在我家ではもう一基釣り鐘型コンポストを設置して2台体制。一つが満タンになったらそのまま数ヶ月(夏場は3ヶ月)放置して熟成させ、その間にもう一つのコンポストに生ゴミと籾殻を交互に入れ、そちらが満タンになったら、熟成させていた方を畑に入れて空にする。この繰り返しで、今のところ我家から出る生ゴミは全てこの容器の中で堆肥化できています。
 攪拌も水分調整もいらず、容器の密閉さえしっかりすれば悪臭や虫の発生もかなり抑えられるこの方法。ごみ収集日に我が家から出る可燃ごみの量が大幅に減ったことは言うまでもありませんが、私としては全くの手間いらずで上質な籾殻堆肥が作れて、生ゴミを完全に畑へ循環できることが何よりうれしいです。(^^)


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