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【小児科専門医が解説】赤ちゃんのアザについての悩み、疑問

こんにちは。
子育て医療のあんよ編集部です。
あんよは、複数の小児科専門医と一緒に作り上げる子育て医療のQ&Aの発信をしていきます。

この記事は、主にあんよで寄せられたQ&Aをもとに作成しております。
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赤ちゃんのアザについてのQ&A


1. 背中の腰のあたりに、あざや突起(とっき)があります。

蒙古斑(もうこはん)ではないあざや血管腫があったり、いぼのような突起物がある場合は、その直下の脊髄(せきずい)に異常が見られることがあります。 診察した上で、可能であれば超音波の検査で確認しますが、直接、二次医療機関へ紹介をすることが多いです。

2. うなじの赤いあざはとれますか?

うなじの赤いあざは、新生児の3人に1人の割合でみられ、赤ちゃんのあざの中で最もありふれたものです。医学用語では、サーモンパッチ、またはウンナ母斑といわれています。欧米では一般に「天使のキス」とか「コウノトリの嘴の跡」とも呼ばれています。「天使のキス」とは、生まれてきた赤ちゃんを祝福して、天使がキスマークをつけたという意味でしょう。欧米では、コウノトリが赤ちゃんを運んで来るという言い伝えがあり、うなじの赤いマークは、コウノトリが赤ちゃんを嘴でくわえて空を飛んできた時についたものだというわけです。 うなじのあざは、普段は目立ちませんがお風呂に入った後や激しく泣いた時などに、その部分の血液の流れが増えて、赤みが目立ってくることがありますが。気になさらないで下さい。 このウンナ母斑はほとんど自然に消えてしまいますが、5~10%は成人になっても残るようですが、髪の毛に隠れる部分なので気になることはないようです。


3. 退院してから気付いたのですが、いちごの表面のような赤いブツブツのあざが次第に大きくなっています。

いわゆる赤あざの一つで、いちごのように盛り上がるので、いちご状血管腫(けっかんしゅ)といわれています。中に血管が多く、血液が入っているので赤く見えます。この血管腫は体の表面のどこにでもできますが、大きさや形はさまざまです。赤ちゃんが生まれてすぐ気付かれ、赤味が増して、数か月は大きくなっていきますが、1歳ぐらいまでには小さくなり始め、色もうすくなって、小学校に入る頃までにほとんど消えてしまいます。 しかし、あまり大きくなると、消えた跡が残ることがあるため、部位や大きさ・盛り上がりの程度を考慮して、早期にレーザー治療を行ったほうが良いケースもありますので、形成外科や皮膚科の専門医に紹介します。 万が一、きずがついたり、自然に出血するようなことがあれば、きれいなガーゼか包帯で強く押さえ血を止めて小児科へ来院して下さい。

4. おでこの青っぽいあざは、何でしょうか?

おでこの青っぽいあざは、赤ちゃんでときどきみられます。平らで固くなければ、お尻や腰にみられる蒙古斑(もうこはん)がおでこにできたものです。お尻などにみられる蒙古斑は、4歳頃から消え始め、5~6歳頃になると半分ぐらいしかみられなくなります。 10~11歳には3%くらいしか残っていません。おでこの蒙古斑は普通みられる場所と少し異なった所にあるので、消えるのが少し遅くなる傾向があります。しかし、ほとんどがいずれ消えるので、あまり心配することはありませんが、場合によっては、レーザー治療の対象になることもありますので、1か月健診時に医師とよく相談しましょう。 おでこの青っぽいあざで数ミリでやや固いのは青色母斑といいます。青い平らなほくろと考えてください。蒙古斑と違って自然に消えることはありません。治療は、レーザー治療または、外科的切除となります。

5. ほっぺにある濃い赤いあざは何ですか?

ほっぺの赤いあざは、いちご状血管腫(けっかんしゅ)とポートワイン母斑(ぼはん)という2つのタイプがあります。いちご状血管腫(けっかんしゅ)は、表面が皮膚から盛り上がって、ぶつぶつした感じがいちごに似ているもので、生後1~2ヵ月頃に少しずつ皮膚の表面に赤いあざがではじめ、6ヵ月頃まで徐々に大きくなりますが、生後6ヵ月以後、だんだん色がうすくなり、早ければ1~2歳で、遅くても小学校へ行くころには自然に消えてしまいます。 一方、ポートワイン母斑というタイプは表面が平坦で、赤ブドウ酒がしみこんだように見えますが、これは生まれた時からあり、大きくなることはありませんが、自然に消えることもありません。そのため、美容上問題があれば、カバーマークでメークアップして目立たないようにしたり、レーザー光線で治療する場合もあります。


6. 眉間(みけん)、まぶた、鼻の上、首の後などに、うっすらと赤いあざのようなものがあります。

眉間(みけん)、まぶた、鼻の上、首の後などのうすい赤あざは、乳児期に自然と消えることが多いです。 その他の部位で、濃い赤あざは消えないこともありますので、診察時に、しっかりと見させていただきます。

7. 蒙古斑(もうこはん)のような青いあざと同じものが手や足にもあるのですが、何でしょうか?

背中やおしりのあたりにある比較的大きな淡い青あざは、よく知られている蒙古斑(もうこはん)というものです。この場合は、1歳頃まで多少色調が強くなることもありますが、その後4~5歳頃までに消えていきます。ほとんどの場合、大人になっても残っていることはありませんが、すべての人でなくなってしまうわけでもないようです。いずれにしても目につく部位ではありませんし、色調も淡いので治療は必要ないと考えられています。 同じ淡い青あざが腕や足やおなかに見られることもあります。これを異所性蒙古斑といいます。少し時間はかかりますが、通常の蒙古斑と同様、成人までにはほとんど消失してしまいますが、中には、大きくて濃い場合は完全に消えないこともあります。部位によっては、レーザー治療の対象になることもあります。

7. おなかの濃い茶色のあざは?

赤ちゃんが生まれた時からある茶色のあざは扁平母斑(へんぺいぼはん)といわれています。皮膚の白い人、黒い人、また日に焼けて色が黒くなるのは、皮膚にあるメラニン色素の量によりますが、あざのところにだけこのメラニン色素が多くなっている状態と考えていただければよいと思います。日常の外来や乳児健診でときどき見かけるあざの一つで、特別な原因とか、遺伝とは関係ありません。また大きさや形もひとそれぞれで、体のどこにでも認めます。このあざの大きくなってからの経過ですが、残念ですけれども自然に消えることはないようです。しかし、逆に大きくなったり、悪性化することは決してありませんので,必要以上に心配することは全くありません。 外見上の理由で治療を行う場合は、乳児期からのレーザー治療が有効な場合もあります。

8. まぶたの赤いあざはなんですか?消えますか?

これは正中部母斑といって毛細血管が拡張したものです。赤いあざを押すと、色がうすくなったり消えたりするので、毛細血管が拡張していることがわかります。色が淡い赤色で鮭の色に似ているのでサーモン(鮭)斑とも呼ばれます。まぶた以外にも、うなじやおでこにも赤いあざがみられることがよくあります。生まれた時にあるまぶたの赤いあざは、生まれて1週間以内に半分が消え、生後1年ではほとんどの赤ちゃんでみられなくなります。1年以上消えないようなら、単純性血管腫という少しブドウ酒色をしたものかも知れません。このあざは自然に消えることはありません。レーザー光線で治療する場合もあります。

9. 背中やおしりの青いあざは消えますか?

背中やおしりのあたりにある比較的大きな淡い青あざは、よく知られている蒙古斑(もうこはん)というものです。この場合は、1歳頃まで多少色調が強くなることもありますが、その後4~5歳頃までに消えていきます。ほとんどの場合、大人になっても残っていることはありませんが、すべての人でなくなってしまうわけでもないようです。いずれにしても目につく部位ではありませんし、色調も淡いので治療は必要ないと考えられています。


心配なことがあれば、すぐに小児科医へ相談しましょう。

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