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出来たてごはんを家族と食べる〜サットヴァな食事〜

私の母は昨年天国へ旅立った。
母は栄養士。食事の準備に手間と時間をかける人だった。1汁2品は当たり前、好き嫌いは許されない。栄養を考えて白米ではなく玄米で食べさせてくれる事もあった。当時、高校生の私は、玄米ご飯の弁当を学校へ持参し、友達から好奇な目で見られた事を覚えている。
そのような母に育てられた私には「食事は栄養を考えて作る」「手作りする」という価値感がある。また、母は食事通して「命に感謝する、生産者に感謝する、作ってくれた人に感謝する」という事を繰り返し話していた。今でいう「食育」であろう。

さて、アーユルヴェーダの話をしよう。
アーユルヴェーダでは、食べ物が心の質を支えていると考えられている。サットヴァな食事を推奨している。

サットヴァに富む食べ物は、多くの新鮮な野菜、新鮮な果物、調理したての穀物(炊き立てご飯)、多くの豆類、新鮮な牛乳、母乳、ギー、バター(適量)、多くのナッツ類、たね類、はちみつ、多くのハーブ類、新鮮な水など、といわれている。

「出来たて、新鮮」である事、と考える。こうした食事続けると、心が落ち着き軽く明晰になる、とのことだ。

日本の食料自給率議論は棚に上げるが、この国は食べ物に溢れて便利な国。ラジャス的な食べ物(創造力、攻撃性、激質刺激する。新鮮さ欠いたヨーグルト、コショウ、たまご、コーヒー、唐辛子、チーズ、精製した砂糖など)や、タマス的な食べ物(活動力を低下する、判断力を鈍らせ混乱を招く。肉、魚、多くのファーストフード、揚げ物、冷凍食品、食品添加物を使った出来合いの食品、残り物、マーガリンなど)に溢れており、瞬時に食欲を満たす食べ物が手に入る。

アーユルヴェーダのすごいところは、食品に制限をしていない。過剰神経質ならず、完璧じゃなくて良い、と言っている。とても寛容である。ただし、どの食品が心に影響するか、どの食品がサットヴァに富むかを知っておくのが良い、とされている。

私は十数年前結婚。舅、姑のいる田舎で夫と暮らす事を選んだ。

舅は亡くなったが、姑は野菜や果物を作っている。雨の日も風の日も外で農作業をする。そして野菜を生かす料理が上手だ。お陰で新鮮なものを頂いている。子どもも野菜の好き嫌いがほとんど無い。そして、私も台所に立つときは、その土地で生育された野菜で調理する。野菜は空、風、火、水、地の恩恵であることが分かる。

さぁ、今日は家にある野菜で何作ろうか。じゃがいもかぼちゃ、人参、茄子、ネギ、シソ、バジル、ししとう、ピーマン、みょうが…。主婦役割の私の頭はぐるぐるヴァータ。育ち盛りの子どもは肉を欲すからタマス的。だが、たんぱく質を摂取させたいから肉も魚も食卓に出す。私が量を控えれば良い。出来たてはサットヴァな食事だ。

母から授かった知恵と価値を、母になった私が自分の子へ伝えている。縁あって同居する姑の、自慢の野菜で作る出来たてごはんを家族で食べている。出来たてごはんは愛があり、美味しい。この環境、価値がアーユルヴェーダに繋がった想いがある。
 
宇宙に感謝、地球に感謝、2人の母親へ感謝。子どもすくすく育ち、夫も元気。アーユルヴェーダを学ぶことに豊かさを感じています。


※私は農作業を手伝っておりません。褒めて食べる専門です。

ズコッ。
〈続く〉

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