今朝方、また金縛りに遭った。
彼と付き合い始めてもう何度目か。
必ず彼の声か姿のどちらかが出てくる。一緒にいる時は隣に眠る彼の姿、いない時は通話している状態で声だけ、と現実の状態にリンクしていることが多い。
昨日も寝落ち通話した状態のまま、私のことを寝たと思っている彼が、ひたすらに愛の言葉を囁いてくれていた。
どれだけ私を好きか、必要としてるのか、優しく言葉にしてくれているの。

最初はそれがすごく心地良くて耳を傾けていたのだけれど、私がそれに対して答えても一切の反応が無いのでおかしいな？と思ったら、気付いたら金縛り状態に。
何度呼びかけても、彼に私の言葉が届かない。
だんだんと愛を語る彼の声が遠くなって
やがて視界がぐるっとダークな幾何学文様みたいになって、抜け出そうとして必死にもがくの。
スマホがすぐそこにあって、繋がっている彼の声は聞こえる、でも私の声が届かない。
何度も呼ぶのに届かない。
通話を切ったら気付くかな？とサイドボタンを押してみたり(でも何度押しても通話を切れない)、画面をトントン指で叩いて呼んだりするのに、全く彼は気付かない。
でも不思議と怖いとか、嫌な感じはしなくて、
気付いたら筋肉の硬直が解けてきて、視界が明るく戻ってきて…
結局いつも通り自力で抜け出した感覚。
何度も切ろうとしたスマホは、寝落ち通話の状態でずっと彼に繋がったまま…そんな感じ。
画面の向こうからは、愛の言葉ではなくスゥスゥと寝息を立てる彼を感じられる。

夢か現実か、その狭間が金縛りなのか。
起きて彼に一連の体験を話すと、第一声で見当違いの回答が返ってきた。

それ、本当に僕なの？
と。
君を怖がらせるなんて僕の皮被った別人なんじゃない…？
他の男だったら、嫌なんだけど…。

などと、言っていた。
ま、まさか金縛りで出てきた相手にすら嫉妬してくるとは。
間違いなくあなたなんですけど…。

でも僕の確証は無いよね…？
元カレってことはない？…旦那とか？
……ああなんか、殺したくなってきた。
君の夢、金縛りの中にまで入り込むなんて。
僕以外の奴だったら許せない。

いやいや。
あなただってば。
私があんなに必死で求める相手はあなただけだよ。
そう、丁寧に伝えたら、一応は納得してくれた。

君を金縛りにしてるのは、僕なのかもしれないね。落ち着いてから、少し悲しそうにそう言った彼。
その後は本当に沢山愛の言葉を伝えてくれたので、安心して眠りにつけた。

彼にもっと愛されたい、求めて欲しい、という深層心理がこんな体験をさせるのか…。
それとも彼が霊感強めで、金縛りも多い体質だから影響されているのか…？

実は前回一緒にお泊まりしている時にも、彼が金縛りに遭ってこの世のものとは思えない声で呻いていて、私が飛び起きて揺り起こしたことがあった。
その一時間後、今度は隣で私が金縛りに遭った。
その時も怖くはなかったけれど、奇妙で不思議な気持ちだった。
お互いに不思議な力が作用して、影響し合っているのは間違いない。

いずれにせよ、この日も起きてから私の心身をとても気遣ってくれて、沢山愛の言葉と安心をくれたので、良かった。
たまの金縛りも、悪くないな。と思えた。