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ロジカルシンキングをどうやって伸ばす?【教育に関する記事】

福島県の医学部で学生教育をしながら、心理カウンセラーをしたり、研究をしたり、YouTubeの運営をしたりしてるあおきしゅんたろうです。

先日の記事ではロジカルシンキングとクリティカルシンキングの特徴と違いについて解説しました(読んでいただいてありがとうございます!)

解説されたからとて、んじゃどうすればいいんじゃい?というみなさんのこころの声が聞こえてきました。そこでご要望にお応えして本日の記事では「ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの伸ばし方」について解説します。

この記事を読めば、ロジカルシンキングとクリティカルシンキングができるようになるために日常で気をつけることを知ることができるでしょう。

問題解決の枠組み

一部の研究では、問題解決のフレームワークの使用が論理的思考と批判的思考の能力を強化することを示しています。例えば、科学的方法論(観察、仮説立て、実験、結果の分析、結論)を使用することにより、順序だてて、論理的なアプローチで問題解決に取り入れることができます。

日常の例として、自宅の電球が突然つかなくなったという状況を考えてみましょう。

観察 まず、電球がつかないという現象を確認します。電球が切れているかどうか確認し、それがその部屋の唯一の照明源であるかどうか、他の電気製品が機能しているかどうかなど、周囲の様子も詳しく観察します。

仮説立て 観察から得られた情報に基づき、いくつかの仮説を立てます。例えば、電球が寿命を迎えたのか、それとも家全体の電力供給に問題があるのかなどです。

実験 次に、これらの仮説をテストします。電球が問題なのかを確認するために、新しい電球に取り替えてみます。それでも照明がつかない場合は、家全体の電力供給に問題がある可能性が高まります。

結果の分析 実験の結果から何がわかったのかを分析します。新しい電球に交換した結果、照明が正常に機能するようになった場合、原因は電球自体にあったと結論づけることができます。

結論 ここでは、全体の分析を通じて得られた結果をまとめます。この場合、電球が問題だったという結論を導き出しました。

メタ認知

メタ認知とは、自己の思考や学習プロセスについて考えることです。メタ認知を養うことで、思考を組織し、理解し、評価する能力が向上します。これにより、より論理的で批判的な思考が可能となります。

例えば新しいレシピを学ぶという状況を想像してみましょう。

あなたが新しい料理を作るためのレシピを学び、それを実行しようとしています。しかし、結果は思ったほど上手くいかなかったとします。

認知の認知 あなたは自分がレシピをどのように理解し、どのように料理を作ったのかを思い出します。特に、レシピの手順をどのように解釈し、それに従ってどのように行動したのかを考えます。

自己評価 あなたは、自分が料理を作る過程でどこで間違ったか、またはどの部分を改善できるかを評価します。例えば、ある特定のステップを飛ばしてしまったか、または誤解したかもしれません。また、使用した食材の質や量が問題だった可能性もあります。

計画と調整 次に、あなたは自分の料理スキルを改善するために何が必要かを計画します。たとえば、次回はレシピの指示により注意深く従うか、必要な材料を準備する時間をより確保するか、味付けの調整などを計画します。

このようなメタ認知的なアプローチは、あなたの料理のスキルだけでなく、学習プロセス全般を改善するのに役立ちます。

このプロセスはより広範な問題解決や決定を行う際にも適用可能であり、自己の思考プロセスを理解し、改善することで、より論理的で批判的な思考を養うことができます。

リフレクション

定期的かつ反復的なリフレクション(振り返り)がクリティカルシンキングを向上させることが示されています。これは、自己の考え方や行動を評価し、それらがどのように改善できるかを考える練習を指します。

日常生活の中での一例として、あなたが新しいスポーツ、たとえばテニスを学ぶという状況を考えてみましょう。

あなたがテニスの練習を始めたばかりで、サーブがうまくいかないとしましょう。ここで、リフレクションが重要な役割を果たします。

自己観察 まず、あなた自身のサーブの動きや技術を注意深く観察します。あなたのサーブがなぜ失敗するのかについて自問自答します。

振り返り あなたは自己観察の結果に基づいて自分自身のパフォーマンスを評価します。これは、自分がどのようにサーブを打っているか、体のどの部分が動いているか、どのタイミングで打っているか、どのような力加減で打っているかなどについて考えることを含みます。

行動の改善 振り返りに基づき、サーブの技術を改善するための具体的なステップを計画します。例えば、グリップの位置を調整する、打つタイミングを変える、フットワークを改善するなどの改善策を計画します。

このように、振り返りはあなたが自己の行動や思考を評価し、それに基づいて行動を改善するための具体的なステップを計画することを可能にします。

これは、より論理的で批判的な思考を促進し、あなたのスキルやパフォーマンスを向上させます。

情報リテラシーの強化

デジタル時代では、情報リテラシーは重要なスキルとなっています。情報リテラシーを強化することで、情報を評価し、信憑性を確認し、必要な情報を効率的に検索し、情報を論理的に解釈する能力が向上します。これは、クリティカルシンキングを向上させ、情報に基づいて論理的な決定を下す能力を強化します。

具体的な行動としては以下のようなものが挙げられます。

情報源の多様化 一つの問題に対して、様々な視点から情報を得ることが重要です。新聞、雑誌、学術論文、ウェブサイト、ブログなど、多種多様な情報源から情報を得ることが求められます。

情報の評価 得られた情報が信頼性のあるものであるか、またはバイアスがないかを評価するスキルも必要です。情報源が信頼できるものであるかどうかを判断するための基準を持ち、それに基づいて情報を評価します。例えば、学術論文の場合は、その論文が査読されたジャーナルに掲載されているか、その著者が専門家であるかなどを確認します。

効率的な情報検索 キーワードの選択、データベースの使用、適切な検索戦略を身につけることを通じて、必要な情報を効率的に検索する方法を学びます。

情報の論理的な解釈と利用 得られた情報を適切に解釈し、それを元に論理的な意思決定を行うスキルも必要です。これには、情報を組み合わせて新たな結論を導き出したり、それを具体的な行動に移す方法を学ぶことが含まれます。

日々の生活や仕事の中で、上記のスキルを意識的に実践することで、情報リテラシーは徐々に強化されていきます。

いかがだったでしょうか?日常でつねにこういった思考に取り組むのは難しいことかもしれません。

一方、こころがけひとつで、ロジカルシンキングとクリティカルシンキングは身につけることができます。

情報にあふれた現代で、正しい情報を入手し、思考し、行動に移すことができるように、ちょっとだけでいいので日常生活でこれらの思考に取り組んでみませんか?

それでは、最後までお付き合いいただいて、ありがとうございました!

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筆者 あおきしゅんたろうは福島県立医科大学で大学教員をしています。大学では医療コミュニケーションについての医学教育を担当しており、臨床心理士・公認心理師として認知行動療法を専門に活動しています。この記事は、所属機関を代表する意見ではなく、あくまで僕自身の考えや研究エビデンスを基に書いています。

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