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(詩)卒業

さようならはいのり

きみ、彼、彼女
おまえ、あんた、あなた

さようならは
いのり、です

ぼく、おれ、あたし
あたい、わたし

さようならは

春、夏、秋、冬

朝も昼も夜も

海も山もふるさとも、都会も

あいしてる
すき
あいしてた
すき、でした

さようならはおわりじゃなく

がんばって
いや、絶対がんばらない

いや、いやだよ
いやだって、ば

いつか、どこかで
約束、なんて言わないで

いつまでも、どこまでも
そばにいて

さよならは
別れの言葉じゃなく

お世話になりました
それじゃ、またいつか

お元気で
お会いできて、よかった

「卒業、おめでとう
 明日からはもう、社会人だね」

なんて、ね


卒業なんて
するんじゃなかった
卒業証書なんて
うそっぱち、だから
卒業なんて

卒業といえばみんな
ただ泣けばいいと
思っているんだ
肩を抱いて泣きながら
励ましあえばいいと

さようならの意味も
知らないで

さようならの意味も
教えないで

もう卒業、だなんてね


きみ、あたし

おまえ、ぼく

あなた、おれ

す き です
あ い し てた

「生きていて
 どんなことあっても、生きていて」

さ よ な らは
い の りの、ことばだから

※シーズンに合わせた再投稿です。

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眠れない夜に

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