0223「“不在”の存在がわたしを変える。そして今年も春が来る」
母が、お正月明けの底冷えする時期に、最後の入院で、苦しみもがきながらも「生きたい」という希望を持ち続けて頑張っていたとき。
「もうすぐ春が来るよ。今はまだ寒いから、しっかり治療をして、暖かくなる頃に元気になったらいいね」
「そうね。春が来る頃にはきっと元気になれるわよね」
よく母とそんなやり取りを繰り返した。
その頃には、急性期の病院で、何度も担当医に呼び出されながら、もう余命いくばくもないと聞かされていたのだけれど。
母は春が来る前の、2月の第一日目で逝ってしまった