見出し画像

#ネタバレ 映画「ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出」

「ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出」
2015年作品
夜・騎士を作るのは女である 
2016/6/22 7:26 by さくらんぼ(修正あり)


( 引用している他の作品も含め、私の映画レビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

「 生誕90周年を迎えるエリザベス女王の王女時代の実話を映画化。1945年、ヨーロッパ戦勝記念日。当時19歳だったエリザベスが、ロンドンの街中でお忍びで過ごした一夜を描く。数々の出会いから、次期女王としての自覚と覚悟が芽生える様をいきいきと映し出す。監督は『ジェイン・オースティン 秘められた恋』のジュリアン・ジャロルド。」

「 1945年5月8日、ヨーロッパ戦勝記念日。6年間続いた戦争の終わりを国を挙げて祝っていた。エリザベス王女と妹マーガレットは、生まれて初めてお忍びで外出する。付き添いが目を離した隙にバスに飛び乗ったマーガレットを追いかけ、エリザベスも街に出る。」

( 以上、「ぴあ映画生活」『ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出』の解説・あらすじより抜粋 )

映画「モスラ」シリーズには双子の妖精が出てきます。彼女たちがモスラを操るのです。映画「ストリート・オブ・ファイヤー」では姉貴が弟を、映画「大魔神」では一人の娘が大魔神を操ります。

ところで映画「ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出 」。

戦争が過酷であればあるほど、戦勝記念日は盛大なのでしょう(新型コロナとの、世界大戦の出口が見えてきた!?2022年春の私たちには、この気持ちが分かる気がするのではないでしょうか)。これはその「戦場のような記念日」にお忍びで街へ出てしまった19歳エリザベス女王の実話を映画化したものです。だから、これは「ある意味戦争映画」。

そこに「組織」というパーツを使い、「ナイト(夜・騎士)を作るのはロイヤル(女)である」と謳っているようです。実際、娼館にロイヤルたちも迷いこみますし、一人の脱走兵を手なずけて、自分の騎士に育て上げもするのです。

どこまでが実話で、どれがフィクションなのかは分かりませんが、戦争映画なのですから、とにかく大混乱。近ごろ居眠りせずに観えたのはゾンビ映画ぐらいですが、この映画「ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出」もテンションが上がりっぱなしで楽しめました。

映画「ローマの休日」のモチーフとなったと噂されるこの実話は、「ローマの休日」にも負けないぐらいの佳作になりました。日本人がなぜ映画「ローマの休日」が好きなのかも、この映画を観て分かりました。一夜の夢は「満開の桜」。日本人は皆、その「歓びに内在する哀しみ」を知っているからです。

★★★★★ ほぼ満点評価です。

追記 ( 日本の一般参賀でも ) 
2016/6/22 9:40 by さくらんぼ

TVか何かで知りましたが、私の記憶が確かなら、日本の女性皇族の方で、国民にも大人気のあの方も、以前、お忍びで一般参賀時に外出され、おおぜいの国民にまじって、門の外を体験されたようです。きっと一生忘れられない思い出を作られたことでしょう。もしかしたら、イギリス王室からの助言みたいなものも、あったのかもしれませんね。

追記Ⅱ ( 陽気な妹と、しっかり者のお姉さん ) 
2016/6/24 14:06 by さくらんぼ

おもに「夜」の部分の狂言回しを受け持つのは、娼館に迷いこんだ、陽気で無邪気なマーガレットでしょうか。

そして「騎士」の部分を受け持つのが、脱走兵を一日でMy騎士に仕立て上げ、妹の救出に向かった、しっかり者のエリザベスでしょう。

追記Ⅲ ( ここに描かれた「EU離脱」のマグマ ) 
2016/7/5 18:18 by さくらんぼ

>・・・一夜の夢は「満開の桜」。日本人は皆、その「歓びに内在する哀しみ」を知っているからです。

2015年にイギリスで制作されたこの映画。「イギリスのEU離脱騒ぎ」が起きてしまった今思うと、すでに2015年にはマグマが噴火しそうになっていたのが分かります。王女の外出とは、「イギリス人のEUからの外出」だったのかもしれません。

イギリス人は「一夜だけの離脱の夢」を楽しみ、少しだけ「寄り道、遅刻して」から、気持ちを新たにして「EUに戻りたかった」のでしょうか、王女たちのように。

追記Ⅳ ( 「国民の本音を聞いてきなさい」 ) 
2017/11/24 15:01 by さくらんぼ

>戦争が過酷であればあるほど、戦勝記念日は盛大なのでしょう(新型コロナとの、世界大戦の出口が見えてきた!?2022年春の私たちには、この気持ちが分かる気がするのではないでしょうか)。これはその「戦場のような記念日」にお忍びで街へ出てしまった19歳エリザベス女王の実話を映画化したものです。だから、これは「ある意味戦争映画」。(本文より)

19歳のエリザベス女王が、ねだりにねだって、やっと外出許可をもらった時、父はこう言いました。

「国民の生の声を聞いてきなさい」。

王様たちにとって、普段接することの少ない、国民の生の声(本音の声)は、大変に興味深く、貴重なものだったのでしょう。

もしかしたら、ネットが出来て、一番恩恵を被っている人たちには、王様たちも入っているのかもしれません。


( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。 

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)




この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?