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Yesterday, today, and forever-13歳下とかアリですか?-

25年以上続けていた無意味な婚姻生活にピリオドを打ち、私は2月、自由になった。終わるというのは人それぞれに違った意味を持つが、私の場合はとりあえず別居をすることになった。本当はとうの昔に死んでいた関係だったが、見ないフリ・気づかないフリを長年してきた。負の感情をギュッと握り締め、手離すことができなかった。大口を叩いてはいても、一人になるのが怖かった。

夫と口喧嘩をした時、いつも私は無視をした。

彼が一方的に吠えたて、言いたいことを言い、怒りが鎮火するのに耐えた。絶対に踏んではならない地雷ポイントもお互いわかってはいたが、事実上いつも私が100%我慢をするというスタイルで終わった。えらく消耗し、夜も眠れない。鬱に吸い込まれそうになる度、次の日には指輪を外して出かけるのがルーティーンとなった。精一杯の抵抗だった。

夫婦関係が終わったきっかけは、驚くほど些細な一言だった。

なぜかしらその日に限り、彼の放った一言が聞き逃せない。鋭いものが胸に直球で突き刺さり、抉られ、吐きそうになる。20数年間保ってきた我慢のヒモが一気にブチ切れた。精一杯、夫を睨みつける。涙のダムも崩壊した。夫は見たこともないようなビビった表情を返す。ザマアミロ。20年越しにしてようやく私の感情は解放され、この目の前のモンスターに罪悪感を与えることに成功した。

恋愛をするって、就職活動みたいだなっていつも思う。昔から、新しい相手を作ってから古い関係性を手放すのが定番だった。

私は痛い人間。
望まれ、愛されていると、確信を得たかっただけなのに。

夫との別居生活に突入し掛けの時、「彼」と出会った。関係性の始まりと終わりが重なる。意図したわけじゃない、たまたまそうなった。確かどこかのタロット占い師が、テレビ番組でそんなコトを言っていたっけ。彼は13歳私より年下。これから私にも「風の時代」の恩恵が受けられる時が来る。やったあ!!自分まで一気に若返ったような気がして、ドキドキした。

<<もう気づいてるよね?>>

運命が私に語りかける。もう、飛べる。わかってた。古い価値観やしきたり、周りの雑音を振り払え。

過去に後悔したようなことだったり、今まで選択したことのないような事、経験をこれから目一杯踏んでやるんだ。成長を促されることが、何だか気持ちいい。どんな責任感だって、負ってやるよ。

悲しみの後には、喜びがあることを知った。私が結婚していてもしてなくても、どうせ世界は廻る。自分の存在する理由がわからずに不安になることもあるけど、意外にもこの年下彼氏は、私と一緒に身を固めたい、と言った。びっくりするほどの安定思考。私の心は躍りまくる。

好きになったこと、後悔なんてしてないよ。私の価値観を変えてくれる恋愛に出会えた。あなたがいた未来といない未来とでは、全く違うものだと感じてる。

私は覚醒した。
私は気づいた。
私は思い出した。

愛してる。

私たちにとって大事なのは、過去じゃなく、絶対的未来なんだ。



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