読書感想文(388)角川書店編『万葉集』(ビギナーズ・クラシックス日本の古典)

はじめに

こんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は久々に古典です。
富山を旅行するにあたって、高岡市万葉歴史館を訪れるため、読むことにしました。
本当は読み終えてから訪れる予定でしたが、全然間に合わず……。
今帰りの電車で読み終わって、このnoteを書いています。

感想

まずは今回の旅に関係あるところをピックアップします。

もののふの八十娘子らが汲み乱ふ寺井の上の堅香子の花
(もののふのやそおとめらがくみまがふてらゐのうへのかたかごのはな)

P216
四一四三 大伴家持

堅香子の花は今で言うカタクリの花、片栗粉の素です。カタクリの花の球根のデンプンを使って作るそうですが、最近はジャガイモのデンプンを使うことも多いのだとか。
その堅香子の花が、高岡市万葉歴史館にちょうど咲いていました。

歌に詠まれた花をこうやって実際に見れるのっていいですね。
歌の内容から想像すると、きっともっと沢山咲いていたのでしょう。
ちなみに、堅香子の花を詠んだ歌はこの一首しかないのだそうです。

続いて、こちら。

朝床に聞けば遥けし射水川朝漕ぎしつつ唄ふ舟人
(あさとこにきけばはるけしいみづかわあさこぎしつつうたふふなびと)

P218
四一五〇 大伴家持

ちょうど今回の旅行で射水市を訪れました。高岡市の東、富山市の北の方にあります。
万葉歴史館を訪れた後、白エビを食べるために4キロ以上走って、お店に行きました。

紅ズワイガニと白エビの丼ぶり
射水川という名前ではありませんでしたが、
高岡市から射水市に向かう時に越えた川です
これは確か小矢部川で、市の境には庄川が
あったように思います
この辺りは水が豊富だったらしく、
日照りが続いても水不足にならず、
農業で困らなかったそうです

こんな感じで旅とリンクしたのですが、やっぱり先に読んでから富山の各地や万葉歴史館を訪れた方が面白かったかもしれません。

熟田津に船乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな

P8
八 額田王

これは元々知っていた歌ですが、解説を読んで熟田津が愛媛の道後温泉の辺りであることを知りました。
この夏、できれば愛媛に行きたいと思っているので、覚えておきたいです。
愛媛は元々『坊っちゃん』目当てでしたが、もう一つ文学の楽しみができました。

憶良らは今は罷らむ子泣くらむそれその母も我を待つらむぞ

P118
三三七 山上憶良

これは宴席から退出する時の歌だそうです。
飲み会で二次会に行きたくない時に使える歌だなと思いました。

おわりに

他にもいくつか良いなと思った歌もありましたが、『万葉集』は以前通読したことがあるので、どれもその時から好きな歌です。
『万葉集』は歌数が多い分、面白い歌も面白くない歌も沢山ありました。
久々にじっくり読み直して、好きな歌についてまとめていくのも面白いかもしれないなと思いました。

ということで、最後まで読んでくださってありがとうございました。


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