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前回は、東京都練馬区の「牧野記念庭園」についてのご紹介でした。

今回は、練馬区の各図書館に展示されている内容から抜粋してお届けしいたします。

図書館入り口

〈高知と東京〉

(高知)文久2年4月24日、酒造業を営む裕福な商家「岸屋」に生まれる。3歳で父、5歳で母が病死。祖母によって大切に育てられました。幼少から植物に興味を持ち、独学で植物の知識を身に付けていきます。

〈19歳で初めての上京〉
「書籍や顕微鏡の購入」、「勧業博覧会の見物」などを表向きの目的とし、初めて東京へ。心の中には「学問をするには外へ出ていかねば」という強い思いがありました。田中芳男らに会い、小石川植物園の見学などを行い、植物学者への思いを強くします。

〈大いに土佐国で採集せねばいかん〉
2ヶ月あまりの初上京で大きな刺激を受けた富太郎。故郷に帰った後、幡多郡一円を1ヶ月ほどの日数を費やし採集して歩きました。

〈牧野富太郎博士の歩み〉
日本各地で植物採集を行った牧野博士。全国さまざまな場所でのエピソードから、その熱心さと植物への愛情を伺い知ることができます。

例えば、徳島県剣山では、採集に夢中になるあまり迷子に。会員の必死の捜索により発見されました。

宮城県仙台市では、昭和2年、新種のササを発見。まもなく亡くなった妻壽衛を悼んで「スエコザサ」と命名。

〈関わった人物〉
・田中芳男
植物学者で、富太郎が熟読していた「植物図」の編者。富太郎が初上京の際訪問した植物局で出会い、非常に歓待し植物園などを一緒に見て回りました。

・矢田部良吉
富太郎が2度目の上京で訪ねた、東京大学植物学教室の主任教授。
田舎から来た熱心な青年を歓迎し、教室への出入りを許しました。
しかし、富太郎が貴重な植物「ムジナモ」を発見したことを巡り、最終的には教室への出入りを禁じます。

・池長孟
京都大学法学部の学生。
50代になった富太郎が薄給などで経済的に困窮し、貴重な標本などを海外に売ろうとしていることを知り、支援を申し出ました。10万点の標本を買い取り、神戸に植物研究所を開設して保管します。

・昭和天皇
植物に深い関心を持ち研究を行っていた昭和天皇は1948年秋、富太郎に進講を依頼。富太郎を「国の宝」と評し、危篤となった際には見舞いにアイスクリームを送りました。

・祖母 浪子
幼くして両親を亡くした富太郎を育てました。「東京を一度見て落ち着けば商家を継ぐだろう」と初上京を許しましたが、その上京が結果的に富太郎を植物学者の道へ進めることにつながりました。

・妻 壽衛
富太郎が東大植物学教室に出入りしていた際、通学路にあった菓子屋で出会います。借金を抱えることもあった富太郎の生活を支え、54歳で亡くなりました。

・南方熊楠
富太郎と同時代に活躍し、ライバルのような関係だった生物学者。幾度か二人が出会うチャンスはあったものの、意地を張り合い最後まで直接会うことはありませんでした。

〈牧野日本植物図鑑〉
1940年、牧野博士が78歳の時に刊行された「牧野日本植物図鑑」。
牧野博士の代表的著作であり、植物研究の集大成でもあります。

刊行の経緯
1906年(44歳)
村越三千男(埼玉の教師)が牧野博士に校訂を依頼した一般向けの本「普通植物図譜」刊行。教師を中心に部数を伸ばす。

(その後、両者で協力しながら出版するが、凝り性でもある牧野博士の作業の遅れなどから、村越は独自で図鑑の編集を開始。出版社間で競争のような形になる

1925年(63歳)
9月24日に牧野博士「日本植物図鑑」、
9月25日に村越三千男「大植物図鑑」刊行。

(出版競争に巻き込まれ、急かされたことから、図鑑の内容に満足していませんでした。)

1931年(69歳)
「牧野日本植物図鑑」の執筆、編集を開始。

図鑑のさきがけ
一般的に「図鑑を発明したのは牧野富太郎だ」と言われます。「牧野日本植物図鑑」の初版は早々に売り切れ、増刷を重ねました。この売れ行きをきっかけに様々な図鑑が誕生し始めます。

写真より図
現在は綺麗な写真が載った図鑑も多い中、「牧野」の図鑑は牧野博士が書いたものを中心とした植物図を今も使用しています。図の方がそれぞれの植物の特徴を捉えやすく、実物と見比べる際に便利という利点があるのです。

今も現役
今からおよそ80年前に誕生した「牧野日本植物図鑑」は今も現役。専門家や植物愛好家の必携図鑑として、広く使用されています。
「牧野」を冠する図鑑の発行部数40万部以上!

1957年(昭和32)94歳で没す。

晩年を迎えてもなお、庭の植物観察に熱中するあまり、丸2日その場所から動かないこともあったという牧野博士。


大泉の地に巨匠がお二人。
牧野富太郎氏と松本零士氏。

どちらも独学でそれぞれ植物学、漫画を学び、好きなことに生涯を捧げ、亡くなるまでその情熱が衰えることがなかったという共通点のあるお二人。

生きていた時代は違えど、天国でお互いリスペクトし合っていらっしゃるかしら(笑)。
銀河鉄道に乗って、お二人で宇宙の植物を探していらっしゃるかしら?…なんて妄想も(笑)。

朝ドラ「らんまん」では牧野富太郎氏の生涯をドラマ化しています。
人物を知るとより関心が深まりました。
引き続き楽しく視聴させていただきます。(もう一度ロケに行きたいな…笑)


今回も長文にお付き合いくださいまして、ありがとうございました(*≧∀≦*)



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