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未来からの観光客は 人の形をしていない

前提仮定
①脳機能の外部化が人間の脳を進化的に縮小させており、これはAIで加速する。
②現在進行中の第6大量絶滅期において生物が獲得する進化は、人間社会への適応である。
③AI通訳を介した生物間の会話が可能になり、社会は全生物が参加する社会へ発展する。

あいも変わらず妄想を膨らませているわけであります。

さて、これらの妄想が現実になるにつれ、食料問題が起きますよね。
健康な体を維持するためにはその生物に合った食べ物が必要です。肉食動物に野菜を食わせても健康にはならないでしょう。
そして、現在の「人間の命は地球よりも重い」という価値観を他の生物たちへそのまま展開することはできないと予想します。

例えば、ワシは猫を食う、猫はネズミを食う、ネズミは虫を食うのが健康的な食事であると仮定します。これらの生物たちに「地球よりも重い」なんて言い出したら、ワシは何を食べればいいのでしょう?猫がネズミを食べようとしたら「猫よ、貴方が尊い存在であるのと同様に、そのネズミもまた尊い存在なのです。だから食べてはなりません」と言うのでしょうか?猫は飢えるか、不健康な食事を続け病気になるかの2択となります。

じゃあ、人間が牛や豚を食べるために食用の個体を用意するのと同じように、ワシが食べてもいい猫、猫が食べてもいいネズミをそれぞれ全ての生物用に用意するのでしょうか?
無理ですよね。

となると、弱肉強食のシステムをほぼそのまま維持したまま人間社会と融合した方が簡単です。

とはいえ、ワシが、昼休憩になるやいなや同僚の猫を殺して食べるようになっても困る。せっかく仕事を覚えた猫がワシと目標を同じくして貢献していたのに、殺して食べてしまっては仕事が進まない。

そこでどうだろうか、酷い病気や怪我をした個体は食べてもいい、というのは。不健康な食事、短い睡眠、運動不足などの理由で「居ると迷惑な個体」は食用として認定される、というのは。
これは、自然環境では「いつものこと」「通常の対応」らしいです。狼は病気や怪我をした獲物を選んで襲い、食べるのだそうです。そういう個体は生き残り、子孫を残す可能性が低いからだろうと考えられているらしいです。たしか。

でね。
こうやって生き物と生き物が交わっていくと、生き物の中には「劣った人間よりも優れた個体」が現れるでしょう。そうすると、当然ですが、人間も食用認定されるわけです。

「お前は家族や友人が殺されてもいいのか!」という指摘があろうかと思います。ですが、私たち人間は牛や豚、鶏などの食用生物に対して、家族どころか一族郎党皆殺しして、売れ残ったら廃棄して、食べ残したら生ゴミとして捨ててきたのですよ?今さら何を言っているのですか?という反論もありだろうと予想します。

つまり「人間の命は地球よりも重い」という価値観から離れ、「人間の命は他の生物と同じ重さ」という身の丈サイズまで縮小させてみてはどうだろうか。

また、
人間は、他の生き物が参入できるほどの”高度な社会基盤の構築”や、相互会話に必要な”AI開発”という功績があるのだから、他の生物とは違う格別の、特権的な扱いが当然である、という指摘もあろうかと思います。
ですが、「そもそも人間が、そういうことをせずにいたならば、自然環境も絶滅せず、生物たちが住処を追われることもなく、飢えて死ぬこともなかったのです。人間は自らの失態の尻ぬぐいをしたにすぎない。それを”功績”とうそぶき”特権的な扱い”をせよとは、どの面下げて言うのか」って言われたらどうします?

つまり、私たちの功罪をどのように扱うかでここら辺は変わってくるでしょう。

さて、もしこのような社会になったならば、先ほどの例で考えると、レストランでネズミが虫を食べているとき、その隣で猫がネズミを食って、その隣でワシが猫を食っていたりするのでしょうね。

ちょっと疑問なのですが、病気とか怪我した個体が優先して食卓に並ぶのだとすると、食料としては不味いのでしょうか?健康な天然ものの方がうまかったりするのでしょうか?
例えば人間で考えてみると、ぶくぶくに太った人間の肉って油が多すぎて食えたもんじゃない?とか、体臭から腐った匂いがするほど不健康な人間の肉って食料として使い物になるのか?とか。

閑話休題
そういう、あらゆる生き物で構成される社会が未来において実現され、科学も発展していると仮定するならば、その時代からタイムスリップして2024年を観光しにくる客が、人間であるとは限らないわけです。

実は今、そこいらを飛んでいる鳥が未来からの観光客であるかもしれません。

ところで、この記事を書き始めてから、動物たちの私に対する距離感がやたらと近いのですが、気のせいでしょうか?


読んでくれてありがとうございます。


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