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ピピロッティ・リスト:Your Eye Is My Island -あなたの眼はわたしの島-をみに行ってきました!

水戸芸術館に行ってきました。
水戸芸術館は複合文化施設で、音楽・演劇・美術の企画を展開しています。
美術の部門では現代美術に特化していて、いつも私好みな展示をしています。
今回の展示は京都国立近代美術館の巡回展です。

今回の展示ですが、今年一番好きでした。(まだ1年終わってないけど・・)
鮮やかな色合い、展示の面白さ・・。
現代美術が難しいと感じている方にもお勧めできる展示です。
茨城県の水戸駅まで行き(そこまでが大変ですね・・)、そこからバスに乗ると、芸術館に到着します。

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ピピロッティ・リストについて

1962年スイス生まれ。チューリッヒとロサンゼルスで暮らしているそうです。
学生の頃ビデオを学び、映像を作成していたそうです。
水戸芸術館が期間限定で公開している映像でピピロッティ・リストについて少し知ることができると思います。もちろん深いところまでは分かりませんが、とてもチャーミングな方だな〜と思いました。踊ってみせたり、日本の文化のことを勉強されているのか、お辞儀を深々としたり(ほぼ、90度)。映像を見ていて、楽しくなりました。アトリエの紹介もしているので、ご興味のある方はぜひ。

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何がそんなに良かったか・・お伝えしていこうと思います。

色が鮮やか

全体的な色合いが鮮やかで美しいです。
70年代のようなエキセントリックな色合いや、自然の中の空、海、花、葉の色が美しく表現されています。リストの作品ではジェンダーを取り扱うことも多いそうですが、女性の月経の血液の赤から来るのか、鮮やかな赤も度々登場します。

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鑑賞者に嬉しい・ゆったりソファー&ベッド

私は常々思っているのですが、美術館はやっぱり疲れます。足が棒になって思考停止することもしばしば・・。体力つけなきゃと思います。そんな体力なしの私ならではの理由です。
リストは鑑賞者も展示の一部と考えているようですし、アートが癒しになるという考えを持っているそうです。

映像はふかふかの絨毯の上に上がってリラックスして観ることができます。
大きな座布団のようなソファもあります。その他にも展示されている椅子やソファに座っても良かったり。
なんとも面白いのですが、ベットに寝転んで映像を観る作品もありました。

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印象に残った展示について

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永遠は終わった、
永遠はあらゆる場所に(1997)

他の作品も当てはまるのですが、部屋のコーナーを使って2面を使う映像作品です。それぞれの画面は違う時系列であったり、視点であったりします。花を持った女性が笑顔で街を歩いていて、花を振りかざして路上に停めてある車の窓ガラスを次々割っていきます。女性が持つ花は女性・車は男性の象徴だそうで、フェミニズムを取り扱っている映像です。本当にキレイな女性・花なのでいきなりガラスを割る様はびっくりしました。ですが、幻想的で色合いもきれいです。


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絨毯に穴が開いています!
その中で何か言っている女性が・・

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溶岩の坩堝でわれを忘れて(1994)

ふかふか絨毯に直径3cmくらいの穴が空いています。その奥から小さくなったリストが炎の中で訴えかけている映像です。絨毯に腰掛けなかったら、見過ごしてしまうかも知れません。タイトルのように、溶岩の中で、もがき苦しんでいるのでしょうか?でもすごく小さく、かわいいので思わず笑顔になってしまいました。


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4階から穏やかさへ向かって(2016)

暗い部屋の中に数個の緑?のベット(シングルやダブル)が置かれています。天井には地面と水平になるようにスクリーンが設置されています。寝ながら鑑賞できる作品です。鑑賞者も展示の一部になっています。私も寝転んで映像を観ました。映像は旧ライン川の水の中の映像。自分が水の中に漂っている虫のようになった気分になりました。「悲しみのなかに希望がある」とリストは語ったそうです。水中から感じる光(水生植物・気泡・空の青)を通して、上に広がる世界の明るさ、美しさを感じました。


部屋の中のような展示も複数あり、リストの世界に招かれたような感じです。ピピロッティ・リストの世界に入り込んで、一種の「癒し」を私も感じました。
体が楽な状態で観る映像は集中して観れますね。
楽しく、エキセントリックに、そして、見る人を包み込むような、優しさを感じる展示でした。


水戸芸術館
ピピロッティ・リスト:Your Eye Is My Island -あなたの眼はわたしの島-
2021年9月20日(月・祝)~10月17日(日)【会期変更】(9月17日更新) 
10:00〜18:00(入場は17:30まで)



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