KAMAKURART

鎌倉を中心に、アートと人をつなげる活動をしている『NPO アートとつながる鎌倉』の中の…

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鎌倉を中心に、アートと人をつなげる活動をしている『NPO アートとつながる鎌倉』の中の人が、活動内容やアートにかかわるあれこれを綴ったnoteです。

最近の記事

「親子で美術館に行ってみよう!」開催報告

私達アートとつながる鎌倉が、鎌倉市鏑木清方記念美術館と毎年7月末に開催している恒例の「夏休み親子ワークショップ ~親子で美術館に行ってみよう!」。 毎年キャンセル待ちが出る人気ぶりなのですが、今年も沢山の子ども達がやって来てくれました。 美術館特有の静寂に、始めは子ども達も付き添いの親御さん、お爺ちゃんお婆ちゃん達もそわそわしています。 「美術館ってどんな所かな?」 ワークショップは紙芝居を観ることから始まります。 お話が終わったら、さぁ早速展示室の絵を見てみまし

    • 再生

      はじめまして、びじゅつかん。

      小さいお子様向けの美術館での過ごし方のマナー動画を、8月31日まで鎌倉市 鏑木清方記念美術館にて上映しています。(除くイベント開催日) ぜひ、お越しください。

      • 子どもdatte美術館 2023夏

        黒い背景に黒い鬼がえがかれている作品の前でスタッフが声をかけました。 「あれ、黒ばっかりじゃないわね。他にも色があるみたい」 「ピンク」 「ピンクは何かしら?」 「トンネルの向こうの宝物」 「宝物の中に何が入ってるの?」 「知らない」 「トンネルの中に何があるのかしら?」 「…うさぎとか、りすとかのおうち」 「ここ通って宝物とりにいく?」 「行かない、上飛んでいく」 本当は黒いトンネルの中、ちょっと怖かったのかな・・・。 でも、子どもは二次元の絵に奥ゆきと時間の流れを見て

        • 生々流転

          2010年の11月。 干支一回り前のことだったのですね。 地域の小学校で行われたアートの学校開放に私たちのNPOも参加させていただいていました。 なぜ、今そのことを思い出したかというお話。 私たち以外にもアーティストさんたちや、地域の大人、そして旅するムサビプロジェクト「旅ムサ」ちゃんたちも参加していました。 一週間くらい学校に通い、その間に色々な方とお話をしたり、制作の過程を拝見することもできとても楽しい時間をすごせました。 生徒さんが誰もいない多目的ホールでながーい

        「親子で美術館に行ってみよう!」開催報告

          【子どもdatte美術館】

          知ってる?美術館はおとなだけの場所じゃないんだよ! 私たちの活動の原点は、小さい子どもと美術館に行きたい、でした。 その為に毎年「子どもの美術館デビューワークショップ」を開催してきました。未就学児から小学校の低学年まで、美術館でのマナーを紙芝居で教え鑑賞してもらい、実際に絵を描いてもらう。 それと当時に、保護者の方には、ゲームを通して絵を見ることのコツをつかんでもらい、その後対話式鑑賞などを行います。 あれこれありまして、一昨年は開催できず、昨年は例年の半分以下の規模で開

          【子どもdatte美術館】

          6月12日まで!大英博物館 北斎 ―国内の肉筆画の名品とともに―

          諸事情により、会期終了まじかの訪問になってしまいました。 作品をゆっくり鑑賞したいときは展示前半にご覧になることを強くおススメいたします。 うん。混んでいました。 そもそも久しぶりに行列を見て、ちょっとびっくりしてしまいました。 私は根性がないので、120点ほどの作品を全部並んでみることはできません。 人のペースでの鑑賞は本当に疲れるのですよ。 それで今回の展示の場合、みんなが並んで「あ、この絵有名だよね」と観ている展示室に入ってすぐの錦絵は、もし優先順位をつけるなら最

          6月12日まで!大英博物館 北斎 ―国内の肉筆画の名品とともに―

          トイレに飾ってあるキースへリングのその後の話

          「ニューヨークでキースへリングの絵を見たとき、あ、これトイレに飾ってあった絵だ!ってすぐわかった」 小学生の時よくうちに遊びに来ていた男の子が立派な青年になり、海外で社会人として暮らしていましたが、久しぶりにうちに遊びに来てこんな嬉しいことを言ってくれました。 中学生になってからはほとんどうちに来ることはなかったのですが、覚えていたんだ。 あー、私がやりたかったことはこういうことだ。 小さい子どもを美術館に連れていく活動をしていると、時々子どもにアートを見せることに意味

          トイレに飾ってあるキースへリングのその後の話

          美術館のレストラン ラー・エ・ミクニ@東京国立近代美術館

          美術鑑賞ってお腹がすきます。。 まあ、館内だけでも結構な距離を歩くことになりますし、頭がピコピコ働くと血糖値が下がる気がします。 見終わると、まあいいからちょっと座らせてくれや、という気分になります。 そして本当は一番困るのが、見ている途中で、「あ、もうダメ。集中力が続かない。」になることです。 前回、鏑木清方展を見にいったときは、竹橋という場所に不慣れだったことから、ちゃんとレストランを予約しておきました。 『ラー・エ・ミクニ』 入り口は別ですが、美術館の建物の中にあり

          美術館のレストラン ラー・エ・ミクニ@東京国立近代美術館

          鏑木清方展 もう美しいものしか見たくない 

          私がお金持ちだったら。 清方先生に美しい人の日々の生活を12か月のそれぞれに描いていただき、そうですね、大きさは自宅の床の間に飾るのですからあまり大きいものでないほうがいいですね。 でも、表層は凝ったものにしたいです。本紙の周りの地はその月の絵に合わせて選び、絵の邪魔にならない程度の日本刺繡を入れるのもいいでしょう。 少しずつ季節を先取りして床の間に掛け、花もまぁお客様のお好みもありますから、それを考えつつ庭のものをやはり私が自分で選ばないといけませんね。 主役を床の間の絵

          鏑木清方展 もう美しいものしか見たくない 

          しゃがみこんで絵を見ていたら私かもしれません

          先日、あさイチを見ていたら原田マハさんが出演されていました。 「楽園のカンヴァス」など、アートを題材とした作品も多数あり、最近は「旅屋おかえり」がドラマ化されたようですね。 絵ってどうやってみたらいいのでしょう?という問いかけに、作品の前に立った時に画家が絵筆を持って描いたであろう位置に立って見てみるのも面白いですよね。とおっしゃっていました。 なるほど、その視点は面白いですね。 混雑した美術展でちょっと嫌だな、と思うことの一つに自分が見たい位置で作品を見ることが出来ない、

          しゃがみこんで絵を見ていたら私かもしれません

          メトロポリタン美術館展 履きなれた靴で。

          メトロポリタン美術館展に行ってきました! 本当は二週間前です。泣きながら年度末のあれこれをやっていて文章を書く余裕がなかった。。。 でもその間の心の支えとして何度も反芻していました。 副題「西洋絵画の500年」となっていますが、いやいや、まあすごかったです。質も量もどちらもすごかった。 どんな絵が来ているのかほとんど知らずに行ったのでビックリしましたよ。 美術史の授業が一年間できるくらいのボリュームですね。 偏りがなく、ビックネームの作品を500年分日本に持ってきても大丈夫

          メトロポリタン美術館展 履きなれた靴で。

          「科捜研の女」と「ミスマープル」ではない「わたし」の小さな発見

          前回の記事でフェルメールの《窓辺で手紙を読む女》の修復に至る経緯について書かせていただきました。 いや、本当に科学の力で色々なことがわかるようになりましたね。 私が美術史を勉強していた四半世紀前(そんなに経ったか!)丁度、美術史の世界に科学的な調査がどんどん取り入れられ始めた頃だったと思います。 完成した絵の下に何が描かれているか、絵の具の年代、板絵の年輪の調査などなど。 それはエキサイティングな発見があり、わくわくしました。 でも、私はそれと同時にちょっとつまらないな、と

          「科捜研の女」と「ミスマープル」ではない「わたし」の小さな発見

          「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」本当の姿は隠されていた

          「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」 行ってきました。 修復された《窓辺で手紙を読む女》をよく日本に持ってくることが出来たなぁ、開催が延期されたときは、又、カラバッジョの時みたいに中止になるんじゃないかとひやひやしましたよ。 今回の展覧会、《窓辺で手紙を読む女》が一体どういう経緯で、こんなに大胆に元の絵の印象をがらりと変えるような修復をすることになったのか、それにもとても興味がありました。 何しろ何もない壁だと思っていた場所にかなり大きなキューピッドが現れたのですから

          「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」本当の姿は隠されていた

          【本紹介 『コウペンちゃんとまなぶ世界の名画』】

          みなさんはコウペンちゃんを知っていますか? なんでも褒めてくれる皇帝ペンギンの赤ちゃんです。 この本は子ども向けの世界の名画の入門書かな、と思っていたのですが、読んでみたらこれは子どもからオトナまでみんなの心をホッとさせてくれる本でした。 誰しも時々ベコベコに凹んでしまうことがありますよね。 何をやっても上手くいかない。。。。 「朝起きれてえらい!」 コウペンちゃんに肯定してほしい日もありますよね、誰でも。 コウペンちゃんと一緒にその日の気分にあった絵を見て、今日の

          【本紹介 『コウペンちゃんとまなぶ世界の名画』】

          【自己紹介 「アートとつながる鎌倉」のお仕事】

          「小さい子どもがいると美術館って行きにくいわ」 というママたちの声から始まった活動。 「でも、アートにつながりにくいのは小さい子どもやママたちだけじゃないわよね?」 障害がありアートを楽しめない、アートを楽しむ金銭的余裕がない、アートは自分には無縁なものだ、などなど。 周りを見回してみると、様々な理由で、アート(絵画・博物・音楽・映画等) とつながることのできない人たちがいます。 そしてアートの発信者(美術館・博物館・コンサート・映画館等)は、潜在的な利用者が抱える全

          【自己紹介 「アートとつながる鎌倉」のお仕事】

          【自己紹介 アートとつながる鎌倉の設立まで】

          私たちは鎌倉でアートと人をつなげる活動をしていす。 通称は『kamakurart カマクラート』 アイコンはkamakurartのキャラクター。名前はラート君といいます。 フクロウみたいですが、アートの妖精さんです。 大きなおめめでアートを見つけて、長い尻尾でつながります。 お顔の形は『鎌』です。そう鎌倉の鎌。 2008年、私たちは『はじめまして、美術館。』を始めました。 「小さい子どもを連れていると美術館って行きづらいよね」 当時の代表が鎌倉の鶴岡八幡宮境内

          【自己紹介 アートとつながる鎌倉の設立まで】