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ツァオ・フェイの世界を考える

ツァオ・フェイの世界を考える

ツァオ・フェイ(曹斐/Cao Fei,1978- /中国の現代アーティスト)
ツァオ・フェイは、北京在住の中国を代表する現代アーティストの一人である。
ツァオ・フェイは、ビデオやマルチメディアのインスタレーションをメディアとして、中国の経済と社会、政府によるニュースの検閲、インターネットの急速な変化の下で、若者の混乱と現実への抵抗感をコンテンツにしている様相を感じられる・・
そして、現代中国とツァオ・フェイ自身の個人的で文化的な関係性を投影した作品を通じて、いわゆる中国の改革開放以降に生まれた世代を代表するアーティストとしてグローバルに活躍している。


ツァオ・フェイ(曹斐/Cao Fei)

中国の曹操の粘り強い錬金術|ブリリアントアイデア

略歴 - ツァオ・フェイ

1978年、彫刻家の両親の下に、広州生まれる。母は美大の教師で、学内にある教師専用アパートで生活をしていた。
そのツァオ・フェイの故郷である広州は、彼女にクリエイティブなインスピレーションをもたらしていると言われる。
その広州は巨大都市に変貌する、2004 年以来、彼女は高層ビル、工場、郊外の牧草地、堤防で、忍者、戦士、死神、その他のアニメ キャラクターに扮した地元の若者のグループを撮影してきた。その広州では、マンガやアニメ、ゲームなどのヒーローやヒロインに「コスプレ」した若者たちが街を練り歩く・・・それと隣合わせにして、生活感あふれる空間が対比され、大衆文化のもたらすファンタジーと現実とのギャップが浮かび上がる・・・
そこでは、中国の経済的離陸は、「行動」を通じてのみ観察し、直面することができるだろう。

曹斐個展/A Surreal Amusement Park in a Dilapidated Factory Plant in Beijing

日本のアニメなど、ポップカルチャー・・・

彼女は、10代前半から、香港を経由して入ってくる、日本のアニメなど、ポップカルチャーに強い興味を持ち、大学入学後は映像に強い関心を寄せた。
1999年には中国において先駆的なデジタルビデオ作品「失調257」を制作。
2001年、広州美術学院装飾芸術設計系卒。
その後、「Hip Hop」(03~06)、「Cosplayers」(04) 、「Un-Cosplayers」(06)など、ポップカルチャーを現代美術に巧みに取り込み、映像や写真、パフォーマンスなどの手法で表現している。
2005年、広州トリエンナーレで発表した「珠三角梟雄伝」や翌年の「們在這里做什麼?」など、中国が抱える都市の諸問題を独自の視点で鋭く巧妙に描いた作品を制作。
2006年には、中国現代美術賞(CCAA)で最優秀若手賞を受賞し、同年、広州から北京へ活動拠点を移した。
2007年、第52回ヴェネツィア・ビエンナーレの中国パビリオン、第9回リヨン・ビエンナーレに出展。
ヴェネチア・ビエンナーレ(2007)に合わせて、オンラインゲームである「セカンドライフ」にヴァーチャルな中国パヴィリオンを制作し話題となる。

コスプレイヤーズシリーズ 2004
コスプレイヤーズシリーズ -自宅でキングコング
コスプレイヤーズシリーズ- game over
Cao Fei, RMB City, A Second Life City Planning by China Tracy , 2007.

主なアートワークと賞 - ツァオ・フェイ

一部繰り返しになるが・・・
2001年 ベルリン・ビエンナーレ、02年 光州ビエンナーレ、03年 ヴェネチア・ビエンナーレ(07年も)、04年 上海ビエンナーレ、05年 モスクワ・ビエンナーレ、福岡アジア美術トリエンナーレ、広州トリエンナーレ、06年 シンガポール・ビエンナーレ、シドニー・ビエンナーレ、釜山ビエンナーレ、07年イスタンブール・ビエンナーレ、リヨン・ビエンナーレなどに参加。日本では、07年CCA 北九州で個展開催、05年 森美術館「フォロー・ミー!:新しい世紀の中国現代美術」、08年 森美術館「アートは心のためにある」に出品。03年 最優秀若手賞(第12回中国現代美術賞展)を受賞。

近年では・・・
香港の大館當代美術館(2018-2019年)、K21ノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館(2018-2019年)、パリのポンピドゥー・センター(2019年)、ロンドンのサーペンタイン・ギャラリー(2020年)、北京のユーレンス現代美術センター(UCCA)(2021年)、ローマの国立21世紀美術館(MAXXI)(2021-2022年)など。
また、上記したが、第52回ベネチア・ビエンナーレ(2007年)では中国館代表。

主な受賞歴に・・

主な受賞歴に、フューチャー・ジェネレーション・アートプライズ(2010年)にノミネート、ヒューゴ・ボス賞(2010年)のファイナリストに選出。中国現代美術賞(CCAA)ベストヤングアーティスト賞(2006年)、ベストアーティスト賞(2016年)を受賞。クエンカ・ビエンナーレ塩石賞(2016年)、ドイツ証券取引所写真財団賞(2021年)を受賞。

Cao Fei - RMB City – A Second Life City Planning by China Tracy, 2007

ツァオ・フェイ(曹斐/Cao)の作品と視点

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