画家リウ・イエの世界
画家リウ・イエの世界
Liu Ye:リウ・イエ
Liu Ye:リウ・イエ(劉野,1964- /北京生まれのアーティスト・画家)
1964年北京生まれの劉は、北京の中央美術学院で絵画(壁画)を、北京工芸美術学校で工業デザインを学んだあと、ドイツに移住、ベルリンの芸術大学で教育を続けた。
アムステルダムでの滞在を含め、ヨーロッパでの6年間滞在で、西洋美術史と建築についての知識を深めた。また、彼は、ハンス・クリスチャン・アンデルセンやルイス・キャロルの物語、トルストイやナバコフの著作など、文学的な言及で知られている。そして、ミニマルな幾何学的構図は、リウ・イエの作品の折々にモチーフとして登場する。
第二の物語
第二の物語 Liu Ye /1995
油彩、キャンバス
45 x 45 cm。(17 3/4 x 17 3/4 inch)
社会的背景
文化大革命が始まる2年前に北京で生まれたリウ・イエの幼少期は、国家によって厳格に管理される社会で育った。
リウ・イエの父親は有名な児童劇作家で、当時多くの西洋の本が発禁処分になっていたが、両親はアンデルセンやトルストイの作品など、西洋の物語の本をベッドの下の大きな黒いチェストの中に隠し持っていた。
リウ・イエは想像力豊かな子供であり、これらの社会的背景の特質と中国での彼の育ち方は、後のリウ・イエのインスピレーションや、視点の源であるだろう。
発禁本第 5 号(バルテュス変奏曲)
発禁本第 5 号(バルテュス変奏曲)、2019-2020 リウ・イエ
上記の社会的背景が感じられるシーンだ・・
本の絵画 No. 21
本の絵画 No. 21 (カール ブロスフェルト、出版作品全集、Taschen GMBH、2017)、2018 リウ・イエ
絵が描かれた本の右ページにある白黒の画像 (左ページは白紙/絵画は上下逆に) では、花が正確に描かれているが、同時に憂いを帯びている。イメージとして、それは、悲しいものでもあり、明らかに、美しいものはもはや生きていないかのようだ・・・
幾何学と遠近法を駆使して、この最も身近な主題の、並外れた、方向感覚を失わせるようなポートレートを制作する。
また、これらの芸術的レンダリングを見ると、人間ではなく自然によって生み出された美しい対称性が組み込まれたイメージのようだ。
画家リウ・イエ - 評価- Jonathan Goodman
ジョナサン・グッドマン(Jonathan Goodman)
(註)ジョナサン・グッドマン(Jonathan Goodman)
ジョナサン・グッドマンはニューヨーク在住のライター(現代アート評論/詩人)で、『Artcritical』、『Artery』、『THE BROOKLYN RAIL』などの出版物に寄稿。
リウ・イエのアートワーク
リウ・イエの作品は、社会的背景からの、その平衡感覚もパラダイムシフト致しますから、また、どこかでコラムに致します。お時間の許す折に・・・
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