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#17 日本

最近無性に日本に帰りたくなる。たぶん休み中で特にやることがなく、日本に思いを馳せる時間ができたからやろうなあ。スーパーでお寿司売ってるの見たり、SNSで日本食が流れてきたりすると、あと半年も我慢しやなあかんのかっていう気持ちになる。

私を魅了する寿司たち。値段と質を見て諦める。

私は普段からホームシックになることはそこまでなかった。というのも、そもそも日本とか実家とかがそこまで好きじゃなくて帰属意識みたいなのはなかったし、大学で一人暮らしをしていた時もお母さんが定期的に会いに来てくれることもあって寂しいと感じることもなかった。留学はじめたての頃も、最初は寂しかったけど次第にこっちの生活にも慣れてきて、今の今まで特に寂しいと思うこともなかった。

それがここにきて急に日本帰りたいな、、と思い始めた。もちろん最初に言ってたような食事が恋しいというのもあるけど、こっちで留学を始めてから「日本の良さ」に気づき始めたことが大きい。今までの人生をほぼ日本で暮らしてきて、比較対象がなかったこともあり、特に日本に対して特別な感情を抱くことはなかった。けどこっちで6ヶ月も過ごしていると、無意識に日本と比較してしまうことが多く、自然と「日本ってすごい国なんやなあ」って思うことが増えた。


⚠️ここから主観多めの感想が入ります。

特に何について日本はすごいって思うかというと、食事、人間性、技術、それからホスピタリティ。まだまだあるけど、今パッと思いつくのはこのくらい。

食事

最初は食事。もうこれは何もいうことはないんじゃないかな。食事のクオリティが日本は死ぬほど高いと感じる。それと、バランスよく栄養をとるっていうことが当たり前にできる環境が整ってる。

スーパーとかに行ったら綺麗でハイクオリティな野菜類が安値で手に入るし、肉とかも国内産がたくさんある。良質な脂質を持った魚も良い品質が保たれているし、炭水化物も米という素晴らしいものがある。調理法とかも結構多岐にわたって、日本独自の料理とか、よくよく考えると「手込んでるな」って思うようなものが多い。

対して今いる国では、正直食事面でいいなと思うことは特にない。基本カロリー高め、脂質たっぷりでタンパク質と炭水化物を摂取しにくい。味付けや調理法も単調に感じるし、相当高いものでないと「美味しい!」とは感じにくい。この国独自の調理法や料理があるわけではなく、ほとんどが他の国の特産を(悪く言えば)パクったような少しクオリティの低いもの。

元々よく食べる方ではなかったしそこまで食に興味があったわけではないけれど、留学してから日本で食べていたもののありがたみをより一層感じるようになった。

食事だけじゃなくて、お菓子やアイス類とかもそう。こっちのお菓子はいかにも体に悪そうなお菓子ばかりなのと、種類が結構一辺倒な感じがする。グミ、チョコレート、チップスくらいの種類。フレーバーとかも基本同じで、ストロベリー、チョコレート、ミント、キャラメル、以上!みたいな。日本やと四季に合わせてとか日本の特産品に合わせていろんな味があるから、それも実はすごいことなんだと再認識。アイスもそう。日本はとにかくフレーバーや種類が豊富。こちらのアイスは基本おっきいバケツ状でハーゲンダッツ的なのの似たようなやつがほとんど。日本みたいなワクワク感は少ない。

スタバとかも期間限定とかがめっちゃ少ないし、サーティーワンも基本固定メニュー。日本を当たり前と思っていたらちょっと残念に思ってしまうよね。

人間性

これはあんまりよくないことかもしれへんけど、私は全体的に見て日本の方が雰囲気が好きかも。まあ日本でずっと育ってきてそっちがcomfort zoneになるのは当たり前でしかないのかもしれへんけど。

それを感じたのは、こっちではどこに行っても基本荒れていて、汚いとき。道端とかにはめちゃくちゃゴミが落ちているし、ガムとか吐き捨てるのは当たり前、ゴミ箱にももう満ぱんやったとしても詰め込んでる、なんなら溢れても気にしてない。

寮に住んでても思う。毎日掃除してくださる清掃員の方がいらっしゃるのだけれど、本当に一瞬で汚くなる。トイレとかにはペットボトルが散らばっていたり、飲みかけのドリンクが放置されていたり。トイレットペーパーが撒き散らされていたりそこら中水浸しになっていたり。キッチンも。電子レンジの中は基本汚れていて、IHとかもなぜあんなに汚れるのかというくらい汚くなっている。そういうのを見ると、あ〜、日本人のものの扱い方ってよかったんだなあと感じる。

キッチンの荒れ狂った惨状。料理する気も無くなるし、清掃員さんに申し訳ない気持ちしかない。

こちらの清掃頻度と日本での清掃頻度は私の周りではそこまで変わらないと思う。でもこちらが圧倒的に汚い。多分「綺麗に使おう」という使用者の気持ちの差なんだろうと思う。それを人間性と括ってしまうのは違う気もするけど、他になんて形容したらいいかわからなかった。ごめんなさい。

表面上だけだとしても、日本人には「相手を思いやる気持ち」みたいなのがうっすらあるから基本みんなそこまで公共のものはめちゃくちゃに汚さないというかなんというか、それが当たり前になってるっていうのは素敵だと思った。

あと、こちらの国では外国人や、「自分とは違う人」に対する当たりがきつい気がする。よく、他国は日本より多様性に富んでいて、違いに寛容だ、みたいなのを見るけど、少なくとも私のいる地域ではそんなことはあんまりない。違いに寛容で、それぞれの「自由」に対して重きを置いているからこそ、「表現の自由」にも重きが置かれる。すなわち、各々が持っている嫌悪感も自由に表現される。簡単に言えば、「アジア人が嫌い」「ゲイが嫌い」というような思想も個人の表現の自由的な感じであからさまに表に出す人が多い気がする。逆に今の日本では、「そういうのは明らかに差別的で、最近の風潮ではよろしくない」みたいな気持ちがあって、根底ではそういう思想を持っていても表に出す人は少ない。だからなんとなく相対的に見てそういう感情を表に出すこちらの国の方が怖いと思ってしまうことが多い。

そういう表に出す性格の方がいい!っていう場合もあるから一概には言えないけど、私はそういうの怖いなって思ってしまうタイプの人間でした。

技術

日本にある製品とかのクオリティってめっちゃ高いと思う。最近は日本は衰退してきたとかそういう記事をよく見るけど、やっぱり扱ってるもの、日本で流通しているものの質はめっちゃ高いと思う。

さっきあげた国内産の肉とかも然りやけど、車とか、掃除機とか、トイレとか、そういう製品系で日本で使っていたものより優れているなと感じたことがこちらにきてからはあまりない。教室にある机とか椅子も丈夫とは言えないし、家電とかも「いつの時代のやつ?」って思うようなものが店頭に並んでいたりする。こういうのを見ると、日本で当たり前のように流通しているもの、自分が私生活で使っていたもののレベルの高さ、それが一大学生でも手に届くような価格で販売されていることに驚きを隠せない。

ホスピタリティ

これももうみなさんご存知なやつやと思いますが、接客とか対応が明らかに違う。日本の店員は下手にまわりすぎ!な意見もあるし私もそう思うのですが、個人的には店員側からしてもお客さん側からしても日本の方が好き。

だいぶ前、国際送金の手続きをした時にこちらの会社を利用したのですが、電話してもほぼ繋がらず。繋がった時も忙しかったのかすごい剣幕で怒鳴られてほぼ何も解決せずに終了。他にも、レストランなどでも携帯いじってて気づいてくれない店員がいたり、明らかに機嫌が悪く、仕事する気あるんかくらいの態度の人も少なくない。また、根拠のないことを自信満々に言う人もまあまあ多い。「これどこにあるかわかりますか?」って聞いた時に、大体の人は自信満々に調べもせずあそこレーンだよ!と教えてくれるのですが、それが間違っていることもしばしば。大学関係の電話をしたときも、「この部署に聞いてね」とたらい回しにされ、結局元の最初に電話したところに戻されるという、すごくめんどくさいこともあった。

お客様目線やったら日本の接客がいいと感じるのはある種当たり前かもしれへんけど、個人的には働く人の目線から見ても日本の方が好きかも。色々きっちりしてて目標とかマニュアルがあった方がやりやすいし、丁寧に接客するとかした方がなんとなく仕事のオンオフの切り替えがうまくいきそう。アルバイトでしか働いたことないから、正社員として働いてみたらまた違うんやろうけど、、

ルースな働き方は確かに憧れるけど、それにしても、と思う場面がしばしばあって、日本の教育の仕方とかホスピタリティのあり方を振り返ってちょこっと恋しく感じたり。


今思いつくのはこのくらいかな。純ジャパ視点なのでだいぶ思想が偏っていて、見る人が見ればいやこれはこっちのほうがいいだろう!と思うことが多いかとは思いますが、あくまで個人の意見ということで、、、

この留学に来るまで日本がそんなに好きじゃなくて、日本を海外と比較して批判する記事を見て「へ〜日本そんな大した国じゃないんかなあ」とか思っちゃうこともあったけど、実際海外で過ごしてみてそんな卑下するほどでもないし、いろんな記事に書かれてた日本の悪い部分もそんなに悪くないやん?と感じる日々です。

でもまだ一カ国しか経験してないし、今いる国だけと日本を比較して日本をどうこういうのは違う気もするから、もっと他の国に住んでみて日本の良し悪しを見ていきたいなと思いました。

最近ヨーロッパ圏に留学している友だちと話す機会があって、やっぱりヨーロッパ圏の各国を飛び回ってる分色々見えてくるものもあるそう。いろんな国を巡ってちゃんと知見を深めた上でもう一度日本を見つめてみたいなあ。そのときこの記事を見て自分がどう感じるのかも、少し楽しみです。