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スパカブ

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二輪免許取得1年ちょっとのへっぽこドライバーによる、愛車のタイカブ(JA56)ゾムまるに関する記事です。
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自意識を捨てよ、旅に出よう(9/9)

自意識を捨てよ、旅に出よう(9/9)

 ニート期間に急遽思い立って出かけた、9日分の山陰・瀬戸内海カブキャンプ旅レポートの投稿が完了した。

 旅から帰ってくると、「あんまり有意義なことはしなかったな」とか「こういうときに‘教訓’なんかを持って帰ってくるべきなんでしょうね」とか、終わった行為の中庸さにしみじみする時間が、「ま、楽しかったからいいや」という、一種の開き直り感と共にやってくる。

 旅というのは、「他でもない【私】は、〈分

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醤油・オリーブ・コーヒー(8/9)

醤油・オリーブ・コーヒー(8/9)

2022.10.3(月)

 帰りたくない。

 本当ならば今日の朝、私は荷物をまとめて姫路行きのフェリーに乗る。目が覚めたのだし、さっさとテントを片付けて荷造りをして、フェリー乗り場で切符を購入しなければならないはずである。
 帰りたくないみたい。このままアウトドアチェアに深く腰かけ、遠方の海を眺めていたい。

 気楽なニート旅だ、帰りたくないなら帰らなければいい。港ではなく管理棟へ向かい、キャ

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島から島へ嘘遠足(7/9)

島から島へ嘘遠足(7/9)

2022.10.2(日)

 6時起床。テントのポケットからスマホを探り当て、現時刻から2時間後に鳴り出すアラームを止めておく。キャンプというのは強制的な生活習慣・矯正装置だ。瀬戸内海側特有の穏やかな秋晴れが、今日も今日とて澄み渡っている。テント越しなのに容赦ない。北陸生まれのインキャには眩しすぎる。

 バーナーに火を入れ、お湯を沸かし、鳥取から運んできたエチオピアを挽き、コーヒーをドリップする

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ベスパベスパカブベスパ(6/9)

ベスパベスパカブベスパ(6/9)

2022年10月1日(土)
 バイクに乗ってフェリーに搭乗するのは生まれて初めてだった。内臓の圧縮と動悸が高まる、ようは心配性なのだ。恥をかきたくない、うまくやりたい。昨日の失敗を取り返したい。早々にゲストハウスのドミトリーから飛び起きて、港へ向かう。
 搭乗予定の2時間前にはフェリー乗り場についてしまった。今からの出航にゆうに間に合いますけど、と、受付の人を困らせてしまった。

 高松港付近をぶ

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マンデルブロうどん(5/9)

マンデルブロうどん(5/9)

2022年9月30日(金)

 4連泊目ともなると、健やかに入眠し軽やかに起床することができる。ゆる言語学ラジオのゾミア回で「マズローの提唱した〈安全欲求〉が満たされないと健やかに生きられない人間もいる」という話をしていたが、私もどうやら堀元さん側、周囲に不安があってもなんだかんだで慣れていく側のようだ。
 まあ、とはいえ程度の問題だ。私にできるのはせいぜい連泊キャンプ3日目で安眠が得られるってい

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瀬戸内海の中心でモゴモゴとキョドる無職(4/9)

瀬戸内海の中心でモゴモゴとキョドる無職(4/9)

2022年9月29日(木)

 起きた。いい天気とは言い難いが、雨が降る気配はない。散策日和だ。
 今日は多々羅キャンプ場にもう一泊する。さくじつの厳しい移動を癒すために、のんびりここら辺をツーリングしよう。なんの目的もないけれど、大三島と生口島をフラフラ走る。

 坂が多い。案外、海が望める場所はそれほど多くはない。ほとんどの時間を山間走行に費やす。柑橘類の畑だろうか、手入れされた低木が規律正し

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こんにちは、瀬戸内海(3/9)

こんにちは、瀬戸内海(3/9)

2022年9月28日

 テントを叩く雨足が収まることはなかった。Yahoo!天気の雨雲レーダーを見つめすぎて、充分に眠ることができなかった。旅の序盤にうまく眠れないのはいつものことだ。仕方がない、諦めたほうがいい。睡眠不足は否めないが、朝6時にテントから這い出す。

 朝ごはんのコーヒーを飲みながら、愛媛は大三島の多々羅キャンプ場に電話して予約を取った。今日の絶対的タスクは、キャンプ場に隣接する

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雨の鳥取・池島キャンプ(2/9)

雨の鳥取・池島キャンプ(2/9)

2022年9月27日

 雨が降っている。

 雨が降ることは天気予報を前もって見て知っていたので(えらい!)、今日は遠くに出かけるのはやめて、鳥取市内でぼさっと過ごすことにしていた。
 レインウェアを着込んで出発する。たくさんの積載をして濡れた路面を走るのは初めてだ。滑ってコケたらおしまい。緊張する。

 キャンプ場のチェックインは11時。今は9時。少し時間を潰す。

 北陸地方民なので、曇天が

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明日、瀬戸内海を見に行こう(1/9)

明日、瀬戸内海を見に行こう(1/9)

 この旅行記は、約1年前の日記に基づいて書かれている。

 2022年9月26日から、9日間。スーパーカブにキャンプ道具を積載して、瀬戸内海のまわりを回ってきた。
 休職中ではあるが復職する気力はなく、事実上の無職。今でこそかなりこなれてきたが、この頃はニートOJT。先の不安に潰されそうだった。
 そんななか、バイク免許を取って初めての、ロング・キャンプ・ツーリングを企てた。今振り返ると、ワクワク

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タイカブ(JA56)シングルシート・typeC給電化

タイカブ(JA56)シングルシート・typeC給電化


ぼやき

 工作が苦手だ。

 工具を使って、機械をいじくることにでっかい苦手意識がある。お前にはそんなことできねえよって、超自我の私が嘲笑する。

 うるせ〜〜!!!

 たしかに今までそんなことやったことない。工具を使ったのなんて、せいぜいディアウォールと2×4で本棚を作ったときくらいだ。たまに入り用になって、ホームセンターにねじやらビスやらを買いに行くと、数字とアルファベットの羅列に立ちく

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飛騨高山のJapanese pub

飛騨高山のJapanese pub

 福井県に住んでいると、なにかと岐阜に訪れがちだ。

 愛知や静岡、長野を目的地とした旅の通過点として。バイクで温見峠を攻めたくて。1泊2日ほど、ちょっとした旅行の目的地として。

 岐阜は、観光地としてきわめて魅力的だ。言わずと知れた合掌造りの白川郷。山間の名湯・下呂温泉。淡水魚オタクにアクア・トトぎふ。鵜飼の長良川。岐阜駅前の巨大な廃墟、繊維問屋街。スーパーカミオカンデもあるし、鍾乳洞めぐりも

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長野の温泉ライダーハウス

長野の温泉ライダーハウス

 ちょうど1年前、生まれて初めて、バイクにまたがった。相棒のバイクは、教習所のスーフォアから、ブラックのタイカブになった。

 そして、先月、生まれて初めて、ライダーハウスに泊まった。

 店の種類にかかわらず、「常連客のみなさん」というのは恐ろしい。ライダーハウスといえば常連がはびこる巣窟だ。個人的ルール。閉鎖的空間。つかの間の共同生活。排他的な雰囲気。そういうイメージ、偏見。宿に到着するまでび

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富山駅前いるかホステル

富山駅前いるかホステル

 4月某日、スーパーカブに乗って、富山→新潟→長野→岐阜を回ってきた。

 富山の素敵なゲストハウスに泊まった。ぼんやりとBookingを眺めていたところ、その屋号の既視感に惹かれた。名は体を表す。その名の通り、オーナーが熱心なハルキストなのだ。

 ゲストハウスでは珍しく、かなりパワーの込められた図書室を併設している。飲食不可というこだわりっぷりだ。くつろぐ、チルするための部屋ではなく、あくまで

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タイカブ110(JA56)2022を買って、諸々取付けた

タイカブ110(JA56)2022を買って、諸々取付けた

免許とった・バイク買った

車を売って、中型2輪免許を取りました。
教習車のスーフォアは乗ってて楽しかったし、せっかく400まで乗れるし、っていうかクラッチを握ったり離したりする操縦感が、バイクに乗る上で楽しすぎるし、いいのかな、クラッチレスの110ccにしちゃっていいのかな……と毎日逡巡していました。

でもやっぱり私はホンダ・カブ110に乗りたい。

アニメの影響ですか?とか今流行ってるね〜と

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