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オスロ市、広告の修正写真掲載を禁止へ

21日、オスロ市議会は、修正写真を使用した広告を、自治体が所有する建物内では禁止する条例を可決した。

Photo&Text: Asaki Abumi 

写真はオスロの政策についての本会議などがおこなわれる、オスロ市市庁舎

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首都オスロでは長い間、右派派陣営が権力を握っていたが、2015年の統一選挙で左派陣営が権力を握る。

今回の可決では、右派・左派問わず、ほぼ全ての政党が賛同した。唯一、反対にまわっていたのは、右翼ポピュリスト政党とされる「進歩党」のみ。

手足を補足し、顔や紙の色を変え、鼻や口の形を変えた広告モデルは、もはや「普通の人間」ではない。広告を批判的にみる力がまだ備わっていない若者が、「あのようになれない」、「私がおかしいのだ」と思い込み、落ち込むメンタルヘルスは、以前から問題視されていた。

第三の規模の街トロンハイムでは、すでに同様の条例が可決・施行されている。各党の青年部や、青年団体などにとっては、「やっと」という思いだろう。

若者の影響されやすいメンタルを利用して、金儲けがおこなわれる商業的な時代の流れ。

「やめて欲しい」、「政治家が責任をとって禁止するべきだ」という声が、ノルウェーでは日本以上に強い。

現地報道によると、オスロ市はすでに広告規制に向けて対策に乗り出している。どこまでを「修正」とみなすのか、詳しい規則はまだ明確にはなっていない。



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