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⭐️【マガジン限定・ミニ連載】『女教師と美少年〜濃厚接触』別バージョン:A

※この作品は『麻園 荊|耽美小説館 ①』限定で投稿される短編(の予定)で、『女教師と美少年〜濃厚接触』本編とは別のストーリーになり、少しずつ追加されます。

「なにこれ、どういうこと?・・・」
 冬休みのある日、自分宛に届いた封筒に入っていた『女教師と美少年〜濃厚接触』というSM小説を読み終えた貴己は、珍しく一人ごとを呟いた。
「志麻田荊子」という著者が書いたその小説に登場する主人公の少年は、憧れの女教師の競泳水着を盗んだ罰として、様々な「処刑」を受けるのだが、少年の名前が「島田貴己」、女教師の名前が「香坂恵子」で、苗字を入れ替えれば、自分と中学の担任教師の名前になることに気づかないはずがなかった。それに、著者の名前は漢字が違うだけで、やはり担任教師の名前になる。
 その小説では、一月のテスト期間中に忘れ物を取りに学校に戻った貴己が、恵子を探しにプールに行き、忍び込んだ女子更衣室で置き忘れられた恵子の競泳水着を盗んでしまうことから物語が始まっていた。
 小説を読み終えた貴己は、著者である志麻田荊子の他の作品を探してみたが、ごく最近出版された『女教師と美少年〜濃厚接触』がデビュー作だとわかった。
 後書きには、元々は小説投稿サイトに趣味で投稿していた作品が編集者の目に留まって出版されることになったと書かれていたが、そのサイトにはすでに著者のアカウントはなく、SNSのアカウントも存在しておらず、著者についてそれ以上知ることはできなかった。
 しかし、小説に登場する「貴己」も小柄で少女のような少年で、両親が機長と客室乗務員、住まいは空港に程近い街のタワーマンションの上層階という設定自体も現実の貴己と一致していたし、「恵子」も中学校の英語教師で、インターハイに出場した経験のある女子水泳部の監督という設定も現実の恵子と同じで、貴己は著者の志麻田荊子と担任教師の島田恵子が同一人物であると確信していた。
 そして、表紙にはセーラー服姿で女装して首輪を着けられて縛られた少年を後ろから抱きしめる競泳水着を着た女教師が描かれているのだが、それも貴己と恵子の特徴が強く表れていたのだ。
(でも、どうして先生が・・・)
 その時、インターホンが鳴り、貴己宛に荷物が届いた。
「えっ?」
 伝票に印字された送り主の名前を見た貴己は思わず声を上げ、恐る恐る通販サイトのロゴが印刷された段ボールの箱を開けると、再び声を上げた。
「何これっ」
 箱の中には、大型犬用の赤い革の首輪に麻縄、競泳水着、太さの異なるアナルプラグが三本とローション、赤い蝋燭が二本、木製の洗濯ばさみ、コンドームといちじく浣腸一箱、エネマシリンジ、それに二台のネットワークカメラと三個のスマート南京錠が入っていたのだった。
「これって・・・」
 ネットワークカメラとスマート南京錠以外は、先日届けられた志麻田荊子の小説に出てくる「貴己」の処刑に使われたアイテムだったのだ。
(こんなの入るわけ・・・)
 貴己が手にしたのは、最大径が五センチほどあるアナルプラグで、小説の中の「貴己」は、このサイズのプラグが挿入できるまで調教されていくのだったが、その下のサイズでも四センチ弱の太さがあり、とても現在の貴己の肛門に挿入できるとは思えなかった。
(でも・・・小説みたいに調教されたら・・・)
 最も細いものは二・五センチほどで、これなら挿入できそうだと思った貴己は、いちじく浣腸とエネマシリンジを持って、バスルームに向かった。

※続きは『麻園 荊|耽美小説館 ①』マガジン限定で連載します。

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