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2022年9月

縦横比が合わないと表紙イラストの上か下が切れるのが気になる。全体を縮小して表示できるようにしてほしいな。

9月3日(土)
松岡錠司監督の『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』(日本、2007)を観る。なんだか勝手に『ALWAYS 三丁目の夕日』的な時代の話なのかと思っていたら、わりと現代も舞台になっている話だった。とりあえず、樹木希林演じるオカンの存在感はさすがでしたが。

ところでこの、製作委員会に日テレが名を連ねる『東京タワー』が日テレ運営の日本アカデミー賞で賞を総なめにしたことに対する、主演女優・樹木希林のコメントがロックですね。

 樹木は「私なら違う作品を選ぶ」、「半分くらいしか出演していないのに賞をいただいてしまって申し訳ない」、「組織票かと思った」と本音を吐露。最後に「日本アカデミー賞が名実共に素晴らしい賞になっていくことを願っております」と皮肉で結んだ。
 受賞式だけでなく複数のインタビューでも樹木は一貫して松岡錠司監督(56)を批判し、「賞を取るほどの作品ではない」と投票の公正性に疑問を提示し続けた。

「今年は「北川景子」に組織票?「日本アカデミー賞」の投票はブラックボックス」
デイリー新潮, 2018/3/1
https://www.dailyshincho.jp/article/2018/03010600/?all=1&page=3

9月6日(火)
「新潮文庫の100冊」にも何度も選ばれている、畠中恵『しゃばけ』を読む。お江戸妖怪ファンタジーテイストのミステリとでもいうのでしょうか。ポップなキャラたちによるストーリーはテンポよく進み、非常に漫画的でもあるなと思ったら畠中さんは漫画家だったんですね。小説も書ける漫画家(漫画もかける小説家?)ってすごい。

そしてどうやらこの物語はシリーズ化されていて、現在21巻(除く外伝)。巻数の多さもなんだか漫画的。

9月10日(土)
八重洲の大丸東京にあるハンズでやっていた「ひとふでがき展」で、ひとふでがきイラストレーターの さかもとみなこ さんに、背面の絵をひとふでがきで描いていただく。「似顔絵」はもちろん正面から描くものだけれど、背面だとなんだか気が楽。

やわらかなタッチなのですが、一度描き始めるともう止まれないというひとふでがきならではのささやかな緊張感もあったりして、面白い。「途中で宅急便が来ちゃったりしたらもうダメですね」とのこと。なるほど。

9月12日(月)
会社で作っている来年のカレンダーの図案がきたようなのだけれど、カレンダーのスペルが "CALENDER" となっていることに気づく。calender って、辞書をひくと托鉢修行僧とか、光沢機って意味らしい。ピカピカってこと?

9月13日(火)
高田崇史『QED 東照宮の怨』を読む。日光東照宮に隠された秘密がテーマのミステリ。実は東照宮にはこんな秘密があったんだ! という物語の最後に「この物語はフィクションです」の注意書き。なんだか、「信じるか信じないかは、あなた次第です」と関さんに言われたみたいなモヤっと感が。まあ、このシリーズ毎回なんですが。

9月17日(土)
道尾秀介『向日葵の咲かない夏』を読む。ファンタジー小説のような、ミステリのような、青春小説のような、ホラーのような。Kindleで読むと、あらすじすら読まず、完全に前情報なしで読めるメリットがあるけれど、この本に関しては、ミステリだと思って読んだので途中でうぉっ、とぶっとびましたね。

9月18日(日)
夏の間に観なきゃ、ということで、細田守監督『サマーウォーズ』(2009年、日本)を観る。"OZ" というメタバース上での戦いを描くという時代を絵と一回り分先取りした(あ、「セカンドライフ」登場は2003年か)で、オンライン上の話なんだけど、やはりこれは夏じゃないと雰囲気がだいぶん変わるよなあ、と思わせる作品。

初代 iPhone 登場が2007年、日本で初めて iPhone (3G) が発売されたのが2008年ということで、作中にスマホとガラケーの両方が登場するのが印象的。細田監督が富山県出身ということで、"OZ" の自治体の活用例が富山県であるところは、県民のニヤリポイントですね。

9月19日(月)
敬老の日でお休み。台風14号ナンマドルの影響で、激しい雨が降ったりやんだり。あまりベランダまで振り込んでこないので、せっかくベランダがきれいになるチャンスなのに、などとのんきなことを考えたり。ちなみに「ナンマドル」はミクロネシアの遺跡の名前らしいけど、やっぱピンとくる名前じゃないとみんな使わないよね。

オリバー・サックスの『妻と帽子をまちがえた男』を読む。表題含めにわかには信じられない脳神経科のケースについてのエッセイ。体だっておかしくなるのだから、そりゃ脳だっておかしな挙動を見せることはあるよね、といわれるとそうなんでしょうけど。

9月23日(金)
秋分の日でお休み。会期が迫る国立新美術館の「ルートヴィヒ美術館展」に。近現代のさまざまな絵画・写真が展示されており楽しい。思いのほか空いていたのは台風が迫っているせいかな。週末ごとに天気が悪いのやめてほしい。

そしてせっかく六本木に来たので、ご近所にあるサントリー美術館の大阪市立美術館のコレクション展に。なんだかんだはじめてきました、サン美。

中山七里『護られなかった者たちへ』を読む。生活保護にまつわる社会課題を浮き彫りにしつつ、ミステリとしても切れ味鋭い内容。映画化もされていたんですね、知らなかった。

9月27日(日)
ひさしぶりにルミネtheよしもとに。まさかの最前席でネタを満喫。どの芸人さんも面白くて、やっぱりプロはすごいなあ、っていう小学生みたいな感想ですが。コロナで大変そうだったハチミツ二郎さんは、杖を突きつつもお元気そうだったので何より。


9月30日(金)
輪渡颯介『古道具屋 皆塵堂』を読む。「皆塵堂シリーズ」の1冊目。
江戸時代のお店が舞台のミステリで、主人公が妖やら幽霊やらが見えるというふうに「しゃばけシリーズ」との共通点も多いので、交互に読んだりすると混乱しそうです。こちらは「しゃばけ」ほどポップなテイストでもないのだけれど、お江戸人情物語的で、それもまたよいですね。


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