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子どもの人権

はじめに

こんにちは。虐待サバイバーの明日葉 ありすです。
今日は、昨晩観た映画のお話から、子どもの権利について考えます。

映画の内容について

観たのは、フランス北部のエーヌ県が舞台のドキュメンタリー映画です。
肉体的に割り当てられた性別が“男性”だった女の子、サシャ。
彼女を取り巻く環境や無理解、家族と専門医の支えなどが描かれています。

エーヌ県についてWikipediaで調べてみると、ベルギー国境沿いの県であり、長い期間、左翼思考の強い土地だったと記載されていました。

その割に多様性への理解や歩み寄りが無いと感じましたが、文化、宗教的背景についてまでは調べられていません。サシャの通う学校も、バレエ教室も、彼女を理解し受け入れる気持ちが全く育っていないのだと、観ていて感じました。

子どもアドボカシー

サシャのドキュメンタリーを観る前に、実はこんなブックレットを取り寄せて読んでいました。

「アドボカシー」。
うっかり舌を噛んでしまいそうな、あまり馴染みのない言葉ですね。
私も最近知って、調べ始めたばかりです。

拙い理解で簡単にご説明します。

アドボカシー(英語:advocacy)とは、日本語で「擁護」や「支持」などの意味を持つ言葉。
子どもに権利があることを伝えた上で、その意見に耳を傾け、思いや不満を受け止めます。
子どもがその状況を変えたい、自分の意見を周囲の大人や社会に伝えたいと思う場合、どうすればいいかを一緒に考え、子どもが選択できるように情報を提供し、行動を支援します。
子供の権利については、1989年に「子どもの権利条約」として、国連で定められています。

日本ユニセフ協会

条約締結国には、サシャが住むフランスも含まれていて、当然、日本も196の国と地域で締結されている1つに名を連ねています。
子どもの権利条約締結国

アドボカシーの実践

子供にも当然の人権が有り、発言する権利があるという、ごく当たり前のことを子ども自身が出来るようにするため、アドボカシーを実践する人々がサポートしていきます。原則は6つ有ります。

1.エンパワメント(子どもに自信を与えること、力を付けてあげること)
2.子ども主導(子どものリクエストに応じて動くこと)
3.独立性(利害関係のない状況で行うこと)
4.秘密を守る
5.機会の平等
6.子どもの参加

日本こども支援協会HPより抜粋

私が最も注目したのは、6番の「子どもの参加」です。
積極的に子どもアドボカシーを実践している国では、子どもの重大な局面で何かを決定しなければならない場合、子どももそこに参加できるようになっています。

サシャのケースで子どもアドボカシーを実践するとしたら、転校するか否かの決定を下さなければならない、教職員との会議の場。この仕組を取り入れれば、サシャが同席することを認められ、アドボカシーの実践者が様々なサポートを隣で行うことが可能になります。

サシャのご両親、主治医も必死で彼女をサポートします。アドボカシーを実践していると言っても良い状況では有りますが、専門的な知識を持った実践者が居てくれたら、もう少しスムーズに事が運んだのではないかなぁ、と、何ともモヤモヤした気持ちになりました。

自分のことを決める場に自分が居ないって、やはりオカシイですよね。
自分の権利が認められていない、自分の伺い知らぬところで話が進んでいる。大人であっても、そんな状況は気持ちよくないと思うのです。

子どもの権利と親権

児童虐待の相談件数が右肩上がりなままの、今の日本。
例えば、一時的に虐待された子どもが保護を受けたとしても、親権の持つ力が強すぎて、「子ども自身がどうしたいか」が置き去りにされ、加虐者である親が「子どもを返せ」と言えば返さざるを得ない現状。
その結果、最悪であれば虐待死に追い込まれる子ども達。

今の日本にアドボカシーを定着させることは喫緊の課題だと思いますが、では、その実践と維持にかかる費用はどうするのか。
子どもがいつでも「そうだ、アドボカシーが有るじゃん」と気軽に頼っていけるシステム作りをどう進めるのか。
一人一人の子どもに関わる時間に見合った人員が確保できるのか。

問題は山積されているように感じます。

おわりに

多様性と、各個人に与えられる権利。
子どもアドボカシーの定着は、私達大人の生きやすさにも繋がっていくものだと思います。
そして、権利について改めて考え、法改正も視野に入れて、早々に進めていかなければならない状況だと思います。

日本は平和な国

実情を正面から見つめてみたら、私はそんなふうに言えなくなりました。

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