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大きな理論より、小さな気づきを重ねよう

よく晴れた午前中のこと。お散歩ついでに、近くの海まで歩いてみた。壱岐島で暮らし始めてから、もうすぐ2ヶ月が経つ。「天気がとても変わりやすい」「日によって、海の色や見え方が驚くほど違う」など、少しづつ島ならではの感覚がわかるようになってきた。

その日の海は、真っ青な空の色と同じくらい、とにかく透き通っていて美しかった。

浜でみつけた”とあるゴミ”

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浜に降りていくと、あることに気づいた。昨晩海が荒れたせいだろうか、ぽつぽつとゴミのかたまりが目立つ。

どんなゴミが落ちているのかと気になってみてみると、ハングル語が記載されたプラスチック製品を見つけた。おそらく、韓国のペットボトル飲料の製品だろう。

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私が住んでいる壱岐島は、九州と朝鮮半島の間に位置しているから、半島からこのキャップが流れてきた可能性が高い。どうやら、海って本当につながっているらしい。

海洋プラスチックの問題

ペットボトルだけでなく、海洋に漂うプラスチックのゴミ(海洋プラスチック)は、世界中で大きな問題になっている。

2016年のとある調査によると、毎年800万トン、多くて1,200万トンのプラスチックゴミが世界中の海に流れ着いているという。
・800万トンという数字は、東京ドームに換算すると約7個分に相当する。つまり、毎年東京ドーム7個分のゴミが海に流れ着いている計算になる。

海洋ゴミの約70%以上を占めるのが、プラスチックゴミだ。これらは海に流れ込んだ後、海洋を漂ったり海底に沈んだり、海岸に打ち寄せられたりする。

近年は海洋プラスチックの問題が取り挙げられる機会も増えている。例えば、Netflixで配信されている「Seaspiracy」では、私たち人間の営みが海洋生物に与える影響を掘り下げて伝えている。

大きな理論より、身近の小さな気づきを重ねよう

「Seaspiracy」では、2050年ごろまでに世界の漁業資源が枯渇するというような、インパクトの大きいデータも紹介されている。もちろん、環境問題や漁業のあり方を考えるうえで、こうしたデータや作品はとても重要な役割を果たす。

だが、ドキュメンタリーにでてくる数字はあまりにも規模が大きく、どこか遠くの世界の出来事のように感じてしまい、なんだかちょっと想像しにくい。Seaspiracyに関しては、データそのものの真偽が問われているものもある。

もちろん環境破壊は今も進行中であることは間違いないし、私たち一人一人が何かをしなければならないのは確かだ。ただ、実際に自分の生活にも直結しているという生の気づきやきっかけを発見した時に、問題の解像度が高まって、ぐっと「自分ごと」になる。

どこか遠くの国や地域、そして社会で起きている問題だって、どこかで私自身も必ず関係している。そう思えるきっかけは、実はとても身近なところにあるのかもしれない。

ちなみにSeaspiracyでは、和歌山県太地町のイルカの追い込み漁も取り上げられており、その描かれ方に関しては色々と思うところもあった。イルカの追い込み漁を考えるうえでは、個人的には下記の作品がおすすめです。



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