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買ったものと買わなかったもの

去年の暮れ、災害用の備蓄品を整理した。
ペーパー類を買い足したり、賞味期限切れの食品などを食べた。
そのとき、思いついて電池式のセンサーライトを買った。
3個セット。

廊下を挟んで両側に各部屋があるのだが、窓のない洗面所やトイレは日中でも暗い。
使うたびに電灯のスイッチをオンにしているわけだが、人の気配を感じて勝手に点いたらいいなと常々思っていた。

廊下と洗面所の間、寝室とリビングの間、廊下に面したサービスルーム(納戸)の入口につけてみたら(シールを貼って磁石でくっつくようになっている)、想像以上に便利だった。
いちいち電灯を点けなくて済む。
点けないのだから消し忘れもない。

そもそも私は、消し忘れ等がないほうである。
ないように何度も指差し確認する。

今日、佐藤二郎さんが強迫神経症だというトピを拝見して、私もそういう傾向があるんだよなぁと思った。
鍵をかけ忘れたかとかコタツのコードを抜き忘れたかと思って駅まで行ったのに戻ったこともあるし、出先からお隣の友人に電話して鍵がかかっているか確かめてもらったこともある。

そういうのが嫌だから、出るときには何度も確認する。
万一、何か忘れて戻っても遅刻がないように、その分も見込んで早い時間に出立する。
この神経質さを、元夫は嫌がっていた。

電気のスイッチの消し忘れはないが、「消し忘れてはいけない」という「圧」を自分で自分にかけるのが疲れるし面倒くさい。
神経質なのに面倒くさがりなので始末に悪い。

そんな私にセンサーライトはうってつけだ。
そうして、年が明け、北陸の地震が起こった。
そうか。
これって停電になっても点くんだという、あたりまえのことに気づいた。
それでもう1セット(3個)を追加購入し、玄関と廊下の中ほどとトイレにつけた。

真夜中、地震などで停電しても、これで玄関やトイレに行くのに暗くない。
帰宅時、電灯のスイッチをオンする前に、足元のセンサーライトが点くのもいい。
大きな揺れが来たとき、すぐに懐中電灯やランタンに手が届く状況でないかもしれない。
ランタンを買ったのは、東日本大震災後の計画停電のときだったのを思い出した。

一昨年から昨年にかけて、ほぼ20年使った家電の総買い替えをしたわけだが、細かいものは抜けていた。
夫がいたころは温かい飲み物は都度入れていたのだが、独りになってからは面倒なので卓上ポットを使っていた。
実家のを譲り受けたので、累計で15年使用。
お湯の温度が保てなくなってきたのは、パッキンを交換すればマシになるのかもと思って、ずるずる引き延ばしてきたが、ネットで写真を見て「欲しい!」と思ってしまった。

象印魔法瓶のレトロ復刻版。1.2リットル。
そうそう、昔ってこういうのだったよねと、誰かと言い合いたいが、それができない分も加わって即買ってしまった。
衝動買いではなく、買い替えの決断がついたというわけ。
これに黒豆茶のパックを入れたのを、1日2回作って飲む。
リモートワークのお供だ。

田中角栄さんの遺した目白御殿が燃えて、線香の火が原因かもという話があった。
私は絶対に蝋燭の消し忘れはないと思っているが、線香は消えるまで見ていない。
電池式の線香を買おうかと迷った。
しかし。
よくよく考えてみると、月命日のほかは、「から参り」である。
毎日、寝る前に写真と手元供養用のミニ骨壺の4柱に手を合わせて、今日あったできごとや思っていることを話すのだが、面倒くさくて蝋燭にも線香にも火を点けない。
こちらも「消したか」「消えているか」と何度も確認しないではいられない自分の「圧」がしんどいのである。

仏壇の家族に訊いてみる。
「なぁーん。線香なんか要らんわいね」と口を揃えて言う、ような気がした。
「ほんなもんにお金使わんと、なんかうまいものでも食べんかいね」

ほうやな。
それで、買うのをやめた。

今朝の朝食は、珈琲ではなくミルクティーにした。
はちみつ入り。
年に数回、こういう気分(朝から甘いものが飲みたいという)になる。
久しぶりにたくさん雪が降るのを見たからかもしれない。

お昼には「油そば」を食べた。
うちの油そばには、マヨネーズをかけてまぜまぜする。
カロリー高過ぎとはわかっているけれど、たまにはいいか。

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