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ひとんちの、話

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日記のような、私的な、できれば極力下世話なことを書きたいマガジンです。
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#読書感想文

変人スタイル

変人スタイル

昨日『ザリガニの鳴くところ』を読み始めたら止まらなくて、夜中おそくまで、読みきるまで起きていた。
ふりかえると設定やドラマチックすぎるところや主人公の半生に対してふつーな恋愛・結婚観、和訳の女言葉なんかに違和感はあったんだけど、主人公が愛する生物と湿地の描写は美しかった。
掘立て小屋に住む不衛生な女の子とキスしたら臭いやろな、とかしょうもないことを考えてしまった。

日中の日差しがきついので、サン

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夜の鳥

夜の鳥

ここ何回か続いていることがある。
“家の人”がパン屋さんで必ずオマケをもらってくることである。
丸いパン。食パン。また今日ももらってくる。
小さな男の子ならまだしも、肩幅がガンダムくらいある成人男性だ。

「あんまり執着されないようにしなよ」

そう言ったら、
「お金払ってるから大丈夫。Uちゃんのほうがお金とか関係なしにもらってきたりするでしょ。こわいよ」
と返された。

なんとなく、たしかに、と

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『レディ・バード』と『パチンコ』

『レディ・バード』と『パチンコ』

2020/9/28(月)
朝、あたためた黒豆・ヨーグルト・ミューズリー。
焼きバナナをつくって乗せようとした。
天板のうえにクッキングシートを乗せたまま、その上にホイルでまいたバナナを置き、焼く。シートだけ焼けてしまって部屋に煙がうすく漂う。
バナナはしっかりと焼けていなかった。
ほんらいなら、皮は真っ黒にこげ、なかのバナナはとろとろになっていなければならないのだ。ふつうの、ちょっとあったかくなっ

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寝ているものは好感度が高いでおなじみ、『晴れた日は巨大仏を見に』

寝ているものは好感度が高いでおなじみ、『晴れた日は巨大仏を見に』

2020/01/12
去年の冬からだらだらと読んだり寝かせておいたりしていた本を読み終えた。

『晴れた日は巨大仏を見に』(宮田珠己/白水社)

巨大なものが怖いねという話に、あるとき集まった人たちで盛り上がったのだ。
ある人は大仏が怖いという。
わたしは巨大な空間に居ることがたまらなく怖い。たとえば、鍾乳洞。水族館の大きな水槽のある広い空間。美術館にあった巨大ウルトラマンの上半身。背骨あたりが冷

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