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お金払わないと、練習しちゃダメなの? - 参加費をもらう事について子ども達と話しました


 
9月15日(木)
 
公園に着くと、なにやら、みんながざわついていました。
「たにさん、お金払わないと、太尾ランナーズ来ちゃだめなの?」

参加費を頂くことにしました


2年間無料でやってきた太尾ランナーズですが、今月から参加費をもらうことにしたのです。
事前に何度も保護者の方々と相談をしました。
いろいろ悩んだ末に、今このタイミングしかないという判断でした。
でも、子ども達にとっては、ショッキングだったよう。
 
ここは、正面から向き合うべきだと思いました。
 
今日来てくれたのは15人。
6年生11人、4年生1人、低学年3人でした。

なぜ、いま参加費なのか?

 
話し合いの冒頭、改めて
「なんで参加費を取ることにしたの?」
という率直な質問が。
みんなが一番聞きたい事だと思います。
 
それには3つの理由があります。

長く続けていくために

 
1つ目は、太尾ランナーズに持続性を持たせるためです。
僕は日中に水力や風力発電の開発エンジニアをしていますが、太尾ランナーズのために15:30で切り上げています。
通常18:00まで働くとすると、2時間半分をどこかで働かないといけない計算になります。
この2時間半分を参加費でもらう事で、太尾ランナーズがみんなの力で持続できることになります。
この他、これまで買えなかった救急用品や練習道具も揃えることができます。

今、このメンバーで


2つ目は、今このメンバーでやりたかったからです。
今のメンバーは6年生がおよそ3分の2です。
彼らの多くは3年前から続けてくれています。
でも、6年生はあと半年で中学生になり、多くの子は来られなくなるでしょう。
すると、新しいメンバーがたくさん入ってくると思います。
太尾ランナーズの色も雰囲気もがらっと変わるでしょう。
そうなる前に、参加費をもらうという挑戦をしたかったのです。

挑戦を見せる


3つ目は、こんな挑戦をしている大人を子ども達に見てほしいという気持ちです。
自分で言うのは本当におこがましいですが、好きな事、得意な事を使って、みんなと継続的な挑戦をし続ける、そんな大人が身近にいるということを知って欲しいと思いました。
 
この挑戦は失敗するかもしれません。
むしろ、そんな失敗と、そこからどう学んで行動していくのか、そんなところまで子ども達に見てほしいと思っています。
だから、参加費をもらう事にしたこの3つの理由は、包み隠さず、みんなに共有する事にしました。 

この流れから、改めて太尾ランナーズの理念について話をしました。

「みんな違うけど対等」


生まれた場所も、育った環境も、お金も、親も、得意な事も、不得意な事も、もちろん足の速さも、みんな違います。
でも、みんな対等です。
それが太尾ランナーズの一番の理念です。

「できるだけ規則を作らない」


みんながお互いを信頼していれば、本来規則は必要ありません。
逆に言えば、疑い出したらいくら規則があっても足りません。
 
規則は、どうしても必要以上の制限をかけてしまいます。
挑戦して、失敗して、そこから学んでいく、その真っただ中にいる子ども達にとって、この必要以上の制限は、本当に大きな損失だと思っています。
だから、できる限り規則は作りたくないのです。
 
太尾ランナーズでは、過去に1つだけ規則を作らざるを得なかったことがあります。
それは、「走る時は口にモノを入れない」。
これだけは、やむにやまれずルールにしました。
でも、これもみんなが理解するようになったら、もう規則として存在する必要はありません。
みんなが、自分自身とお互いを思いやる、そんなチームになれば規則はどんどんなくなっていくと思います。

「みんな来ていい」


太尾ランナーズは、みんなが来ていい場所です。
「あの子はXXだから来ちゃダメ。」という事は一切ありません。
例え喧嘩していても、サンダルで来ても、足が痛くても、今よりも足が速くなりたいという気持ちがあれば、誰でも参加していいのです。
仮に参加費が払えない場合、その場合は参加費のことは、棚に上げましょう。
参加費よりも子ども達が優先です。

心理的安全性


今日は、最初の20分くらいでこのような話をしました。
正直、子ども達がここまで参加費について色々な考えを持ち、問いをぶつけてくるとは思いませんでした。
子ども1人1人に意見がありました。
参加費のことで、子ども達とここまでざっくばらんに話ができてよかったと思います。
 
その後の練習では3つのチームに分けて、ドリルを中心に練習しました。
高学年を中心に、驚くほど動きがよくなっています。
もう、僕が何かアドバイスするよりも、自分で考えて練習をしていけばどんどん速くなるような子も出てきました。
子どもの成長はすごいですね。

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