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D2C的なモールとは

 日経電子版の記事【集客のカリスマ 美容モールって何?】は、カリスマ的な個人事業主によるヘアカット・トリートメント・ネイルケアなどビューティー系の10のショップが集まった「THE SALONS」に関するリポートです。



 この個性的な「美容モール」の記事の中で最も印象深いのは、その特徴を示す「7つのポイント」です。その部分をピックアップしてみると――

▶「美容モール」の7つのポイント

① 1フロアに集結しており、様々なサービスを受けたいユーザーにとって
 は時短となる。

② 全員個人事業主でカリスマ

③ 独立への敷居を低くし、売上に応じて手取りの増える、固定制の賃料
 (売上手数料なし)。

④ 接客に専念できるよう、賃料に光熱費・タオルのレンタル代・トイレの
 管理などが含まれ、雑務はお任せ

⑤ フロア内で競合しない、かぶらないショップ選定。

⑥ 完全プライベート空間の個室。

⑦ 価格競争を防止すべく、料金表の店外掲示禁止。



 このようなビジネスモデルは、①個人(事業主)がそのスキルを存分に発揮して、②ユーザー一人ひとりが自分だけの体験価値を重視するコト消費の時代の、③スモールマスなユーザーのインサイトに寄り添ったサービスを提供するもの、と捉えることが出来ます。

 その事から直ちに思い起こされるのは、①SNSなどを通じて消費者とコ・クリエーション(価値共創)しながら、②自社で企画・製造(ファブレスも)したプロダクトを、③中間流通をなくした自社サイトなどで直販する(販売価格を抑えられる)『D2C(ダイレクト・ツー・コンシューマー)』のビジネスモデルとの類似性です。

 その意味で、記事の事例は、いわば『D2C的なモール』であるとも言え、モール(商業施設)がコト消費の時代に生き残っていくための一つの大きなヒントを提示しているように思えます。



#COMEMO #NIKKEI

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