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子どものチカラと呼吸法。

娘③が幼稚園に通ってた頃。
まだ身体機能が未熟で、
色々上手くいかないことが多かった。

思い通りにならないことがあったり、
悔しいことがあったり、
嫌なことがあったりすると、
すぐ泣くし、叫ぶ。暴れる。
地団駄を踏む。

幼児のエネルギーはすごいので、
そのイライラに大人はとにかく
影響されやすい。

そんな時にすることは。
まずは待つこと。

注目して欲しいだけの時もあるので、
まずはじっと、様子を見る。
娘③に注目する。

それだけで、少し感情が収まる時もある。
少し収まったら、話を聞く。

感情が収まっても、収まらなくても、
次は、抱きしめる。
ぎゅっと抱きしめる。

お互いの呼吸が分かるように。
ヒックヒックとしゃくりあげていたり、
浅い呼吸を繰り返していたり。
娘③の呼吸の乱れを、胸、おなか、息づかいから感じる。

「息」という字は、
「自分の心」、と書く。
呼吸は、その人のその時の心の状態をよく表している。

浅い呼吸は、心の乱れ、落ち着かない状態。
ということは逆に、深い呼吸をすれば、心が落ち着くということ。
呼吸をコントロールすることで、心をコントロールできる。

娘③を抱き寄せ、ぴたっと身体を添わせて、
わたしが深呼吸を繰り返す。
リズムがバラバラのメトロノームが徐々に調和していくように、
わたしと娘③の呼吸のリズムが、少ずつ、調和してくる。

少しずつ、少しずつ。

はいて~~~、すって~~~~
はいてはいてはいてはいて~~~~、すって~~~

吐く息に集中して、
長く。長く。

唇を尖らして、
ふ~~~~、ふ~~~~~と懸命に息を吐く娘③。

いつの間にか、
涙は引いていく。


ある日、一人遊びをしていた娘の部屋から、
「もういやっっ!!!」と言って叫ぶ声が。
癇癪を起してるっぽい気配がする。

なんかあったなぁ~と思いつつ、しばらく放置。

するとやがて、
「ふ~~~~、ふ~~~~」という声が聞こえてきた。

もしやこれは!!と様子を見に行くと、
ぐちゃぐちゃに破かれた画用紙が散乱する部屋の中で、
仁王立ちになって目に涙をためて、
「ふ~~~~、ふ~~~~」っと、
懸命に息を吐いている娘③。

どうやら思い通りに絵が描けず、癇癪を起したようだ。
驚いたのは、自分で自分の呼吸をコントロールしようとしていたこと。
わたしがいなくても、
気持ちを落ち着かせる方法、を実践できるようになっていたのだ。

わたしは娘③のそばに行き、寄り添い、落ち着くまで見守った。
呼吸が落ち着いたところで、ぎゅっと抱きしめた。

娘③は、転んでも立ち上がる、自立のチカラを一つ、体得した。


その後、
娘からこんな報告が。

「きょうね、ようちえんでね、おともだちがないてたの!
 わーわーないてたから、いきをゆっくりはくといいよって、
 おしえてあげたの。いっしょに、ふ~~~、ふ~~~~、って、
 したんよ!」

なんとまぁ。

なんとまぁ。。

一人の子どものチカラを伸ばすことは、
その周りの子どものチカラを伸ばす。

「母親」って、本当にやりがいのある役割。
大人が大人同士で行うどんな立派な経済活動よりも、
どれだけの社会貢献度があるのだろう、と思う。

素直な子どもの成長力は本当にすごい。

そして子どもは、
すぐに手を差し伸べないことで、自ら歩き出す。
子育てに関わる方は、
その一歩を見守る余裕を持てる環境を、
作りましょう。


これまでの経験で、なんとか自分の役割に気づくことができました。与えられた役割を全力で全うするため、「わくわく」と「ドキドキ」のど真ん中を走ります。 サポートでの勇気づけ、素直に嬉しいです\(^o^)/