大絵描き『西炎子』の小説を曖昧絵描きが紹介したい[その2]
西炎子著 『溝』を語る前に
このぼんやり曖昧絵描きには、敬愛すべき女神、勝手に心の師匠と呼んでいる大絵描きがいる。
ひろ生を心身暗黒の渦から救ってくれた、究極の女神である。
炎子女神がいなかったら、今のひろ生は存在しないかもしれない。
その大絵描きが今年の初秋に、新作の小説を出版した。
今回も鳥肌ものの問題作である。
特に絵描きや小説家、いや、創作者には、是非とも読んでいただきたい内容かもしれない。
ここでは、この曖昧絵描きのひろ生が、興奮覚めやらぬアホな頭で、思い切り感じたままを正直に語ってしまうのであるが、ネタバレはしないよ。
西炎子著 『溝』
装丁 西炎子
収録作品(2篇)
溝
白い影
『溝』・『白い影』に描かれた狂気と嫉妬の形
創作者の苦悩を描いた作品、と言い切るにはあまりにも狂気に満ちている。
才能は人それぞれで、それを認めるのも人それぞれで、生み出されたものを評価するための主観の相違はあって当たり前だと思う。
けれども、努力だけでは敵わぬ天賦の才能というものがある。
同じ作家として、近くにいればいるほど、天才を見抜ける才能だけを与えられて、自身に天才の才能を与えられなかったとしたら、神を恨むだけではなく、それが狂った嫉妬に変貌してしまうことも人間の感情として実際あるだろう。
「溝」は天性の芸術的センスを持つ友人の才能を妬む、世間的には成功者である画家の異常なまでの嫉妬と憎悪と苦悩の狂気の果ての物語。ヒロインが見せる美しい強さは必見。
「白い影」は令和現代のカメラマンの元を訪れた謎の青年が、昭和十年代の小説家とその弟子の辿る、奇しく謎に満ちた物語を語る。謎が全て解ける穏やかで恐ろしい狂気が描かれる終盤の展開が秀逸すぎる。
この2作品は、凄まじいまでの狂気を、ある意味純粋に昇華させ、激しく哀しく描いているようにも思える。
人間、殊に創作者であるが故の正直な情念と嫉妬と狂気……狂鬼!
ひろ生も絵描き、表現者の端くれとして凄まじく読み応えがありました。
何度読んでも全身鳥肌ものです。(また言っちゃった笑)
是非、手に取って読んでいただけたら幸いです。
Amazonにて発売中です。
ご興味持っていただけたら是非読んでみて下さい。
鳥肌立つこと必至です!(3回も言っちゃった笑笑笑)
西炎子著 『灯下の男』
西炎子著『日映りの時』
最後まで読んでいただいてありがとございました♡
おまけ(必読希望)
「女神女神って…‥照れるぜ」(炎子師匠談)
↑↑↑
かっこいい大絵描きのくせに、事実なのです笑笑笑
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?