私がお肉を食べるのを辞めた理由

こんにちは!ココナッツミルクです。
前回投稿した記事に、”サポート”を贈ってくださった方が居ました。noteのような場所で文章を書くのは初めてだし、ライティングは好きだけど得意だとは思っていないし、そんなにタメになる内容を投稿できている自信もないので、驚きと嬉しさでいっぱいになりました。本当にありがとうございます。

読んでくださっている皆様、本当にありがとうございます。更新頻度も低いし、特にターゲットやテーマも絞らず自分が好きなことを書いているだけですが、もしも読んでくださっている方々になにかプラスに影響することができれば、凄くすごく嬉しいです。

*** 

さて、今日はずっと下書きに居た記事をやっと投稿します!

今日は留学とも心理学とも一見全く関係無さそうな、菜食について書きます。
私は、基本的にはお肉を食べません。
「お肉を食べない」と聞くと、近年日本でも注目されている「ベジタリアン」「ビーガン」などの言葉を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、私はその2つとは少し異なる「ペスクタリアン」として生活しています。2019年の年明け頃から意識しはじめたので、もうすぐで1年半になります。

ペスクタリアン?なんやそれ!!と思われる方が大半だと思うので、簡単に説明すると、
「ビーガン:肉、魚、卵、乳製品すべて摂取NG」なのに対して、
「ペスクタリアン:肉はNG、その他(魚、卵、乳製品)摂取OK」です。

((このあたりの厳密な定義はもっと細かく色々と決められていたり、本、ウェブサイト、個人によって定義の仕方・解釈も異なるので、ここでは最もかんたんな定義にしました。また、フルーツしか食べない「フルータリアン」、肉も魚も卵もNGだけど乳製品はOKな「ラクト・ベジタリアン」、出来る限り動物性は避けるが臨機応変(フレキシブル)に対応する「フレキシタリアン」などなど、「ベジタリアン」のくくりの中に様々な種類が存在するので、気になる方は是非調べてみてください!))

さて、このように動物性を制限する食事は多面において賛否両論ですが、そこの是非は一旦置いておいて…
この記事では、「なぜ私はお肉を食べることをやめたのか?」その理由を中心にお話させて頂きたいと思います。ご興味ある方は是非読んでみて下さい。

画像5

アメリカらしいハンバーガー。なんと、お肉はもちろん、牛乳から作られるチーズは一切使われていません!100%動物性フリーです。
 ***

ビーガンになった親友

きっかけは、ビーガンになった高校時代の親友でした。彼女は大学の授業でベジタリアンの食事法について学び、それがきっかけとなり2018年からビーガンとして生活しています。

ベジタリアンの食事をする人は、おもに「アニマルライツ・ウェルフェア」「環境」「自身の健康」のうちのどれか、もしくは複数を理由にはじめる人が多いです。
彼女の場合は完全に動物が理由でした。普段生活しているだけでは想像すらできませんが、家畜を育てる環境は、想像を絶するくらい酷いです。そんな残酷な行為に加担したくないだけでなく、そもそも、生きている動物を私達の食事のためにわざわざ殺すなんて倫理的じゃない。「食物連鎖」「弱肉強食」なんてエゴでしかない。そんな思いから、様々な葛藤を乗り越えながらも、彼女はそれ以来ビーガンを徹底しています(彼女の場合、はちみつも食べないし、食事だけでなく衣類や化粧品なども動物性由来の成分が入っていれば使いません)。

そんな彼女から、ビーガンとして生活することにしたと初めて聞いたときの率直な感想は、
「へー、がんばれー!(超大変そう…一生続けるのは無理だろうな…)」
といった具合でした。「制限多すぎ!過酷すぎ!私には絶対無理だ!」と思うだけでしたし、正直なところ、今はこれだけ意志が強い親友も、いつか挫折してしまうんじゃないかと、現実的に日本でビーガンとして食事する厳しさを考えて思っていました。
(そんなことは全く無く、日本にベジタリアン・ビーガンを広めるために精力的に活動し続け、実際に彼女をきっかけに考え方を変えた人は私も含め多くいるので、本当に本当に凄いです。)

ビーガンを広めたい彼女は、ビーガンとして生きることがいかに正しくて、肉食がいかに絶対悪かを、すきあらば私に説くようになりました。
ビーガンとして食生活を送ることは大変すぎて自分には無理だし、肉食を悪い事とも思っていなかった私はことごとく反論していました。

「ライオンもシマウマを食べるじゃん!食物連鎖じゃん!」
「肉食がなくなったら畜産業に携わる人の生活はどうなるの?動物も大事やけど彼らの生活だって大事じゃん!」
「肉食はもう多くの文化の一部じゃん!多くの人の心の拠り所である文化を否定することだって悪だ!」
「ビーガンが良いって思う人はビーガンになったらいい、そうじゃない人を無理やり変えようとしたり悪者にするのは、ただの押しつけ!」

などなど、ビーガンの人にしてみれば「あーはいはい、またコレね。」というような、菜食主義に対するすごく典型的な反論をしていました。私達は、(良くも悪くも)どちらも意見はしっかり持つほうで、議論をするタイプなので、彼女がビーガンになりたてのころはよくバチバチ議論していました。

それから月日が経ち、彼女はビーガンとしてより活動的になるも、私にビーガンになるよう説得することは減っていきました。

画像6

ニューヨークの有名なチェルシーマーケットの中にあるケーキ屋さん。
ゴマペーストである「タヒ二」で作られている珍しいビーガンケーキです。
***

ヨーロッパでおためしビーガン食生活

2019年の年明け、彼女が1ヶ月程私の留学先であるウィーンに遊びにきてくれました。(在籍していたのはアメリカの大学ですが、ウィーンに1学期間交換留学に行っていました。)
私の部屋に泊まっていたので、1ヶ月共同生活です。イコール、ほぼ毎食、ビーガンの彼女と一緒に食事をします。
「お肉食べたかったら食べても別にいいよ。嫌だけど。」と一応言ってはくれるものの、さすがに動物愛護を理由にビーガンを徹底している彼女の目の前でお肉を食べることはできませんでした。物足りなさを感じるものの、彼女と一緒に私もほぼビーガンとして食事をするようになりました。

ちなみに、アメリカもヨーロッパも、大都市ではビーガニズムがかなり進んでいます。スーパーやレストラン、ビーガン・ベジタリアンの対応がなされているのがほとんどです。そのような環境であったからこそ、ビーガンとして食生活を続けやすかったということもあると思います。

そして、お肉抜きの生活スタートから2週間ほどたったころ、ある変化に気が付きました。

「あれ、朝めっちゃすっきり起きれる」
「え、なんか体が軽く感じる」
「一日通して疲れにくいし、集中力上がった気がする」

「これは、、、お肉抜きのおかげ!?」

とにかく朝起きたときの感覚が以前と全然違いました。私は特に寝起きが悪いわけでもなかったのですが、「朝か、、あと10分寝たいな」「んー、今日めんどいな」など思うことも(たまには)あり、「ああ、朝だ!朝から元気120%!」というタイプではありませんでした。
それとは一転して、朝起きたその瞬間から全然活動できるぞ!!と思えるほど、寝起きに倦怠感がまったくありませんでした。

ネットで調べてみると、どれもお肉を食べないことで得られる健康メリットとして挙げられていました。
でも、思い込み(プラシーボとか)の可能性も偶然の可能性もいくらでもあるしなぁ!と思い、気に留めすぎませんでした。

そして彼女が日本へ帰り、ビーガンの制限がなくなった私は、以前と同じように友達と外食先でお肉料理を楽しみました。

お肉を食べた日の翌朝は、今までの数日より1200倍くらい悪い朝の目覚めでした。目も頭もしゃきっとせず、とにかく体が重くて重くて仕方ありませんでした。悪めの二日酔いより悪い感じです。
ここではじめて、お肉抜きって本当に健康に良いのかも。と思い、それ以来出来る限りお肉は避けるようになりました。

画像2

そんな親友と行ったベルリンにあるビーガンドーナツ屋さんです。
大行列でした。
***

はじめのころは、やはりお肉を抜くことによる健康効果は自分の思い込みなんじゃないかと何度も思いました。でも、お肉を食べた翌日は必ず目覚めが悪いだけでなく、日中を通して体調も優れませんでした。焼き肉なんか行ったときは、その後1週間くらい本調子ではなかったです。これらの、自分の身を持って行った数々の”実験”によって、お肉を抜くことが健康に良いことが自分の中で立証されていきました。

それ以来、自然とお肉を食べたくなくなりました。「お肉=怖い(体調悪くなるから)」とまで思うようになってしまいました。
よく、お肉食べないと言うと「えー!食べたくならないの?」と言われますが、全くの逆です。

先程、動物性の食事を控える理由は、おもに動物、環境、健康の3種類あると書きましたが、体験談にあるとおり、私の場合は「健康」でした。
もちろん、自分の選択(お肉を食べないということ)が、動物にも環境にも良い影響を与えているとわかると、なおさら続ける理由になります。実際に、アニマルライツや環境問題に関心を持つきっかけにもなりました。

でもやはり、「朝起きた瞬間から自分がちゃんとファンクションする感覚」を失いたくないという理由が一番で、お肉抜きを続けています。また、朝の目覚めをあれだけ変化させることができてしまうお肉って、どれだけ私達の身体にとって負担なのかも考えさせられると、とても自ら進んで食べたいとは思わなくなりました。

アメリカ・ヨーロッパのビーガニズム事情

ベジタリアンの考え方は、アメリカやヨーロッパの多くの地域ではあたりまえになっています。
スーパーマーケットには、代替肉や代替乳製品を使用したミルク・ヨーグルトやスプレッドが並んでいます。ちなみに、代替乳製品では日本では大豆が主流かと思いますが、こちらではココナッツミルク・アーモンドミルク・カシューミルク・オートミルク・ピーミルクなども人気です。(私はココナッツミルクのヨーグルトにすごくはまってたのでnoteの名前に使っています。笑)代替ヨーグルトは美味しいし、洗い物がとっても楽になります!
レストランやカフェのメニューにも、最低1つはビーガン・ベジタリアン対応のメニューがあると考えていいと思います。

ビーガン商品だけを扱うレストランやカフェも都会にいくとたくさんありますし、ビーガン専門の食品ブランドとスーパーマーケット(ドイツのVeganzなど)まであります。

ファストフードチェーンですら注目する代替肉

最近では、肉料理メインで食肉産業と深い繋がりのある大手ファストフードチェーンですら、ビーガン対応の代替肉を用いたメニューをどんどん増やしているイメージです。通常お肉抜きでは成り立たない(かつ"アメリカンフード"の代表格である)バーガーやホットドッグは、「ビヨンドミート」「インポッシブルバーガー」などという代替肉が使われることが多いです。どちらも異なる会社から販売されている代替肉です。ハンバーガー用のパテが最も人気なようですが、ウェブサイトをみるとグラウンドビーフ、ソーセージなど、形態は様々です。

画像4

ビヨンドミートです。この後ライスバーガーにして食べました。
***

アメリカのケンタッキーフライドチキンが、ビーガンのチキンナゲットをジョージア州で試用的にスタートしているそうです。ちなみにイギリスでは通常メニューとして存在するようです。マクドナルドもビヨンドミート(代替肉)をつかったメニューの開発を進めていたり、カナダで試験的にスタートしているみたいですね。バーガーキングはすでにインポッシブルバーガーがメニューに存在します。日本でも人気のシェイクシャックも、マッシュルームバーガーがありますね。

余談ですが、コロナウイルスを受けて、食肉業界は縮小している一方、これらの代替肉の会社は業績を伸ばしているようです。コロナウイルスを受けて食のサプライチェーンが大きく揺れている印象を受けますが、これをきっかけに劣悪な飼育環境や従業員の権利、人体と環境への悪影響が大きく見直されるのではないでしょうか。その結果の一つとして、代替肉や代替乳製品のプレセンスの向上は約束されているように感じます。


画像4

日本では馴染みのないヘンプシードとココナッツからのミルク。
他にもアーモンド、オーツ、ピー(豆)、カシューナッツなど 本当に様々な種類があり、それぞれ色んなフレーバーがあったりします。
もちろん店にもよりますが、このお店では代替ミルクで牛乳の3倍ほどの品揃えがありました。
***

食のマイノリティとマジョリティ

日本だとまだビーガンやベジタリアン(や、アレルギー持ち)であると外食の選択肢が限られてしまう事が多いように思いますが、そのハードルがアメリカやヨーロッパでは圧倒的に低いと感じます。

日本では、ビーガンなど食事に制約がある人は、ビーガンでない人と食事に行くと外食先の選択肢が圧倒的に減ってしまうし、遠慮させてしまう事が多いから、相手に悪く感じてしまう。という声をよく聞きます。実際私も日本で「お肉食べない」を貫き通すのは、相手への申し訳無さが伴いました。
日本でお肉食べないと言うと、「変な宗教、、、?」と思われたり、間違った偏見を持たれることすらあると友達が言っていました。

アメリカにおいて、少なくともわたしの周りでは、ビーガンやベジタリアンであることは一つの選択肢としてあたりまえです。「私ビーガンなの」ということはごく自然なことで、それを聞いて驚く人はもうほぼいないと思います。ヨーロッパも似た事が言えると思います。(郊外はわかりませんが…)
上述しましたが、お店の品揃えやカフェ・レストランのメニューも、ビーガン・ベジタリアン対応はたくさんあります。日本と比較して、欧米は食事に関して、人々の意識も、実際のお店の対応もすごく”inclusive”だと感じます。

お肉を食べない人口の多さの現れでもありますし、それぞれの事情で食事の制限のある個人が尊重され、受け入れられている風土はすごく良いことだなと感じます。ビーガン食は基本的に、アレルギーや宗教といった様々な理由で食事に制限のある人みんなにとっても優しい食事なので、「みんなが一緒に楽しめる食事」と呼ばれることもあります。
どんな食事の制限があっても、食事はみんなが同等に楽しめるべきものであると感じます。私自身や、友人が日本で感じたように、食の”マイノリティ”が肩身の狭い思いをしたり、”マジョリティ”にいつも合わせないといけないのは違うと感じます。「食事のタイバーシティ」がもっと尊重されるようになればいいのに、と思うばかりです。

画像3

代替チーズバージョンです。
乳製品を一切使わないチーズだけでこの品揃えは驚きですよね。
***


"肉食文化"に隠されてる事実は何なのか?

ビーガンの親友の影響を受け、また自分が色々調べながら、私がどのようにしてお肉を食べなくなったかというお話から、日本と他国を比較して思うことを書きました。
お肉やめよう!という記事ではありません。単に、日本ではビーガンやベジタリアンの人も少なく、肉食の是非について考えるきかっけがあまりないと感じるので、ただ経験談として、そしてできれば考えるきっかけとして、有意義な記事になればいいなと思い書きました。

もしこの記事をきっかけにご興味を持って頂ければ幸いです。菜食についての本や記事、有名なドキュメンタリー(What the Health/Dominion/The Game Changers などなど!)など沢山あるので、ご興味のある方は是非チェックしてみて下さい。

これらのドキュメンタリーや菜食に関する記事を見る度に、畜産業界の闇を目の当たりにせざるを得ません。私達の毎日の食事の裏側にある「真実」は何なのか?と考えさせられます。What the Healthでは、いかに特定の会社や産業の利益のために私達の日常生活が歪められているのかや、スポンサー企業・団体の思惑やCMや広告のマニピュレーションについて考えさせられます。私達に見えないように隠された真実を見極めて、正しい選択をする大事さを改めて感じます。お肉を食べなくなったことによる効果は、自分の健康以上に、「事実は何なのか?」と懐疑的に問いを続けるリテラシーの重要さを再確認したことなのかもしれません。

***

お肉が美味しいから大好き!という人にとってはお肉断ちはとても難しい事だと思います。環境・動物・健康のためベジタリアンになりたいけど、、、と思う人の足を引っ張っている最大の理由でしょう。
ですが今は幸い、上述の代替肉や代替乳製品のオプションも多いですし、こういったフードテックは海外だけでなく日本国内でもどんどん増えています。
ポール・マッカートニーの提唱する「ミートフリーマンデー」のように、1週間のうち1日だけ動物性抜きの食事をするだけでも環境・動物・健康に与えるポジティブな効果はあるはずなので、小さなステップからやってみよう、と思われる方がいれば嬉しいです!またまた長くなってしまいましたが、最後までお読み頂きありがとうございました!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?