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グッとくるIT

「命を救うものづくり 」について取材したことがある。
命を救うのは医者であり、ものづくりとは一見無関係に見えるのだが、
それが関係あるっちゅーことがミソである。

心臓に先天性の疾患を抱えていた場合、
つまり生まれながらに心臓に問題がある赤ちゃんの場合、
小さいことと未熟であることゆえに、その手術は困難を極めるらしい。

そのものづくり企業は先天性疾患のある心臓のCTを受け取り、
本物そっくりのシリコン製モデルを医師に納品する。
外観や血管はもちろんのこと、
心臓の中の一つ一つのヒダに至るまで、全てを再現する。

それを受け取った医師は、本番の手術前にこのモデルを執刀し、
シミュレーションつまり予行練習をすることができる。
練習をした場合としていない場合では、当然成功率も違ってくる。
つまりものづくりが巡り巡って命を救っていると言うことだ。

テクノロジーが人命を救うと言うストーリーはグッとくるものがある。
テクノロジーは利便性を高めるために多く使われているが、
人の命までも救う力があるのだと言うことを感じさせてくれる。

ITの世界でもそのような話が聞こえてくるようになった。
ウェアラブル端末、つまりApple Watchのように身に着ける端末である。
こう言った類のものは、体の様々な状態を検出し、レポートしてくれる。
昇天度数は完治してくれないが、脈拍などはお手の物だ。
いや、昇天の際は脈拍が多くなっているはずでありわかるはずだ。
昇天を定義し検知する機能が備わっていないだけなのかもしれない。

私も着用しているApple Watchはすでにたくさんの人の命を救っている。
急な脈拍の増加低下があった際に通知すると言う機能が備わっており、
それにより心筋梗塞等の血管系トラブルが早期に発見することができた。
早期発見からの治療により、その人の命は救われてきた。

悔しいからわざと書きますが、私が着用している次のモデル(シリーズ4)から、
新たな機能が備わった。
その名も転倒検知機能。
センサーにより、人が酷く転んだ際に「大丈夫っすかww」と聞いてくれる。
ちょっと誰得なところもあるし、いらない機能だなと思っていたのだが、
この機能が人の命を救ったと言うニュースがあった。

すでに何人もの事例が掲載されているのだが、
共通する事は、家の中やアウトドアですっ転んだと言う事である。
転倒通知機能だから当然である。

すっ転ぶと、Apple Watchが「大丈夫っすかw」と問うてくる。
画面には「SOS」と「大丈夫」が表示され、
意識がある場合や実はトランポリンやってましたみたいな場合は、
操作する事で事なきを得る。ここまでは普通。

意識を失うほどのすっ転び方。自転車で7回転して崖から落ちるとか。
もしくは持病で意識を失い、倒れた場合。
通知後1分間反応がなかった場合にApple Watchは本気モードになる。
まず緊急通報先に連絡する。日本で言えば119で救急車を呼ぶ。
それから緊急連絡先に登録している家族などにメッセージを送る。
こちらも早期発見や初動を早めることになり、
その人の命が助かる確率が上がる。

どやさこれ。
グッときてならないほどグッとくるストーリーなのである。
命を救うITは存在し、
人命救助はテクノロジーの最も良い使い方だとさえ思える。

直接的に人の命を救えるのは医者かもしれないが、
人の命を救う重要な手助けができる異業種のテクノロジーが存在するのだ。
そうであれば、クリエイティブも命を救うことができるであろう。
命を救うクリエイティブ。どういったものだろうか。
グッとくるだけにグッと挑戦し、さくっと実現したいものである。

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