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ピアノ曲の旧約聖書と新約聖書


バッハの平均律ピアノ曲集は旧約聖書
ベートーヴェンのピアノソナタ集は新約聖書
この逸話はドイツの音楽家ハンス・フォン・ビューローの言葉です。

Hans von Bülow 1830-1894
指揮者、ピアニストでもあり作曲もしたビューローは日本ではあまり話題にされない様ですが、ベルリンフィルの初代指揮者であり、フランツ・リストの娘コジマと結婚しており、ドイツではかなり名の通った音楽家です。

小さい頃、チェルニーなどお馴染みの練習曲を沢山習いましたが、ビューローの練習曲も習った覚えがあります。

J. S. Bach
バッハの平均律は、全ての調性で一曲ずつ作曲されており、それぞれが 「前奏曲とフーガ」という構成で成り立っています。
24 調性 全24曲 これが第一巻と第二巻 (全 48曲) あります。

フーガに至っは、二声から五声まであり、多声律は初見も大変ですが、一曲弾き上げるまでもかなり困難で、暗譜はさらに時間を要します。
バッハの音楽は「全ての音楽の基本」が詰め込まれているとも言えるでしょう。

楽曲の分析や専門的な事はいつか改めて書きたいと思います。

Bach: 最後のプレリュード 第二巻 24番 h-moll (48曲目)
Bach: 五声のフーガ 第一巻 4番 cis:moll


L. Beethoven

ベートーヴェンのピアノソナタは全部で32 曲、初期・中期・後期とそれぞれ特徴があり、まるでベートーヴェンの人生そのものの集大成の様な曲集です。
ベートーヴェンは奥が深いので、表現を掘り下げていくと限りはなく、作曲家が意図している音楽を深く解析し、それを的確に表現し、そしてその上でベートーヴェン特有の自由や彼の音楽に対する深い情熱を表現出来る所まで追求した演奏も、実は世の中にそんなに多くないのです。

基礎
音楽大学の入学試験や卒業試験、コンクールの課題曲には、大抵このバッハの平均律とベートーヴェンのピアノソナタが入っています。
これは日本でもヨーロッパでも定番となっています。
それは、基礎の基礎だから。

音楽家によっては、バッハとベートーヴェンで全ての音楽は完結している、と唱える人もいます。 
極端ではありますが、そう言っても間違えではないでしょう。

ヨーロッパの宗教
は主にキリスト教ですから、旧約聖書と新約聖書に比喩したビューローの表現は、彼らの宗教観、信仰の精神、神と共に生きる という人生観から発している事、私たち日本人が西洋音楽の勉強をするにあたって、この様な思想や背景を理解する事は大切です。

復活祭も近いからか、 ビューローの逸話をふと思い出しました。

日本でのボランティア演奏活動に使わせていただきます。 宜しくお願い致します。