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2023年最後の旅✧♡④

 12月31日。

 今日の予定は、あねさまの家に行き、一緒に年越し。

 黒帯と、11時チェックアウトの後、昨日の蕎麦屋を再訪。

 そうなのだ。我々は、あの蕎麦屋をいたく、気に入っているのだ。
 
 日本酒党で、日本酒と言えば冷、という概念を覆したのが、その蕎麦屋。どうせ、うまい日本酒とか出てこないだろうから、熱燗を頼んでみようよと、うっかり頼んだ我々。

 その熱燗の旨さに痺れた。
 
 大して旨くない日本酒を熱燗にすると、化けるのである。
 時は冬。
 ビールは冷たい。熱燗は温かい。
 この温かさが、身に沁みいるような美味しさを演出するのである。

冬の熱燗(←冬の幸せの季語)

 
 ビールは省略し、早速、熱燗と漬物。
 昨日と同じ席で飲み始める。
 今日のつまみは、メンマチャーシュー省略で、盛りソバ。

 そうです。
 池波正太郎の世界。 

蕎麦屋で飲む。池波正太郎の世界。(←大人の季語)

 盛りを頼んだら、大晦日は茶そばで、緑色のそばが登場した。
 しこしこでつるつる。量も多めである。

 黒帯が今日も天中華を食べたいと言うので、それを頼もうと店員を呼び止めると、
「お銚子もう一本ですか?」と聞かれたのも嬉しかった。

「昨日とは(盛り付けの)美しさが違う」「だしがスッキリしている」と、黒帯。
2日連続で頼んだ天中華(←feel like spring)

 天中華を喜んで食べている最中に、大人数の客が入ってきた。
 2人で、席を空けようと、黒帯は支払いに立ち、私は天中華をあわてて、食べ続ける。

 そして、
「来年もよろしくお願いします!」と挨拶して、早々に立ち去った。
 店の人の対応が、もしかして、我々の事覚えていてくれたのかな?と思うような温かい対応だった。
 来年も花見の時期とか、いつでも行ける時に、この蕎麦屋を訪れたい。

 そして、我々はあねさまの家に行くのに便利な弘南鉄道を訪れたのだが、次の電車まで、なんと、45分はある。
 そして、タクシーはいない。

「弘前の狭さって歩いてなんとかなるよね?」

 という私の甘言に乗って、黒帯と私は、姉の家までうっかり歩くハメになったw。いやあ、歩いた歩いた、45分。

正月太りを防止するかのような予期せぬウォーキング(←feel like spring)

「ただいま~」と姉の家に着くなり、2人は寝巻に着替えた( ´艸`)。
 なぜなら汗だくびっしょりであったからである。
 新しい下着に着替え、姉の準備した寝巻を早々に着た。

甥っ子が猫とともに帰省。暖炉の前でひたすら眠り込む猫
暖炉の前の猫(←幸せな冬の季語)

 大晦日の晩酌が何時に始まったのか、姉の家族が代わる代わる今年最後の風呂に入って出てきた。そんな中で、私はnoteをチェックしていたし、黒帯は、我々が持参した田酒を飲んでいた。

 姉が何を食べたい?って聞いたので、姉の得意料理のイモグラタンとチキンのローストをリクエスト。

姉のローストチキン。チキンには栗入りご飯が詰めてある。うみゃ~い✧♡
チキンを切り分ける甥っ子とそれを補佐する黒帯の手。

 我々夫婦と、姉貴夫婦と、甥っ子2人の年越しが始まった。
 美味しいチキンとイモグラとサラダを食べ、みんなでいろいろな話をした。いつもはテレビがつけっぱなしで、どうでもいいテレビを見ていることがあるのに、今年は、黒帯がテレビを消そうと言い、皆で食べたり飲んだりしていたから、甥っ子たちの色んな話が聞けた。この間までイギリスに研修に行っていた大学院生の長男は、名古屋の大学に行くっていう話だったが、指導教官の都合で、名古屋大学から、京都大学に、勤め先が変わっていた。

 何?京都大学だと?

 日本の文化歴史に関心のある私は、京都奈良に並々ならぬ関心を抱いていたが、甥っ子が京都に行くとあっては、行かなければならないだろうと、嬉しい義務を感じた。
 なぜなら、昨今のオーバーツーリズムで、外国人のあふれる観光地のニュースに、ウンザリしていたからだ。京都や奈良はもう、日本人が訪れる場所でないのかもしれない・・・。

 でも、甥っ子がいるなら行ってもいいかと、光明が見えてきた!

 甥っ子、ありがとう!
 叔母ちゃんはめっちゃ、嬉しい(⋈◍>◡<◍)。✧♡

 そうだ!京都、行こう!オトナの修学旅行✧♡

 次男の農業の話も面白かった。
 いつも、母の故郷に行くと、津軽弁のコアな世界を体験して、凄いなと思っていたのだが、弘前近郊でリンゴ農園を営む次男も、ずいぶん、コアな津軽弁の世界に入っているのが、彼の話から伝わった。
 なにいっちゅんだがわがんね(何を言っているのかわからない)人々の間で、りっぱに働いている様子だ。
 その口真似がとにかく可笑しくて、みんなで笑った。

1月1日。
 楽しいまま、眠くなって寝て、起きたら元旦が来ていた。
 義兄の淹れてくれたコーヒーを楽しんでいたら、義兄がいそいそと、大王という名の津軽特有のくじを出してくる。

くじを引くと、大王、2個、親、4個?、あとは子の小さな和菓子があたるくじである。

 この和菓子を食べたいって言うより、くじが、当たったり、当たらなかったりするのが楽しい津軽の風物詩。
 義兄→子、私→子、京都に行く長男→大王、であった。

私が当てた!と思ったお菓子。

 早速、コーヒーと共に頂いていると、姉から、
「あやのんが食べてるのは、子の大きさじゃないよ?」
と鋭い指摘がある。それを聴いた黒帯が、
「では、俺が、親を引きましょう!」
と言って、本当に、見事、親を引いた。
 そこで、腹の周りに帯を締める、黒帯の動作を初、目撃する。
 黒帯は、やはりタダモノでないのであった。

 のんびりと元旦の朝を過ごした我々は、10時に義兄に車で駅に送ってもらい、家に帰ってきた。

奥羽本線の車窓の景色。津軽平野。

 驚いたのは、弘前は雪が全く降らなかったのに、八戸市は雪が降ったらしく、道路は雪にまみれてぐじゃぐじゃだったことである。 
 
 家に着いた我々は、早速、車で、今夜食べるものを捜す。どこのスーパーも正月休みで、唯一開いているイオンに行ったら殺人的混みようだった。
 そばとかせりとか一通りの正月の仕様を買ってきて、早々に、家に閉じこもった。来年はこの買い物も、是非、省略したいw。

 旅と言うのは不愉快で当たり前と言ったのは曽野綾子さんのエッセイ。
 慣れ親しんだ全てを置いて出かけるのが旅であり、この不愉快さを味わいに出かけ、日常の平和を体感する。

 懐かしい顔を見るのも、冬の季語を体験するのも、すべて、旅の醍醐味なのであった。

 来年も、また行くね✧♡






 
 

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