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疲れている時は、疲れることが起こる。そんな時は取り返しがつかないミスをする前に休みたい。

時が流れる様に過ぎていた。転職活動の面接も気が抜けないし、退職届けや転居等の諸々の手続きは山になり、新居を選ぶことにも骨が折れ、段ボール100個の荷造りをし、息をつく間もなく6月下旬となっていた。

木曜日には有給をもらおう。もう少し。
そう思っていた矢先の土曜日、立ち上がった時に両手足の爪が真っ青になっていることに気づく。蒸し暑いはずの部屋が寒く、カイロを6個貼った。

この時、私は「今は休めないから辞めて」と見て見ぬ振りをした。しかし、動けなくなり、やむを得ず熱を測ると39度を超えていた。症状から急性胃腸炎だったのだろう。
………………
それでも月曜日には仕事がやってくる。やっと勝ち取った主務担当の仕事。
しかし今度は立ちくらみで手を付いたところにまな板があり、まな板の落下で足の親指の爪が割れて、爪が見えない程に血だらけになってしまった。
疲れているときは疲れることが起こる。
本当に疲れると思う。

休みたいと思ってはいたが、転職先の商社は大したことがない仕事を法務担当で取り合う。だからポディションを確保するためには休めない。
自己のポディション確保のために、
必要のない残業を月100時間をこなしてまでも仕事を手離したくない人、
貪る様に仕事をしている人、

重複する業務を削除して軽量化することを良しとする私は、定時に上がる。それを見てか、私が主務担当の仕事は他の法務部員にどんどん取られていく。

出社していてもいないところを見図られるのだから、休んだら外されると思った。
……………
しかしこのまま働けば、気を回しそこね、軽率な発言をし、人に嫌われかねない。
仕事の失敗は許されるが、人間関係での失敗は1つの対応ミスや失言で、終わり。補填のチャンスなんてないのだから人間関係の失敗の未然防止の為には、休むしかなかった。

そもそも足を怪我したら歩けない、止まるしかない。やむを得ないのだろう。
……………
全部を完璧に回転させて、最良の場所を作ろうと思っても止まれのサインが出る。だから止まらざるを得ず止まってみると、いくつかの間違えに気づく。

仕事は取り合うものではない。共に仕上げるものだろう。
会社携帯を見返すと、急でもない仕事依頼が22時に入っていて、土曜の朝6時に業務依頼が届いている。
急ぎの仕事ではないどころか未納期業務で未だ対応しかねる仕事の催促。

きっと共に働いている人たちも故障中だったのだろう。そして私も故障したのだろう。

部長が
「同僚の人たち、ちょっとしつこいよね?おかしくない?」
と連絡を下さった。

立ち止まらなければ危うく私は、不適切なやり方で人間関係を損ねていたかもしれない。
………………
目の前のことに夢中になって、疲れてしまい、疲れる出来事を呼び寄せ、もっと疲れて失言してしまう。
そうなっては取り返しがつかない。ならば仕事放棄と思われようとも怪我をしたのだから病院に行く必要があるのだろう。
怪我をした月曜日の朝、休暇をもらって通院したことによって救われたと思う。

あれから3週間経ち、ようやく包帯が取れた。
最初はゆっくりだけど、また連休明けから職場の人たちと向き合っていきたいと思う。

急ぐ仕事じゃないよ。私の仕事を皆で取り合うのではなく、少しだけ見守って欲しいと。
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